ファッション
2018/2/8 11:00

加速する機械式時計のハイコストパフォーマンス化【SIHH2018/ボーム&メルシエ】

2018年の高級時計の新作が披露される国際高級時計展(SIHH)が、今年も1月にジュネーブで開催されました。ここで発表された新作から新たな機械式ムーブメントを発表したボーム&メルシエについて、ウオッチナビ編集部の水藤が詳細をお伝えします。

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グループシナジーから生まれた「ボーマティック」

名だたるハイウオッチメゾンが名を連ねる中にあって、ボーム&メルシエは、とりわけ良心的ブランドとして知られています。ですが、創業は1830年と古く、SIHHにも第一回から参加している名門です。

 

このブランドが今年のSIHHで発表したのは、リシュモン グループのムーブメント開発製造部門であるヴァル・フルリエと、リシュモンの研究開発期間との共同開発から作り出されたエクスクルーシブキャリバー搭載モデルでした。

“ボーマティック”BM12-1975A
“ボーマティック”BM12-1975A

 

 

この「ボーマティック」の特筆点は、120時間のロングパワーリザーブを確保したことと、シリコン製テンプなどの採用による高性能化・耐磁性化です。パソコンやスマートフォン、マグネット開閉式のカバンなど、普通に生活にしていても腕時計が磁気帯びする現代社会において、耐磁性は必須ですし、複数本の腕時計を日常的に使い分ける人には長時間駆動も欲しいところ。ですから、「ボーマティック」はいまの時代にマッチした、ベーシックな機械式ムーブメントの正常進化版といえるでしょう。

 

あえて「ベーシックな」としたのは、今年発表されたボーマティック搭載の第一弾モデル「クリフトン ボーマティック」が、極めて魅力的な価格だから。新型ムーブメントで価格を抑えてきた点は、さすがリシュモン グループの良心ブランドといえるでしょう。

 

「クリフトン ボーマティック COSC」33万4800円/Ref.M0A10436。 自動巻き。ステンレススチールケース。アリゲーターストラップ。直径40mm、厚さ10.3mm。5気圧防水
「クリフトン ボーマティック COSC」33万4800円/Ref.M0A10436。
自動巻き。ステンレススチールケース。アリゲーターストラップ。直径40mm、厚さ10.3mm。5気圧防水

 

 

人気コレクション「クリフトン」をベースに、新型ムーブメント“ボーマティック”BM12-1975Aを搭載した新型。本機は、特別にCOSC認定クロノメーターを取得した一本で、その認定を受けた分、やや高めの設定。COSC未取得のモデルはストラップ違いで3型あり、ブラック、またはブルーのアリゲーターストラップのものが31万3200円、ブレス仕様が33万4800円。

 

「クリフトン ボーマティック ツートーン」39万4200円/Ref.M0A10401 自動巻き。ステンレススチールケース+レッドゴールドベゼル。直径40mm、厚さ10.3mm。5気圧防水
「クリフトン ボーマティック ツートーン」39万4200円/Ref.M0A10401
自動巻き。ステンレススチールケース+レッドゴールドベゼル。直径40mm、厚さ10.3mm。5気圧防水

 

 

これぞボーム&メルシエの真骨頂ともいうべき一本。新型ムーブメントの搭載に加え、ゴールドをベゼルに使いながら価格を税込で40万円以下に抑えています。普段使いの腕時計において誠実なデザインはもちろん魅力的ですが、すこし洒落っ気が欲しいという人に、ぜひともオススメしたい一本です。

 

Baume et Mercier Capeland Japan Limited Edition automatic 42 mm chronograph 10437
「ケープランド ジャパンリミテッド[50th アニバーサリー]49万6800円/M0A10437 自動巻き。ステンレススチールケース。アリゲーターストラップ。直径42mm。5気圧防水

2018年は、ボーム&メルシエが日本に初めて輸入されてから50周年となることを受けて製造された限定モデル。ホワイトとブルーで全体を統一し、文字盤には通常のケープランドコレクションにはないバーインデックスを採用。搭載するバルジュー7753の回転ローターにはブランドのシンボルである「φ(ファイ)」マークのあしらいも。特別感たっぷりの一本となっています。

 

 

高級機械式時計の性能の底上げが始まる

一世紀半以上にわたって歴史を継続してきたボーム&メルシエは、いつの時代も幅広く腕時計愛好家の味方。それは、2018年の新作「クリフトン ボーマティック」でも変わりありません。それだけでなく、この時計は、機械式時計の入門機であってもハイスペックが求められる時代への突入を示唆しているようでもあります。

 

ちなみに、実は2018年のボーム&メルシエには、他にもSIHH会場で話題となったモデルがあるのですが、諸事情により日本での発売は見送られました。この時計の詳細を知りたい方は、こちらを。

 

ボーム&メルシエ http://www.baume-et-mercier.jp/