余命数日となったヒロインと新米の死神が、あの世に送られる人とその大切な人との別れを見守る映画「死神バーバー」が6月26日(金)より公開。人気上昇中のダンス&ボーカルグループ、STARGLOWの日穏さんが、死神・サクマ役を演じている。主演映画は本作が2作目となる日穏さんが撮影中の裏話や、共演者とのエピソードを語ってくれた。

【日穏さん撮り下ろし写真】
もっと普通の人間の生活では出ないような動きをしてほしい
――主演の一人に決まったときの率直な心境からお聞かせください。
日穏 何度もお名前を目にしてきた俳優の皆さんと共演できることをとても嬉しく思いました。そして、そんな皆さんが出演する作品で主演を務めさせていただくのは、本当に頑張らないといけないなって、お話を聞いたときから気合いが入りました。
――撮影したのはオーディション『THE LAST PIECE』の最中だったそうですね。
日穏 最終審査前の少し空いた期間で撮影しました。撮影が始まる直前まで1か月の合宿をしていたので、そこから気持ちを切り換えるのが大変でしたね。合宿が終わった翌日ぐらいに衣装合わせがあり、その時に初めて台本をもらったので、セリフも短期間で覚えなければならず、なかなかチャレンジングではありました。
――死神・サクマ役を演じましたが、人ではない役を演じた難しさは感じました?
日穏 死神は存在しないので、どう役作りをすればいいのかわかりませんでした。何もわからない状態だったので、一から想像するのは難しかったです。
――役作りとしてどんなことをしましたか?
日穏 特にこれっていうことはしていないです。とにかく台本を読んで、繰り返し頭の中で想像するということをしました。
――いまおかしんじ監督の演出で印象的だったことはありましたか?
日穏 ここでそのシーンを入れるんだと思うことがありました。わりとシリアスだったり真剣だったりするシーンなのに、亡くなる役の方に対して急に「ピカン」ってセリフを言わせたりするんです。僕も急に山脇辰哉さん演じるお笑い芸人の諏訪さんに対して、「これを言って帰って」みたいな指示がありました。「そんなこと言うんだ」「そんな動き入れちゃうんだ」みたいな演出が入るのがすごく印象的でしたね。でも監督を信じて僕は楽しく演じることができました。
――映画を観ながらずっと気になっていたのですが、サクマはちょこちょこ独特な動きをしますよね。あの動きはどうやって生まれたのでしょうか?
日穏 最初に現場に入ったときに、自分なりに作ってきた死神をワンカットで撮影していたんです。そのときいまおか監督が「1回(カメラを)止めますね」とおっしゃって、もっと普通の人間の生活では出ないような動きをしてほしいと言われました。そこで「サクマってこういう役なんだ」って自分の考えを覆されたというか。それからはそういう動きをする役だと、自分にインプットさせて演じるようにしました。
――その動きは監督自ら動いて見せてくださったのですか?
日穏 はい。でも……最初に動いてくださったのはいいんですけど、監督はその設定を度々忘れるんですよ。僕がちょこちょこ変わった動きを入れると、「そういえば、そうだったね。ありがとありがと、忘れるところだった」と言ってました(笑)。
――あの動きにはダンスができることは役立ちました?
日穏 どうなんですかね。でも多分どこかしら役立っているとは思います。軽やかなステップとか(笑)。
――どう動くかは前日に考えていきましたか? それともその場で思い付いたことをやってみたのでしょうか?
日穏 最初に監督に言われてからは、僕にお任せになっていたのでその場でやりました。どう動くかも決まっていなかったので。
――サクマがおかしな動きをすることに気づいてから、次はどんな動きをするのかなってだんだん楽しみになっていきました。
日穏 自分でもどこに入れようかなって、撮影の楽しみな要素になっていました。

