大容量の冷蔵庫は欲しいけれど、うちの狭いキッチンに置けるだろうか? そんな不安から買い替えをためらっている人は、少なくないはずです。
そんな日本の住宅事情に応えるべく登場したのが、ハイセンスの新型冷凍冷蔵庫「HR-FH50S」。容量は501Lと大きいのに、幅も奥行きも65cmにおさめているのが特徴です。
さらに、野菜の鮮度保持、急速冷凍、解凍、除菌・脱臭など、上位モデルらしい機能を網羅。これまで「手ごろな価格」を強みにしてきたハイセンスが、今回は商品力そのもので勝負に出てきた印象です。内覧会で披露された実機と保存比較デモをもとに、その特徴を見ていきましょう。

501Lで幅も奥行きも65cm! 日本のキッチンに置きやすい
HR-FH50Sのポイントは、501Lの大容量と置きやすさを両立した「KITCHEN-FIT 65」です。本体サイズは幅650mm×奥行650mm×高さ1850mm。500Lクラスで幅65cmのモデルは珍しくありませんが、奥行きまで65cmにおさえている点が注目されます。ハイセンスが示した他社比較資料でも、500L前後で幅65cmの製品は複数あるものの、奥行きが約70cmに達するモデルがありました。奥行きが5cm違えば、キッチンの通路への張り出しもその分変わってきます。
冷蔵庫を置けるスペースが限られがちな日本の住宅では、数cmの差が使い勝手を大きく左右します。大容量でありながら奥行きを抑えたのは、暮らしの動線を意識した工夫といえるでしょう。

設置面では、側面3mm・背面0mmで置ける「ぴたよせ設置」にも対応しています。冷蔵庫まわりに必要な余白が小さくなるため、限られたスペースを無駄なく使えます。
もうひとつ見逃せないのが「ぴたよせドア」です。冷蔵室のドアは最大150度まで開きますが、壁際に置いた場合でも、90度開けば引き出しを取り出せる設計。棚板の取り外しもできます。
冷蔵庫は、置けたら終わりではありません。置いたあとにドアを十分に開けられるか、庫内の掃除や食品の出し入れがしやすいかも大切です。HR-FH50Sは、そうした「使い始めてからの困りごと」にも配慮しています。

たっぷり入るからこそ、野菜の鮮度保持にもこだわった
大容量冷蔵庫の魅力は、週末のまとめ買いや作り置きに対応しやすいこと。とはいえ、たくさん入っても、食材が傷んでしまっては意味がありません。そこでハイセンスが力を入れたのが、食材のおいしさを長く保つための冷却技術です。
HR-FH50Sは、冷蔵室と冷凍室にそれぞれ専用の冷却器を備えた「おいしさW冷却」を採用。冷蔵室と冷凍室を別々に制御することで、それぞれに適した温度・湿度を保てるようにしました。

これにより、冷蔵室は湿度約85%のしっとりした冷気で食品の乾燥を抑え、庫内全体を約2℃に設定できる「全室チルド」にも対応します。
内覧会では、この保湿性能を確かめるため、ハムとチーズをラップなしで2日間保存した比較デモも披露されました。既存製品と比べてHR-FH50Sで保存した食品は乾燥が抑えられており、見た目にも違いが確認できました。メーカーでは、ハムやチーズをラップなしで3日間保存できると案内しています。

なかでも注目したいのが「とれたてキープ野菜室」です。野菜室には、エチレンガスの分解と湿度調整というふたつの働きを持つ「とれたてWフィルター」を搭載しています。
エチレンは野菜や果物が出す植物ホルモンの一種で、種類や状態によっては、熟成や老化を進める原因になります。一方、保存中の野菜は水分が抜けるとしおれ、みずみずしさを失ってしまいます。HR-FH50Sは、エチレンの分解と調湿を組み合わせることで、劣化と乾燥の両方に対処しているわけです。

葉物野菜を8日間保存して比較。見た目の差は歴然
内覧会では、既存製品とHR-FH50Sに葉物野菜を8日間保存した比較が行われました。並んだ野菜を見ると、既存製品のほうは葉がしおれ、全体に下を向いています。対してHR-FH50Sのほうは、葉が上を向いてピンと立ち、張りが保たれていました。見た目の差は歴然です。

メーカーが行った別の試験でも、鮮度保持の効果が示されています。小松菜を14日間保存した試験では、水分残存率が従来品で81%だったのに対し、HR-FH50Sでは94%だったといいます。葉物野菜は、買ってから数日でしおれやすい食材。まとめ買いした野菜を最後まで使い切りたい家庭にとって、鮮度保持性能は冷蔵庫選びの大きなポイントになりそうです。


