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ラーメン
2017/4/11 14:00

田中 貴が「一生食べ続けるラーメン」と太鼓判! 香ばしい揚げネギが食欲をそそる渋谷「喜楽」

サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂想曲 喜楽[渋谷]

 

ラーメン好きミュージシャン田中 貴(サニーデイ・サービス)さんが気になるラーメン店を訪問し、一杯の味わいを一曲に例える当コラム。今回はアクセントに使った揚げネギが香ばしい、渋谷の老舗を紹介します。

 

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田中 貴

2008年に再結成を果たし、以来ライブを中心にマイペースながらも精力的に活動を続けるサニーデイ・サービスのベーシスト。年間600杯以上を食べ歩くラーメン好きとして知られ、TVや雑誌などでそのマニアぶりを発揮することも多い。

 

東京を代表する老舗の東京らしくない醤油ラーメン

昭和27年創業の老舗「喜楽」。初めて行ったのは、上京してバンドを始めたばかりの25年以上前。渋谷の街を歩くのにも緊張していたころだ。さらに、普段通らない百軒店という風俗店が並ぶあたりにあるので、かなり身構えて入った記憶がある。

 

見渡すと、渋谷のどこにいたのか不思議なくらいに大勢のスーツ姿の中年ビジネスマン。メニューの表記通りに「中華麺ください」と注文すると、店主さんは低い声で「はい、ラーメン」と答えた。東京は怖い街だと思った。

↑中華麺(700円) 揚げネギをアクセントに使ったのは、台湾出身の初代ならではの大発明。炒めたモヤシが香ばしい「もやし麺」も人気だ

 

厨房では、カンフー映画の脇役にいそうなヒゲのオッチャンが、謎の動きをしながら一度に何杯ものラーメンを作り続けている。レンゲでペースト状のなにかを丼に入れたり戻したり。別の注文が入ると、麺を茹でている釜に途中で麺を追加したり。その動きに合わせて「シュッシュッ」と声も出ている。

↑2代目(中央)に中華麺の呼び方について尋ねたら、中華丼と間違えるのでラーメンというのだそう。ついに謎が解けた!
↑2代目(中央)に中華麺の呼び方について尋ねたら、中華丼と間違えるのでラーメンというのだそう。ついに謎が解けた!

 

出来上がったラーメンは、八角の香りがするチャーシューと煮玉子、香ばしい揚げネギが入ったもの。老舗中華そば店なのに異国情緒溢れる味わいだ。ウマすぎて驚いた。それから何度も通い、店に入るとヒゲのオッチャンが笑顔を見せてくれるようになったころ、僕らのバンドは“渋谷系”と呼ばれるようになっていた。

 

数年前にヒゲのオッチャンが引退して悲しんだが、最近見かける若い店員さんが3代目であることが判明。一生食べ続けるラーメンになりそうだ。

 

<この一杯からはこんな音色が聴こえてきた!>

サニーデイ・サービス 「桜 super love」

僕らの最新作。渋谷系と呼ばれていたインディーズ時代のサウンドにも繋がるダンスミュージックだ。

 

【店舗情報】

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喜楽

住所:東京都渋谷区道玄坂2-17-6

営業時間:11:30~20:30

定休日:水曜日

 

取材・文/田中 貴 撮影/黒飛光樹(TK.c)