僕は多分母の血を継いでいるのかな
――現場に入るにあたり、自分なりにサクマを作っていったとおっしゃっていました。日穏さんが最初に考えていた死神・サクマはどんな感じだったんですか?
日穏 脚本を観ると、そんな動きをするとは特に書いていなかったので、最初はちょっと硬くて、人間に全然慣れていないから人間が何を考えているかわからない、そんな感じでした。だから表情がなくて動きも硬めに考えていたら、現場でガラッと変わりました。
――サクマのキャラクターについて、ご自身と共通する部分や共感できるところはありましたか?
日穏 サクマは人間の感情にだんだん共感して変わっていきます。僕も他人の気持ちになって考えてしまうことが結構あるんですよ。家に帰ったら母がドラマを観ていて、もうクライマックスの感動的なシーンだったことがありまして。僕はそこまで一切観ていないのに、たまたま3分ぐらい観てそこまでの過程を勝手に想像して、役にめちゃくちゃ共感しちゃって涙がツーッと出てきたことがありました。そんな人に共感したり、共鳴したりしやすいところはサクマと似ている部分なのかなって思います。
――共感や共鳴しやすいのは昔からですか?
日穏 小学5、6年生ぐらいから、映像を観て泣くことが増えました。初めて観たのは、堺雅人さん主演の「ツレがうつになりまして」という映画で。自分がもしうつになったら……みたいな気持ちになって、そのときバーッと涙が出てきました。
――小学生でそんな気持ちになるってなかなかない気がします。
日穏 自分でもこの映画を観て泣く小学生はあまりいないだろうなって思っていたのですが、勝手に涙が流れてきました。
――ご家族も皆さん共感・共鳴しやすいですか?
日穏 最近母親がめっちゃ泣くようになりましたね。何があったのかはわからないけど、涙もろくなったようで、僕は多分母の血を継いでいるのかなって思います。
――今作はヒロイン・美帆を演じた桜井日奈子さんと主演です。桜井さんと共演してみていかがでしたか?
日穏 それこそ桜井さんは自分が小学生の頃から視聴者として観ていた方で、自分の立場で言うのも恐縮ですが、すごく演技がうまい方ということは知っていました。今回の現場に入って改めて目の前で見て、長年第一線で活躍していらっしゃる方の演技ってこうなのかと。迫力がすごくて、何て言えばいいんだろう……ひと言のセリフのシーンでも印象を残せる。演技力と表現力が素晴らしいと思いました。
――先輩の死神・クロダを演じた岡部大さんとの共演シーンも多かったと思います。岡部さんの印象はどうでした?
日穏 僕はお笑いが好きなのでハナコさんのコントもYouTubeで見ていました。実は中学のときに一度お店で遭遇したことがあって、そのときに声を掛けて写真を撮ってもらったんです。その思い出があったので、今回共演できて改めて「あのとき、ありがとうございました」って思いも伝えられましたし、岡部さんはお笑い芸人さんとしてもお芝居のお仕事でも活躍されているので、間近で見てやっぱりすごいと思いました。

ADAM(STARBLOW)は「死神だ」のポーズを待ち受けにしているらしい
――主演映画は2作目、しかも今回は死神役ということで、メンバーの皆さんには何か言われましたか?
日穏 また映画で主演できることをみんな祝福してくれました。予告編の「死神だ」っていう死神ポーズが印象的でみんなの頭に残ったようで、いろいろイジられました(笑)。ADAMは「死神だ」のポーズを待ち受けにしているらしいです。見て確認はしていないので嘘か本当かはわからないんですけどね(笑)。
――かわいらしいエピソードですね(笑)。ではずっと応援してくださっているお母様の反応はいかがでした?
日穏 主演に決まったときから「おめでとう!」と言ってくれて、内容の説明をしたら「めちゃくちゃ面白いやん!」と言われました。多分この映画を一番楽しみにしてくれているうちの一人だと思います。
――亡くなる方が大切な人に会いに行く1日のエピソードがいくつか描かれている映画です。日穏さんご自身はどのエピソードがお好きでしたか?
日穏 宇野祥平さん演じる沼田さんとコンカフェで働いている凜ちゃん(工藤遥)のお話です。サクマが人間の気持ちを大分理解してからのエピソードなので、その状態で沼田さんに出会えて良かったなと。そして最後に凜ちゃんが少し寂しげな表情をするんです。そこがせつないけど、すごく素敵なシーンになっていると思いました。
――今作の死神は美容室・冥供愛富(メイクアップ)で亡くなる人に最後のスタイリングをして、大切な人に会いに行かせてくれます。日穏さんが、死神がこんなことしてくれたら楽しく旅立てそうだと思うことを教えてください。
日穏 あわよくば一緒に曲を作りたいです(笑)。死ぬ前に一緒に「死神」って曲を作ってもいいかも。
――どんな死神に来てほしいですか?
日穏 自分とノリが合う人がいいですね。気さくなタイプに来てほしいです。
――サクマがお迎えに来たらどうですか?
日穏 一瞬ちょっと戸惑うかも知れないけど、サクマも意外とピュアでこちらに従ってくれるところがあるから、意外と曲を一緒に作るのも面白い気がします。気も合いそうだし、僕は合わせられると思います(笑)。
死神バーバー
6月26日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

【映画「死神バーバー」よりシーン写真】
(STAFF&CAST)
監督:いまおかしんじ
原案:梅木陽一
脚本:谷口恒平
出演:桜井日奈子、日穏、
岡部 大、平井亜門、猪塚健太、美保 純ほか
(STORY)
ある日、職場でもプライベートもうまくいかずイライラしていた美帆(桜井)はうっかり階段で足を滑らしてしまう。 その後、目を覚ますと目の前にいた新米死神・サクマ(日穏)に自身が死んだことを告げられ、怪しい美容室「冥供愛富(メイクアップ)」に連れてこられる。そこは死者の魂が冥土に送られる前に訪れる場所だった。
(C)『死神バーバー』製作委員会
撮影/干川 修 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/伊澤明日花(MASTER LIGHTS)












