文房具
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2020/12/14 19:00

芯1本使い切るまでノック不要! メカまでシャープな「オレンズネロ」に真打登場

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す放送作家の古川耕氏による新連載は、「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される、手書きツールを1点ずつピックアップしている。第4回となる今回は?

 

第4話

ぺんてる
オレンズネロ 0.2/0.3/0.5
各3000円(税別)

1回ノックするだけで、芯を1本使いきるまで書き続けられる、「自動芯出し機構」を備えたシャープペン。ストレートのパイプが、紙と芯の設置面の視認性を高めている。パイプ先端を研磨し、滑らかな書き心地も実現。

 

名作シャープペンに待望の0.5mmが追加

グラフ1000、グラフレット500、PG5、スマッシュ……ぺんてるが誇る名作シャープペンの系譜の突端に位置しているのが、2017年発売の「オレンズネロ」。発売当時にはあまりの人気で入手困難になったほどだ。

 

「私は『かっこいい』ものを作りたかったわけじゃない。ネロはもっと大きなものを背負っているのだと思うのです」

 

とは、そのオレンズネロのプロダクトデザイナー 柴田智明氏の弁。ここで言う“大きなもの”とは、つまり前述したようなぺんてるの名作シャープペンが築いてきた遺産のことだ。こうした責任感、あるいは使命感を持って生まれたプロダクトだけに、ネロは近年のシャープペンブームのなかにあって目先のトレンドには目もくれず、どっしりと風格のあるデザインに仕上がっている。手にしていて「ここはちょっと緩いな」というパーツがひとつもなく、特に金属粉と樹脂を混ぜたという独自素材は、重さと手触りも込みで本当に見事なもの。

 

それでいて自動芯出し機構や芯折れを防ぐスライド式のパイプなど、現代シャープペンに求められる機能も兼ね備えており、使い勝手も申し分ない。これまでは芯径が0.2と0.3mmだけだったが、2020年10月には待望の0.5mmモデルが発売され、これでいよいよすべての状況は整った。

 

ぺんてるだけではない、日本産シャープペンのすべての歴史の最先端に、オレンズネロが躍り出た。

 

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