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筆記用具
2021/8/10 19:00

ジェットストリームに迫る滑らかさ! 伊東屋オリジナルのボールペンリフィルは優雅な書き心地で人に勧めたくなる

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を1点ずつピックアップしている。第10回となる今回は?

 

第10話

ロメオ
ボールペンリフィル easy FLOW
880円(税込)

都内を中心に店舗を展開する文房具店、伊東屋のオリジナルブランドである「ロメオ」のインクリフィル(写真上)。同ブランドの看板商品、「No.3 ボールペン(8800円~/税込・写真下)」専用のリフィルで、低粘度油性インクを使っている。インク色はブラックとブルー。

 

積極的にプレゼントしたくなるほど、いいボールペン

餞別や転職祝いにと、隙あらば知人にボールペンを贈りつけてきた筆者ですが、振り返るとこれまで一番多く選んできたのはたぶんロメオ「No.3 ボールペン」です。

 

金属パーツをあしらったレトロな外見が醸し出す“イイモノ”感、そのわりに価格はそこそこお手ごろなことなどが主なチョイスの理由ですが、実は、中身である別売りの(以前は標準装備だった)「ボールペンリフィル easy FLOW」の素晴らしさをもっと知ってほしい……というのが秘めたる動機だったりもします。

 

2006年の「ジェットストリーム」登場以降、低粘度油性インクが標準の世の中となりましたが、数ある後発インクのなかでもこのeasy FLOWだけが、ジェットストリームインクの持つ「軽さ」に肉薄していると考えています。サラサラと水っぽくしただけのインクにはない、わずかに残ったヌメリ感が独特の滑るような軽やかさを生み出し、0.7mmボールにしては明らかに太く感じる筆記線も相まって、まるで「想像上の理想の海外ボールペン」的な優雅な書き心地を満喫させてくれます(ちなみにロメオは企画が日本の銀座・伊東屋、ボールペンのボディの生産は台湾、easy FLOWはドイツ製)。

 

ともあれ、その実力のわりにイマイチ知名度の低い不遇なインク。もっと世に知らしめるためには、やはり配るしかない……(捨て身の発想)。でも、そういう気にさせるぐらい、いいペンなんですよ。

 

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