絶対王者N-BOXを抑えて1位に! 7代目「ダイハツ・ムーヴ」が11年ぶりの刷新で大金星を挙げられた理由

ink_pen 2026/6/17
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絶対王者N-BOXを抑えて1位に! 7代目「ダイハツ・ムーヴ」が11年ぶりの刷新で大金星を挙げられた理由
前田賢紀
まえだ たかのり
前田賢紀

『モノ・マガジン』に編集部員~編集長として20年以上携わったモノ大好きフリー編集者が「は~るばる来たぜゲットナビウェブ!」。オーディオ、カメラ、文具、自転車、バイク、模型、珈琲、麦酒などに魅かれてやまない1970年式昭和少年。好きなバンドはYMO、好きな家はBESSのドームハウス、好きな自転車はモールトン、好きな漫画家は手塚治虫。ブックカバー偏愛家。Facebook、noteで、日々モノエッセイを更新中。ゲットナビウェブでは文字数多めで攻めます!

見モノ、識るモノ、語るモノ

モノ作りの歴史をたぐり、未来を垣間見る。傑作品が生まれる背景にはストーリーがある。モノに触れ、知識を得て、思わず人に語りたくなる雑学蘊蓄。今回の主役は軽ハイトワゴンのオリジンにして、2025年10月には王者ホンダN-BOXを抑え“軽”販売台数第1位を奪取したダイハツの7代目「ムーヴ」だ。

「動く姿が美しい」ってこういうことさ!

ダイハツ 
ムーヴ
車両本体価格135万8500円(L/2WD)〜

先代発売より11年の時を経て登場した7代目。最大のトピックはムーヴ初となる両側スライドドア及び、「タント」に始まる共通プラットフォーム「DNGA」の採用である。ダイハツ定番の予防安全機能「スマートアシスト」の装備で、安心・安全も満タンだ!

多くの収納とスマホの非接触充電、チルトステアリングに多彩なシートアレンジなど、便利&快適設計は当然のこと、戸倉さんお勧め機能はクルマに近づくだけでパワースライドドアが自動で開く「ウェルカムオープン」だ。

軽販売月間No.1を獲りたい……しかしチャンスは半年以内だ!

ダイハツ工業くるま開発本部チーフエンジニア 戸倉宏征さん
1997年入社。主にインパネ周りの設計者であり、3、5、6代目で開発者として、7代目でチーフエンジニアに就くなどムーヴと深い縁をもつ。目元が二代目松本白鸚(先代の松本幸四郎)にちょっと似ている、サザンオールスターズ好きの54歳。

「並みいるライバルたちの商品力は非常に強力で、新型ムーヴでも抜くのは難しいと思っていました。ただ一度は車名別No.1を獲れるかもしれない……それなら発売の勢いが続く半年以内だろうと予測していましたので、昨年10月にメーカーシェアとダブルでNo.1となった時は、社長以下、社内がとても盛り上がりました」。

そう笑顔で語るのは、7代目ムーヴのチーフエンジニア、戸倉宏征さんだ(コメント以下同)。しかし車好きからして、この偉業は“意外”だっただろう。なぜなら軽ワゴンといえば背高ノッポのスーパーハイトワゴン=タントやN-BOXが主流だからだ。加えて2014年発売の先代から11年目の新型となれば、熱心なユーザーすら心変わりしているはず。

新型ムーヴの魅力を端的に表現するなら「ウェルバランス」。それは使い勝手や燃費、コスパをも含めた、軽自動車ならではのシビアで高精度なバランス力だ。

「ムーヴはしっかり調べて、他社も含め検討して決めるユーザーが多いのです。だから日常の脚としても、週末ドライブの相棒としても『これだ!』とピンとくる商品力をもたせる必要があります」。

他方、ハード面のトピックは「リア両側スライドドアの初採用」と明瞭だ。操作も容易で、狭い駐車場でも乗り降りしやすいスライドドアは、ムーヴにとって“待望の装備”だったからだ。加えるなら、カスタムグレードの廃止もニュースだ。これは中心ユーザーを「かつてムーヴに乗っていた50~60代の新シニア層」にフォーカスしたことによる合理的な判断であり、カスタムニーズに対しては純正ドレスアップ「アナザースタイル」でフォローと、この辺りの匙加減がまた「ウェルバランス」の真骨頂なのだ。

新型ムーヴについては、CMにおける山下達郎・永井博という世界的にその名をとどろかせるシティポップアーティストの起用も大きな注目を集めている。

「商品化決定会議という、商品化『伸るか反るか!』を決める重要な会議があるのですが、我々はそのプレゼンでイメージムービーを再生したのです。この時使用したBGMが爽やかなシティポップ楽曲だった(つまりこのテイストが新型ムーヴのイメージ!)のですが、プレゼン終了後の星加副社長のコメントが奮ってまして、『この爽やかさはずるい! クルマがもっとよお見えるワ!』。そして会議を無事通過しました(笑)」。

戸倉さんも早速ゲット!感じてください7代目ムーヴの  “超バランス力”!

実は戸倉さんご自身、新型ムーヴユーザーになったばかり。グレースブラウンのRSターボだ。「6代目からの乗り換えなのですが、日常的に普通車を運転する妻が言ったのが『結構走るじゃん!』。そういう“結構いい”って実はバランスのよさがもたらすものなんですね。ハンドルを切った時の横のフラつきが少ない、横風があっても安定して直進する、適度に静音が効いている、シートの硬さがちょうどいいといったバランスの力が、新型ムーヴの(見えにくいけれど)最大の特長だと思います」。

年初のオートサロンではふたつのカスタム車両を展示し、今後の発展を予感させた。夏にはBYDの軽規格EV上陸でさらなるヒートアップが見込まれる軽自動車群雄割拠。今年31年目のムーヴが果たしてどのような戦いっぷりを見せるか、楽しみは尽きない!

オートサロン2026

「ムーヴ クロメキ」(上)はダークトーンにこだわった大人のムーヴ。「ムーヴ #ootd」(=SNS用語のOutfit of the day)(下)は気軽なお出かけがテーマだ。よりシックに、よりナチュラルに。あくまでコンセプトカーながら期待がふくらむ!

ムーヴの歴史を振り返る!

■1995・初代

「ワゴンR」と共に軽ハイトワゴン市場を開拓した、ダイハツの名車。プラットフォームは2BOXカーの「ミラ」で、ルーフキャリアを標準装備するなど当時のRVブームの影響も。二枚看板となる「カスタム」は1997年に追加。

■1998

軽自動車の規格改正に合わせフルモデルチェンジ。エクステリアデザインは、かのジウジアーロデザインが担当した!

■2002

新開発プラットフォームを採用。ノーマル車のキャッチコピーは「エキサイティングミニバン!」と若若しさを打ち出した。

■2006

トランスミッションにCVTを採用することで、燃費向上を図ると共に室内空間の最大化を実現し、使い勝手もアップ。

■2010

軽自動車初となる予防安全装置「スマアシ」を初搭載。先代比35㎏もの軽量化を実現し、27km/Lの低燃費を達成。

■2014

先代比でさらに20kgもの軽量化を実現しながら、静音化、高品質化、低燃費化が推進され、燃費は31km/Lを達成。

※「GetNavi」2026年4月合併号に掲載された記事を再編集したものです。

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