新発表のMacBook Proを触ってわかった、今回の主役は「ディスプレイとタッチ操作」

ink_pen 2026/10/29
  • X
  • Facebook
  • LINE
新発表のMacBook Proを触ってわかった、今回の主役は「ディスプレイとタッチ操作」
リンクマン
りんくまん
リンクマン

コンテンツクリエイター。YouTubeを中心とするテックメディア「Gadgetouch」編集長。テクノロジー分野の製品や企業を取材し、多角的に情報発信している。

現地時間10月28日ロサンゼルスで開催されたAppleのイベント「Apple Experience」に参加してきました。

会場に入った瞬間から、まるでクラブのような空間と、開始を待つ人たちのざわめき、これから何が発表されるのかという期待。自分もその中の一人としていたわけですが自然とテンションが上がっていました。

↑ジョン・ターナスCEOが発表したのはタッチ操作ができる新しいMacBook Pro

そんな熱気の中でステージに登場したジョン・ターナスCEOが発表したのは、「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」。これまでのMacBook Proと並ぶ新しいモデルで、Macとして初めてタッチ操作に対応しています。

しかも、変わったのはタッチだけではありません。まったく新しいディスプレイに、Macで初めてのDynamic Island、そして軽くなったボディです。

↑Appleロゴが再び光るように

そして発表の中で、会場が一番盛り上がった部分のひとつが、背面のAppleロゴが光ると紹介された瞬間でした。かつてのMacBookを知っている人なら、どこか懐かしい気持ちになったのではないでしょうか。

会場では実機に触れる時間があったので、そのときの印象を中心にお伝えします。

まず目を奪われたのはディスプレイ

↑PROLED XDRディスプレイは圧倒的にな美しさ

まず実機を見て思ったのは、とにかく画面が美しかったということです。

PROLED XDRディスプレイは、自発光するピクセルの層を2つ重ねた「タンデムOLED」という仕組みを採用しています。ピーク輝度はHDR・SDRともに最大2,000ニト、コントラスト比は10,000,000:1です。従来のMini LEDを使ったLiquid Retina XDRディスプレイはピークHDR輝度が1,600ニト、コントラスト比が1,000,000:1なので、数字の上でも大きく進化しています。

↑発色が美しく、本当に鮮やかなディスプレイ

ただ、実際に見て感じたのはそういった数字よりも「黒が黒い」ことでした。明るい部分のすぐ隣が暗く沈んでいても、境目がにじまない。そして、本当に色が鮮やかで、映像を作る仕事をしている自分としては、いつでもどこでもこのクオリティのディスプレイがあるのはテンションが上がると感じました。色域もP3に加えてAdobe RGBに対応しているので、写真や印刷物を扱う人にとっても気になる存在ではないでしょうか。

タッチ操作は「不思議」から「自然」へ

もうひとつの大きなトピックがタッチ操作です。正直なところ、触り始めたときは不思議な感覚がありました。ずっと「画面は見るもの、操作はトラックパッドで」という前提でMacを使ってきたので、画面に指を伸ばすこと自体に少し戸惑いを感じていたことは事実です。

実際に操作してみると、最初はどこをタッチすればいいのか、少し迷いました。見慣れたMacの画面だからこそ、ボタンやメニューを指で押していいのか、どこまで反応してくれるのかが、すぐにはつかめないのです。

ところが触っていくうちに、その違和感は薄れていきました。気がつけば、やはり直感的に操作できるものだと感じていました。

タッチセンサーはディスプレイの上に重ねるのではなく、パネルに直接組み込まれています。ヒンジも新たに設計され、画面を触ったときの安定感を高めているそうです。対応していない既存のアプリでも、タッチがクリックとして扱われるので、そのまま使えるのはありがたいポイントです。

自分が一番可能性を感じたのは、iPadの直感的な操作とMacの操作感を、一台で両方活かせることです。キーボードショートカットやトラックパッドのジェスチャーはこれまで通り使えて、そこに「指で触る」という選択肢が加わる。どちらかに寄せるのではなく、場面に応じて手が自然に選べる。もしかしたら、これはものすごく大きな変化になるかもしれません。

MacにもDynamic Islandが

iPhoneでおなじみのDynamic IslandもMacにやってきました。画面上部の中央に、Spotlightやライブアクティビティ、Siri AIの入り口がまとまっています。

↑ノッチではなくDynamic Islandに

電話に出る、AirDropのリクエストを受け入れる、再生中の曲を一時停止する。こうした操作を、作業中のウインドウから離れずに指先で済ませられます。タッチ操作に対応したからこそ、この場所に「触れる」意味が出てくるのだと思います。

