文房具
2016/10/17 21:27

カッターナイフの使い方間違ってない!? ポキポキと刃を折って消耗品のように活用するべき

最近たまになんだけど、“工作のおじさん”っぽい仕事をすることがある。わかりやすくいうと、ノッポさん的わくわくさん的な立ち位置で、工作イベントに来てくれた人たちに「ここはこんな感じで切りましょう」「ここにのり付けしますよ」みたいな説明をするのだ。

 

そこでは大人も子供もごちゃまぜで作業してもらうのだが、面白い傾向に気が付いた。「カッターナイフの刃を折れる人折れない人の比率は子供も大人もあんまり変わらない」ということだ。

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筆者の工作指導方針は「モノ切るときはまずカッターの刃を折れ」なので、とにかくポキポキとカッターを折ってもらう。切れ味の落ちた刃物はとにかく危険なので、10カットしたぐらいですぐ刃を折る。

 

ところが、孫連れで来てくれた60代ぐらいのおじいさんが「カッターナイフの刃なんて初めて折るけど、怖いな……」とおそるおそる作業してるのに対して、その孫の小学校低学年女子が「カッター折るの初めてだけど楽しい!」とパキポキ平気で折ったりしている。この差が何に起因しているのかはわからないが、男女差年齢差はあまりないような気がする。

 

で、そんなときに筆者が自慢げに取り出して「これを使うと便利だよ!」とドヤ顔でオススメする道具がある。誰でも簡単にカッターの刃が折れる専用ツール「ポキステーション」だ。

 

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オルファ

ポキステーション

1296円

これ、実はもう発売してから4年ほど経っており、一部の文房具ユーザーの間ではもう完全に定番となっているぐらいにマストなアイテムなのだ。が、これを知ってる人は特に専用の道具に頼らず、自力でカッターの刃が折れる人の可能性が高い。

 

↑裏にはツールスタンドも付属。これも地味に便利だ
↑裏にはツールスタンドも付属。これも地味に便利だ

 

どちらかというと、まだ知らない人(=文房具に馴染みのない人)ほど、ポキステーションを使う価値と必要性が高いはずだ。そういう人たち、この記事を読んで気になったら、即買って、カッターの刃をポキポキ折って欲しい。ペン立てにあるカッターの刃、さびさびになってないか? ほら折って折って。

 

いいわけその1……刃が飛んできそうで折れない

まず、カッターの刃が折れない人いいわけとしてよく聞くのが、「刃が飛んできそうで怖い」というもの。パキッと折った瞬間にその勢いでなにかトラブルが起きそうだ、ということだろう。その気持ちは十分にわかる。だって、我々刃を折れる側の人だって刃物は怖い。

 

しかし、専用の道具というのはすごいもので、その辺の不安を使う側が感じなくていいように、上手く処理してくれるのである。刃を折るだけの道具に1200円以上払う、というのことに納得がいかないかもしれないが、使ってみれば価値は絶対にわかる。本当に上手く折ってくれるのだ。

↑差し込み口をスライドさせると、金属製のノブが自動で立ち上がる
↑差し込み口をスライドさせると、金属製のノブが自動で立ち上がる

 

まず、刃の差し込み口をスライドして開けたら、カッター刃のサイズに合わせて口金をセットする。自分のカッターのサイズがわからない場合は、とりあえず一般的なSにして入れてみよう。工具箱に入ってるようなゴツいやつはL刃、その中間がM刃だ。

↑次に、カッターのサイズに合わせて口金をセット
↑次に、カッターのサイズに合わせて口金をセット

 

刃を1ピッチ(刃の表面に入ってるナナメのスジ1本分)出したら、口金に挿し込む。あとは金属製のがっしりして安定感のあるノブをグッと押すだけ。イメージとしては、爪切りで爪を切るぐらいの力加減である。

 

すると、パキッと小気味の良い音がして、刃が折れる。刃はケースの中に入っているのでこちらからはまったく見えず、恐怖感は感じない。

↑ノブを押すと、軽い力で気持ち良くパキッと折れる。しかも安全
↑ノブを押すと、軽い力で気持ち良くパキッと折れる。しかも安全
↑L刃は厚みがあるので、ちょっとだけ折るのに力がいる
↑L刃は厚みがあるので、ちょっとだけ折るのに力がいる

 

“なんかうまく折れないな”と感じたら、もしかしたら刃の向きが逆になっているのかもしれない。その場合は、ケース表面に描いてある刃のイラストを参照しながら向きを確認して、挿し込みなおそう。

↑折るときのカッター刃の向きは、ノブと逆方向に向くのが正解
↑折るときのカッター刃の向きは、ノブと逆方向に向くのが正解

 

逆にノブに手応えがない場合は、刃がケースに入りきってない可能性が高い。この場合は、もうちょっと刃をケースの中に突っ込んでからノブを押せば大丈夫。もしくは、1ピッチ分も刃が出てないのかもしれない。その場合は、もう少し刃を出して再トライしてみよう。

 

いいわけその2……折った刃が処理できない

カッターの刃が折れない人のいいわけとして次に聞くのが、「折れた刃をどうしていいかわかんない」というもの。折れた破片もやっぱり刃物であり、手でつまむのは怖い。それをどう捨てたらいいのかわからなくてオロオロしてしまう。その気持ちはわかる。

↑折った刃はケースの中に溜まる。我が家は半年でこれぐらい(ちょっと多め)
↑折った刃はケースの中に溜まる。我が家は半年でこれぐらい(ちょっと多め)

 

ポキステーションの良いところは、「ノブでパキッと折った刃はそのまま人の手が触れることなくダイレクトにケースの中に落ちて作業完了」となるところ。容量がかなりあるので、普通にご家庭で使うなら、数年は溜め込んでも問題ないだろう。

 

さて、なんだかんだで折れた刃が満タンになったらどうするか。できればポキステーション本体ごと捨てられれば話は簡単なのだが、コスト的にそれはキツいだろう。

 

折れたカッターの刃はだいたいどこの自治体でも「燃やさないゴミ」に含まれる。捨て方はそれぞれの地域ルールに従う必要があるので確認していただきたいが、だいたいは刃が入っているとわかるように、ガラスの空き瓶などに入れて密閉してゴミに出すのが基本のようだ。

↑フタは簡単に開けられるが、決して中に指を入れたりしないように。とても危険だ
↑フタは簡単に開けられるが、決して中に指を入れたりしないように。とても危険だ

 

ポキステーションの裏側が開閉するので、そこからジャムの瓶のような広口のものにザバッとあけて(刃には触れないように)廃棄してほしい。

 

さわっていて唯一こわいなと感じるのが、この刃の廃棄だ。できれば廃棄方法だけ、もうちょっとスマートになってくれるとありがたいのだが。ケースだけカートリッジ式で交換可能になってるとか、文房具店で回収交換してくれるとか。