ビジネス
2019/10/5 21:00

最近ローソンのレジ変わったと思いません? 新型POSレジ機がものすごい最先端になっていたのでリポート

店舗での買い物に欠かせないのがPOS(ポス)レジ。会計時の精算をはじめ多くの機能をもったマシンですが、テクノロジーの発達にともなってPOSレジも進化し続けています。そこで今回は、約10年ぶりのリニューアルを経て小売り業界トップレベルの機能をもつに至った、ローソンの最新POSレジを取材。何が変わり、どのようなメリットをもたらすのかをレポートします。

↑ローソン ゲートシティ大崎アトリウム店へ

 

自動釣銭機の導入は特に大きな進化

訪れたのはローソン ゲートシティ大崎アトリウム店。ここは全国1万4000以上にもおよぶ同店のなかでも実験店舗としての位置づけにあり、珍しい「ローソンスマホレジ」「フライドフーズセルフ販売什器」「デジタルサイネージ」などを導入しています。

↑フライドフーズセルフ販売什器。2020年2月末までにオープンする新店のうち、約200店に導入する予定とか

 

対応してくれたのは、同社の経営戦略本部、次世代CVS統括部の内田祐介さん。CVSはコンビニエンスストアの略。内田さんは業務改善などの仕組みづくりを担っており、新型POSレジの開発はその一環です。まずはどこが進化したのかを教えてもらいました。

↑内田祐介さん

 

「大きなポイントは4つ。1つは自動釣銭機の導入です。これによって新人や外国人クルー(パート・アルバイト)でもスムーズに現金決済に対応でき、よりスピーディな精算が可能となりました。また、金銭授受の間違いがなくなることで、店舗での金銭管理の効率も上がりました」(内田さん)

 

現金を扱うお店では、シフト交代時の点検でデータと実際の金額が合わず、計算し直しなどで店員が残業せざるを得ない、というケースが少なくありません。その解消による時間短縮は、大きなメリットといえるでしょう。

↑自動釣銭機。スーパーなどでは導入されていましたが、実はコンビニではローソンが初です

 

「昨今はQRやバーコード決済が浸透しはじめていますが、弊社のリサーチではキャッシュレスで決済しているお客様はまだ2割。今後比率は変わっていくと思いますが、現金比率は8割ありますので、自動釣銭機能はやはり大きな進化ポイントですね」(内田さん)

 

「2つめは、操作ボタンをすべてなくしたオールタッチパネル式になったこと。これも弊社がコンビニ業界初です。結果として横幅を約1/3削減でき、スペースをより活用することが可能となりました」(内田さん)

 

サイズは従来45cmだったものが29cmに。什器を置きやすくなったり、POSレジ回りのレイアウトを変更しやすくなったりと進化しました。ローソンは、からあげクンにLチキ、でか焼鳥など、いち早くレジ横フードに取り組んできたコンビニ。扱うホットスナックも多いため、レジ回りのスリム化にも積極的なのです。

↑新型POSレジにはセルフレジの機能も盛り込まれました。これはシステムを切り替えることでセルフ対応になるのですが、レジ回りがすっきりしたことで、切り替えもスピーディに行えます

 

「3つめは、画面の多言語化です。お客様側は日本語のほか、英語、中国語、韓国語が表示できるようになっているのですが、今回のリニューアルで従業員側のパネルは中国語、ベトナム語、ネパール語を表示できるようになりました。基本的に当社の外国人クルーは日本語を話せるのですが、難しい業務や、急に日本語がわからなくなった場合に母国語が出ることで、安心して業務できるようになっています」(内田さん)

 

聞けば、ローソンはアジアを中心に海外展開しているだけでなく、国によっては来日前にローソンで働くための研修施設があるとか。だから日本でもすぐに働けるのだそう。外国人観光客の増加とともに進む、日本の国際化に対応するべく盛り込まれた、今回の多言語表示機能。外国人がコンビニで働きやすい環境は、様々な手法で整えられていることがわかります。

↑レジで誤操作した際に表示されるポップアップメッセージ機能、各操作画面に表示されるヘルプ機能、会計後の伝票処理時などに表示されるナビゲーション機能の3つが、多言語表示対応となりました

 

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