チップはM5 ProとM5 Max

中身に搭載されているのは、M5 ProとM5 Maxです。すでに従来のMacBook Proにも使われているチップです。ちなみに同じタイミングで、M6を搭載した14インチMacBook Proも発表されています。ただしこちらは従来と同じMini LEDのLiquid Retina XDRディスプレイで、タッチ操作には対応していません。タッチ対応のPROLED XDRディスプレイ搭載モデルは、M6 Proのような新しいチップを待つのではなく、M5 ProとM5 Maxを組み合わせてきました。

自分はここに、今回の主役がチップではなくディスプレイとタッチ操作だという意図を感じました。実績のあるチップを土台にして、体験の新しさを前面に。そんな組み立てなのではないでしょうか。

M5 Proは最大18コアのCPUと最大20コアのGPU、最大64GBのユニファイドメモリ。M5 Maxは18コアのCPUと最大40コアのGPU、最大128GBのユニファイドメモリです。ストレージは最大16TBまで選べます。

外部ディスプレイはM5 Pro搭載モデルで最大3台、M5 Max搭載モデルで最大4台まで接続できます。

薄く、軽くなったボディ

見た目以上に大きな変化だと感じたのが重さです。同じM5 ProとM5 Maxを搭載した、これまでのMacBook Pro(Liquid Retina XDRディスプレイ搭載モデル)と比べてみます。

14インチモデルは、M5 Pro搭載で1.60kgから1.38kgへ、M5 Max搭載で1.62kgから1.40kgへと、どちらも0.22kg軽くなりました。ちょうどiPhone 18 Pro(211g)を1台、カバンから取り出したくらいの差です。厚さは1.55cmから1.50cmです。

16インチモデルはさらに差が大きく、M5 Pro搭載で2.14kgから1.82kgへ、M5 Max搭載で2.15kgから1.84kgへと、0.3kg以上軽くなっています。こちらは、iPhone Air(165g)ほぼ2台分です。厚さは1.68cmから1.60cmです。

OLEDになったことでディスプレイ部分の構造が効率化され、この薄さと軽さにつながっているそうです。画面の外枠も細くなり、14インチモデルは14.2インチ、16インチモデルは16.3インチの画面サイズです。

MacBook Proはやはりちょっと重いというのが印象としてあると思いますが、少しでも軽く、薄くなるということは歓迎したいところです。

iPad mini(A20 Pro)にも触れてきました

↑フルリニューアルされたiPad mini(A20 Pro)

会場ではイベントに先立って発表されていたiPad mini(A20 Pro)も試すことができました。今回のiPad miniはデザインから大きく変わっています。

まずディスプレイは8.5インチのSuper Retina XDRディスプレイで、OLEDになりました。ピーク輝度は1,200ニトです。実際に見ても明るく発色がよく、動画を観たりするのが楽しくなりそうだと感じました。

ベゼルは前世代より24%細くなっています。ただ、個人的にはもう少し細くなっていてほしかった、というのが正直なところです。

↑薄さは持った瞬間にわかるほどです

本体は前世代より14%薄く、13%軽くなり、iPadの中でもっとも軽いモデルになりました。防沫・防塵・耐水性能も備えているので、持ち歩く端末としては安心感が増します。カラーはミッドナイトとスターライトの2色です。

スピーカーも大きく変わったところです。今回のiPad miniには、スピーカーの穴がありません。ツイーターとウーファーをガラスと筐体の下に収めた「Acoustic Display」という仕組みで、画面や筐体そのものから音が出る形です。

↑周りがうるさすぎて音の評価は難しかった……

会場は周囲の音がかなり大きかったこともあり、正直なところ音はなかなか聞き取れませんでした。ただ、筐体全体が震えるようにして音が鳴っているのは手に伝わってきて、これまでにない体験でした。静かな環境であらためて聴いてみたいと思っています。

画面に触れたくなるMac

PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Proは、10月29日から予約受付が始まり、11月6日に発売されます。価格は、14インチモデルがM5 Pro搭載で499,800円から、M5 Max搭載で769,800円から。16インチモデルはM5 Pro搭載で599,800円から、M5 Max搭載で829,800円(いずれも税込)からです。

今までウワサされては否定されてきたタッチ操作のできるMacBook Proの登場はやはり大きなインパクトがありました。

もちろんMacの画面を触るということに抵抗を感じる人はいると思いますし、操作性としてどうなの? という疑問が出てくるのは非常に理解ができます。それでも、ひょっとするとこのハイブリッドの操作方法が新しいクリエイティブを生み出すキッカケになる人はいるかもしれません。

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で