急速冷凍から解凍、除菌・脱臭まで。機能の充実ぶりも見逃せない
HR-FH50Sの魅力は、置きやすさと野菜の鮮度保持だけではありません。冷凍・解凍、清潔性、スマート機能まで、機能が幅広くそろっています。
冷凍室には、約−30℃の冷気で食材をすばやく凍らせる急速「旬」冷凍を搭載。食材の細胞が傷むのを抑えて品質低下を防ぐほか、食品への霜つきを抑える機能も備えています。メーカーによると、150g・厚さ15mmの牛肉なら約25分で冷凍できるそうです。

冷蔵室の「セレクトチルド室」は、約−3〜0℃の「微氷結」と約0〜3℃の「チルド」を切り替えられるほか、解凍スペースとしても使えます。

内覧会では、解凍モードで処理した牛肉を包丁で切り分けるデモも行われました。解凍モードは、食材を完全に解凍するのではなく、包丁で切れる程度の微氷結状態にする仕組み。ドリップの発生を抑えながら、必要な分だけ切り分けやすくしています。
約60分の解凍モードが終了すると、自動的に微氷結モードへ移行。メーカーによると、最大3日間、切り分けやすい状態を保てるとのことです。ステーキ肉やブロック状のひき肉、刺身用の魚、鮭の切り身などを想定しており、冷凍した食材を少しずつ使いたいときにも便利ですね。

さらに、庫内にイオンを放出して付着菌や浮遊菌、においを抑える第3世代の「HI-NANO 除菌・脱臭」を搭載しています。

スマートフォンアプリ「ConnectLife」にも対応し、AI節電やレシピ提案に加え、家族の見守り機能も利用できます。冷蔵庫のドアの開閉センサーを使い、例えば24時間開閉がなかった場合や、設定した時間帯に開閉があった場合に通知。離れて暮らす家族の生活状況の確認や、子どもの帰宅を知る手段として活用できます。
また、地域の台風や警報情報と連携する災害対応通知にも対応。通知を受けて冷蔵室や冷凍室の設定温度を低くしておけば、停電に備えて庫内をあらかじめ冷やしておくことができます。

野菜室と冷凍室の引き出しは、奥まで大きく引き出せるフルオープン構造。耐荷重ベアリング式レールを採用し、メーカー資料によると10万回の開閉試験をクリアしたとのこと。こうして見ると、特定の機能だけを尖らせるのではなく、上位モデルに求められる機能を幅広くそろえた一台だとわかります。
もはや安さだけじゃない。商品力で勝負に出たハイセンス
内覧会では、ハイセンスジャパンの副社長・山本一人氏が冷蔵庫事業の今後について言及しました。同社は2025年に450Lの5ドアモデルを投入し、2026年は500Lクラスの6ドアモデルを展開。500Lクラスは国内メーカーも含めて需要が大きく、競争の激しい市場だと説明しました。

そんな激戦区に投入するHR-FH50Sの市場想定価格は25万9600円(税込)。国内メーカーの同クラスの冷蔵庫と比べても、ほぼ同じ価格帯です。これまで手ごろな価格のイメージが強かったハイセンスですが、今回の製品は価格の安さだけを売りにしていないのが明白です。
実機を見て感じたのは、機能のバランスのよさ。鮮度保持や冷凍・解凍、除菌・脱臭、スマート機能まで幅広くカバーしており、機能面では国内メーカーの上位モデルと比べてもまったく遜色のない内容です。外観もスタイリッシュで、幅・奥行65cmの設計や、壁際でも使いやすいドアなど、設置性への独自の工夫も見られます。
なかでも気になったのは、野菜の鮮度保持性能。最近は野菜の価格が高いと感じることも多く、できれば安いときにまとめ買いしておきたいもの。そんな家庭にとって、野菜を長く新鮮に保てる機能は、冷蔵庫を選ぶうえでの実用的なメリットになるでしょう。

優れた設置性と鮮度保持性能を兼ね備えた同社の自信作・HR-FH50S。国内メーカーがしのぎを削る500Lクラスの冷蔵庫市場に、一石を投じる存在になるのは間違いありません。

製品概要
ハイセンス 6ドア冷凍冷蔵庫「HR-FH50S」
- 定格内容積:501L
- 外形寸法:幅650×奥行650×高さ1850mm
- カラー:ブラストグレー、サテンブラック、シルクホワイト
- 主な機能:KITCHEN-FIT 65、ぴたよせ設置、ぴたよせドア、おいしさW冷却、全室チルド、とれたてキープ野菜室、急速「旬」冷凍、セレクトチルド室、HI-NANO 除菌・脱臭、ConnectLife対応
- 発売日:2026年10月下旬予定
- 市場想定価格:25万9600円(税込)