ハワイの州議会で、現在熱く議論されているのが、日焼け止めの販売と流通を禁止するという法案。ハワイ周辺の海にあるサンゴ礁を守るための運動のひとつとして注目されているんです。年間で940万人(2017年実績)も訪れる世界有数のリゾート地ハワイでは、積極的な環境対策を実施しなければ、あの美しい海や山を維持することは難しいのが現実なのかもしれません。
「海」から考えるハワイの環境対策
最近、ハワイのニュースで盛んに報道されているのが、ハワイ州議会で討論されている、日焼け止めの禁止法案について。美しいサンゴ礁があり、格好のシュノーケリングスポットとして知られるオアフ島ハナウマ湾で昨年行われた調査で「オキシベンゾン」という化学物質が検出されました。オキシベンゾンは日焼け止めに含まれる物質で、紫外線から肌を守る働きがあるのですが、これがサンゴ礁に有害であると考えられているのです。
非営利団体ハエレティクス環境研究所によると、オキシベンゾンのような化学物質は若いサンゴ礁に染みこみ、脱色を促進。するとサンゴ礁のなかに生息する藻類が死んでしまい、サンゴ礁は白化してしまうのだとか。そのため、オキシベンゾンとオクティノクセイトという物質を含む日焼け止めの使用と販売を禁止する法案が提出されたのです。
日焼け止めを販売するメーカーなどからは反対意見があるものの、この法案は先日議会を通過。あとはハワイ州知事が署名を行えば、アメリカでこのような日焼け止めを禁止する法案を成立する初めての州となり、法案の施行は2021年1月からとなります。