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2024/5/30 20:30

ホンダ「WR-V」の価格はすべて250万円以下!取り回しの良さとクラス随一の車内スペースが大きな魅力

ますます高くなっている新車価格。もはや以前のように気軽に新車を買うのは難しい状況となっています。そんななかで注目したいのがホンダから登場した新型SUV「WR-V」です。パワーユニットをガソリンエンジンのみとすることで、今どきの新車とは思えない手軽な価格帯を実現しています。今回はそのWR-Vの試乗レポートをお届けします。

 

■今回紹介するクルマ

ホンダ WR-V(試乗グレード:Z+)

価格:248万9300円(税込、以下同)

 

オーソドックスな仕様と開発・生産の手法で低価格に

では、WR-Vはいくらで買えるのでしょうか。価格を聞いてビックリ!なんと、もっともベーシックな「X」なら209万8800円で買えるんです。「装備がチープだから?」と思いそうですが、上級の「Z」でも234万9600円。さらに専用エクステリアを備えた「Z+」でも248万9300円と、全ラインナップが250万円以内に収まっているのです。今どき200万円超えが珍しくない軽自動車とさえ真っ向から勝負できる価格帯と言っていいでしょう。

↑上位グレードの「Z」に専用エクステリアを加えた「Z+」。ウィンドウモールやドアモールにシルバー加飾をしている

 

この価格が実現できた背景にはいくつか理由があります。冒頭で述べたように、エンジンを1.5リッター自然吸気直4ガソリンとし、これにCVTを組み合わせるだけと、今どきの日本車ならほとんどラインナップされているハイブリッドは採用されていません。駆動方式もFFのみで4WD設定はなし。特に目新しさを感じる技術は盛り込まれておらず、極めてオーソドックスな造り込みが価格を抑えられた一つの要因となっているのです。

↑角張ったフォルムがゆったりとした車内スペースを確保した

 

開発から生産に至るまでの手法も低価格実現の要因の一つと思われます。実はWR-Vは、開発をタイの四輪開発拠点である「ホンダR&Dアジアパシフィック」が担当し、生産をインドの「ホンダカーズインディア」が行なうグローバルモデルとなっています。加えてグローバルモデルとはいえ、投入するのは日本とインド、南アフリカのみ。つまり、右ハンドル仕様に絞る、徹底したコスト管理のもとで生まれたのがWR-Vというわけです。

↑タイヤは「Z」「Z+」にアルミホイール付き215/55R17(写真)を装備し、「X」には215/60R16を組み合わせる

 

ACCまで備えたHonda SENSINGで安全運転を支援

となれば、いろいろ妥協の産物なのかと思われがちですが、内容を見ればそんなことはないことがすぐにわかります。たとえば、安全装備としてはHonda SENSINGが装備されており、衝突軽減ブレーキをはじめ、急アクセル抑制機能や路外逸脱抑制機能といった一通りの安全機能を装備したほか、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、オートハイビームなどの運転支援機能も充実しています。

 

強いて残念な点を挙げれば、パーキングブレーキが機械式となっていること。そのため、ACCは30km/h以下になると自動的に解除されてしまい、渋滞時に使うことはできません。それと、新型車という割には、ブラインドスポットモニター機能がオプションでも用意されていないのはちょっと残念ですね。

 

外観は、シャレたデザインが増えてきた最近のSUVにしては、珍しいほど全体に角張ったデザインで、フロントグリルもなかなかの迫力ぶり。特に運転席に座るとフロンボンネットの端がしっかり把握できるあたりは、クロスカントリー向けなスタイルにも見えます。しかも最小回転半径は5.2mと、ハンドルを切ったときの取り回しも良好で、それだけに4WDがラインナップにないのが惜しいと思えるほどです。

↑マッチョなフォルムを印象づけるフロントグリル。LEDフォグライトは「Z」「Z+」にのみ装備される

 

インテリアは水平基調のシンプルなデザインで、地味さはあるものの、機能面で困ることはまったくなく、必要なものはすべて装備されています。ソフトパッドはドアトリムだけですが、それもこのクラスとしては上出来。なによりも全体の仕上がりが良く、チープさを感じることはなく、これなら、多くの人にとって不満を感じることはないだろうと思いました。視界の広さも特筆もので、それが運転中のストレス軽減に役立つのは間違いありません。

↑実用性を重視したシンプルなダッシュボード。ステアリングやシフトセレクターには本革を採用しています

 

↑フロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いた安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車で標準装備。右はオプションのドライブレコーダ

 

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