文房具
2020/1/5 16:30

世相を占う!? 2020年へ続く、2019年文房具の三大トレンド

2020年が明けた。2019年は令和の改元があったり、消費税が10%になったり、イチローが引退したりと、なにかと話題が盛りだくさんの1年だったのは間違いない。

 

実は、そんな世の中の動きと文房具は、意外と密接につながっている、なんてケースもあったりする。例えば、消費税がアップして軽減税率が導入された→それに対応する電卓の新製品がいくつも登場する、というのは分かりやすい例だろう。もちろん、全ての文房具トレンドが社会と連動しているわけではないが、そういう見方をすると、ちょっと「へぇ!」と思えることもあるんじゃないだろうか。

 

ということで、2019年の文房具トレンドを振り返っておこう。

 

1.“携帯型オフィス”として使えるツールバッグ

いよいよ今年は東京オリンピック。すでに盛り上がっている人も多いだろうが、正直なところ、都内で勤務している人は結構な割合で「勘弁してくれよー」と思っているのだ。何せ交通規制で通勤はままならず、仕事もまともに進みそうにない。それなら“ビジネス疎開”やサテライトオフィスなどの遠隔地勤務だ、といっても作業環境が大幅に変わって仕事効率が下がるのも困りもの。

 

そこで注目されたのが、どこにでもいつもの作業環境を持ち運べる「携帯型オフィス」としてのツールバッグだ。

↑携帯型オフィスとしてコンパクトながら優秀な「ハコビズ」(コクヨ)
↑携帯型オフィスとしてコンパクトながら優秀な「ハコビズ」(コクヨ)

 

どういうものかざっくりと説明すると、普段からオフィスの机の上で使っている文房具・小物類をまとめて携帯するためのバッグである。これらは、もともとはフリーアドレス制オフィスでの導入されるのを念頭に作られているため、そのまま社外に持ち出せば遠隔地勤務も安心、というわけ。

↑「ハコビズ」展開状態。オフィスデスクに備えている基本ツールは、だいたいこれで揃うのでは?
↑「ハコビズ」展開状態。オフィスデスクに備えている基本ツールは、だいたいこれで揃うのでは?

 

「ハコビズ」(コクヨ)や「スマ・スタ ワイド」(ソニック)のように、開けたら即仕事にかかれるような機能のあるものに人気が集まっているようだ。

【文房具総選挙】文房具業界で進化著しいこのジャンルーー「収納する」部門……「スマ・スタ ワイド」
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文具やガジェットを大量に収め瞬時に取り出せるひな壇ケース
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2.新型「サインペン」が百花繚乱

こちらは社会の動きとは関係ないようだが、2019年は各メーカーから次々と新しい機能を持つサインペン(水性マーカー)が発売された。どれもかなりのヒットを飛ばしている。

 

そもそも1963年にぺんてるから元祖「サインペン」が発売されて以降、あまり変化のないレガシー気味なジャンルだったのが、2019年は一転、やたらと注目されるようになったのだ。

↑画期的なノック式&36色のカラーラインナップも嬉しい「クリッカート」(ゼブラ)
↑画期的なノック式&36色のカラーラインナップも嬉しい「クリッカート」(ゼブラ)

 

↑40色の中からカラーコーディネートされた5色セットも人気の「EMOTT(エモット)」(三菱鉛筆)
↑40色の中からカラーコーディネートされた5色セットも人気の「EMOTT(エモット)」(三菱鉛筆)

 

例えば「クリッカート」(ゼブラ)は、“キャップレス”が衝撃的なノック式サインペンだ。自ら空気中の湿度を吸収してペン先の乾燥を防ぐ「モイストキープインク」のおかげで、ボールペンのようにカチッとノックするだけで書き出せる、という革新的な製品である。

 

また、「EMOTT」(三菱鉛筆)は0.4㎜とサインペンとしては細いペン先を搭載。さらに、サインペンの弱点であるペン先潰れを防ぐ構造を持つため、ボールペンに取って代わる新たな“日常筆記具”として使われるケースもあるようだ。

 

ボールペンよりもカラフルなインクが使えるということで、バレットジャーナルなど彩りを気にした手帳作りに最適、というのも現在のサインペン人気の一因かもしれない。

ペン先が乾かない、上書きしても滲まない!ゼブラのノック式水性マーカーが全色集めたくなる優秀さ
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色味とタッチが絶妙…ボールペン代わりになるエモい「細字水性サインペン」
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3.中高生に求められる“勉強の効率アップ”

大学センター試験が本年度で終了し、次年度からは大学入学共通テストへ移行。記述式試験も導入か廃止か、英語民間試験活用は結局見送りか……と、昨今は大学受験がやたらと揺れている。たまったもんじゃないのは高校生(もちろん中学生も)で、なにをどうしたらいいのか迷うばかり。そのため、せめて普段の勉強だけでも効率的にしっかりやっておかねば、という意識が高まっているようだ。

 

2018年に人気となった「スタディプランナー」(コクヨ)は、“勉強の計画をインスタ映えするように立てられる”、というような意味合いの製品だった。が、2019年になってからはもう少しガチな、より学習の効率化を狙ったプランナー系が数多く登場している。

↑東大王・伊沢氏の勉強ノウハウが注入された「勉強計画ノート」(学研ステイフル)
↑東大王・伊沢氏の勉強ノウハウが注入された「勉強計画ノート」(学研ステイフル)

 

例えば、テレビでお馴染みの“東大王”こと伊沢拓司氏が手がける「勉強計画ノート」(学研ステイフル)は、単に東大ブランドだけに収まらず、かなり本気度高く勉強の質を上げるノウハウが練り込まれた製品だ。また、手早く勉強の計画立てができる「プランナー付箋」(サンスター文具)のように、小回りの利くプランナーも注目されている。

↑ノートに勉強プランを貼って活用できる「プランナー付箋」(サンスター文具)
↑ノートに勉強プランを貼って活用できる「プランナー付箋」(サンスター文具)

 

今後さらに混乱が深まる受験界隈だけに、勉強の効率アップを狙う中高生向け文房具は、2020年以降も確実に増えるはず。

【文房具総選挙】デジタルとアナログを融合した未知のノートもノミネートーー「記録する」部門……「プランナー付箋」
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今回挙げた文房具トレンドは、おそらく2020年もしばらく続く大きな流れと考えられる。今後もこれらのムーブメントに乗った面白い製品が発売されると思うので、要チェックだ。