ここ最近、Appleの話題が続いています。10月23日にはiPhone Duoが発売されます。予約開始の日は、自分が編集長を務める「Gadgetouch」のYouTubeチャンネルで、視聴者のみなさんと一緒に予約するライブ配信をしていました。
ところが、肝心の自分はそこで予約できず……。念のためキャリアでも予約を入れておいたのが功を奏して、なんとか発売日に手に入れられそうです。

そんなiPhone Duoの発売を目前に控えるなか、Appleは新製品の発表イベントを告知しました。10月28日(現地時間)にロサンゼルスで開かれるもので、招待状には「Pro and tell.(Proの晴れ舞台。)」という言葉が添えられています。そして今回、このイベントを自分が現地で取材できることになりました。
国内の発表会や体験会にはこれまで何度も足を運んできましたが、Appleが地元アメリカで開くイベントに現地で参加するのは、今回が初めてです。現地での取材がどうなるか不安もありますが、現地でしか見られないもの、経験できないことをお伝えできればと思っています。
そして、今回のイベントは、行くと決まったからというだけでなく、内容そのものにもかなり注目しています。現地に向かう前に、なぜこのタイミングなのか、そして何が出てきそうなのかを整理しておきたいと思います。
今年後半のAppleは、例年にも増して新製品が多い
まず振り返っておきたいのが、今年後半のAppleの動きです。
8月にはMac miniとMac Studioが新しくなり、9月にはiPhone 18 ProやiPhone Duo、Apple Watch Series 12などが発表されました。10月に入ってからも、ニューヨークでスマートホーム関連の新製品が披露され、新型Apple TVやHomePod mini 2のほか、HomeViewという新しいジャンルの製品まで登場しています。そして今月28日に、もう一度イベントが控えている、という流れです。

毎年秋はiPhoneを中心に新製品が出る時期ではありますが、例年以上に多いという印象です。
背景にあるのはジョン・ターナスCEOの1年目
この勢いの背景のひとつとして、自分はジョン・ターナス氏のCEO就任があると見ています。
ターナス氏は今年4月にティム・クック氏の後継として発表され、9月1日に正式にCEOへ就任しました。ターナス氏は長くハードウェアエンジニアリングを率いてきた人物で、MacやiPhoneの開発を現場で見てきた人がトップに立った、ということになります。
新しいCEOの1年目に、これだけの製品を立て続けに出す。そこには「新しいAppleが始まった」という印象を強く残したい意図があるのではないでしょうか。しかも、ただのアップデートではなく、iPhone DuoやHomeViewのように、これまでとは形の違う製品が混ざっています。新しいデザインのものを投入することで、ラインナップ全体に新鮮味を出そうとしているように見えます。
経営の面から見ても、クック氏の時代にAppleは大きく成長を続けてきました。ターナス氏のもとでそれがどうなるのかは、市場関係者も注目しているはずです。そうした意味でも、新CEOの就任に合わせて多くの新製品を投入し、インパクトを出そうとしているのではないでしょうか。
ウワサされているMacとiPad
では、28日のイベントでは何が出てくるのか。あくまでウワサベースの話ですが、整理しておきます。
まず、M6チップを搭載したMacBook ProとiMacの登場がウワサされています。こちらは見た目を大きく変えず、中身を新しくする正統派のアップデートになりそうです。
iPadでは、有機ELディスプレイを搭載したiPad miniが登場しそうです。小さいサイズのiPadに有機ELが入れば、黒の締まりや色の鮮やかさは一段上がるはずで、動画を見る端末としても魅力が増すと思っています。
本命は、タッチディスプレイのMacBook Pro?

ただ、今回のメインになりそうなのは、タッチディスプレイを搭載したMacBook Proではないかと思っています。有機ELディスプレイを採用し、画面上部にはiPhoneでおなじみのDynamic Islandが入るというウワサもあります。
もしこの製品が出れば、それは単なる新製品の追加ではありません。Macはこれまで、画面に触れずにキーボードやマウス、トラックパッドで操作するものとして作られてきました。画面に触れて使うのはiPadの役割で、そこははっきり分けられていた印象があります。
実際、Appleの幹部はこれまで、タッチ対応のMacに否定的な発言を何度もしてきました。2010年にはスティーブ・ジョブズ氏が、縦に置いた画面に触れ続けると腕が疲れてしまうと話しています。
2018年には、ソフトウェアエンジニアリング担当のクレイグ・フェデリギ氏も海外メディアのインタビューで、腕を上げて画面をつつくのはかなり疲れる動作だ、と語っていました。
2020年には、Macの見た目が大きく変わったmacOS Big Surを見て「タッチ対応の準備ではないか」という声が上がりました。このときもフェデリギ氏は海外メディアのインタビューで、タッチのことはまったく考えずにデザインした、と否定しています。ちなみにこのインタビューには、当時ハードウェアエンジニアリングを担当していたターナス氏も同席していました。
そのターナス氏がCEOになった最初の年に、タッチ対応のMacBook Proが出てくるかもしれない。そう考えると、どういった形で発表されるのか注目しています。
もちろん、当時は本当にそう考えていて、その後に考えが変わったのかもしれませんし、技術の進歩で解決できるようになったのかもしれません。いずれにしても、タッチ対応のMacBook Proは、Macがこれまで大切にしてきた前提を変えることになります。
だからこそ気になるのは、Appleがどんな使い方を提案してくるのかです。腕が疲れるという課題にどう答えるのか、画面に手を伸ばすのはどんな場面なのか、トラックパッドとどう使い分けるのか、iPadとの関係はどうなるのか。スペックよりも、そこにAppleの考え方が表れるでしょう。
ターナス氏のもとでAppleが大きく変わることを印象付ける発表会になるかもしれません。現地でそれをしっかりと見届けたいと思います。