iPhone 3Gが日本で発売されて20年近く経った現在、スマホの世帯所有率は90.5%(総務省「令和7年版情報通信白書」より)とのこと。
いまやスマホがないと社会生活がやっていけない、というのは誰もが感じているはず。実際に手元にないだけで電車に乗れなかったり買い物が不便だったり、ヒマな時間を潰すにもどうしたらいいか分からなかったり……。
「スマホに依存しすぎもよくないし、ちょっとデジタルデトックスを」と自分で心に決めても、隙間時間が1分もあれば無意識のうちに画面を見ちゃって、自動で顔認証ロックが外れてて、気がついたらSNSを追ってる……みたいなことがよくある。
本気でスマホから離れたいなら、自分の意志は信用しないのが正解。物理的手段に頼るべきなのだと思う。

スマホから物理的に引き離す鍵付きケース
例えば「勉強のためにちょっと本を読もう」と思っても、気がつけば手がスマホに伸びている、なんて状況はすごくありがちだ。大人だってそんな有様なのだから、子どもに「スマホばかり見ないで勉強しろ」と言うのは無理な話だろう。
スマホから身を引き剥がすためには、無理矢理にでも「箱に入れて鍵を掛けちゃう」しかないのだ。

SONiC(ソニック)の「デジトックス ザ・ルーティン」は、デジタルタイマー+鍵付きケースにスマホを収納することで、物理的に“時間制限付きデジタルデトックス”を行うためのツールだ。
いったん鍵がかかってしまったら、自分で決めた時間まではスマホを取り出すことができないため、無意識にスマホを触ってしまう、という行動が起こらないわけである。

ロック機能
ルーティンモード
ロック機能は、毎日決まった時刻だけスマホを制限できる「ルーティンモード」と、カウントダウンタイマーでロックがかかる「タイマーロックモード」の2種類が備わっている。
ルーティンモードは、例えば「20時から23時15分まで」と時刻設定をしたら、毎日その3時間15分のあいだは本体ケースに鍵がかかるという機能だ。


一度セットすると、あとは毎日開始時間の5分前にお知らせ音・LEDライト・画面の鍵アイコン点滅でロックの準備ができたことを知らせてくれる。
その時点で本体ケースにスマホをセットし、フタを閉めてスタート/ストップボタン(START/STOP)を押すと、10秒間の猶予としてカウントダウンがスタート。10秒後には自動でロックがかかり、以降は終了時刻までスマホに触れることができなくなる。
このカウントダウン中はスタート/ストップボタンを押すことでロックを一時中止できるので、「電源を切り忘れてた!」「スマホに充電ケーブルを挿してなかった!」といった諸事は、このカウントダウンのあいだに思い出しておく必要がある。
開けられないケースの中で通知音やら着信があると気になってしょうがないので、特に電源は忘れずにオフにしておくべきだろう。

このルーティンモードでよくできているなと感じたのは、デジタルデトックスの習慣を忘れさせないためのお知らせ機能だ。
開始時間5分前にお知らせ音が鳴る、というのは前述したが、そのタイミングでスマホがケースに収まってない場合は、開始時間ジャストにまず一度、さらに以降1分ごとにお知らせ音とライトが光り、「まだスマホ入れてロックしてないだろ!」と圧力をかけてくるのだ。
ちなみに、ルーティンモード自体を解除するには、ネジ止めされた裏ブタを開けて電池を抜き差しする以外にない(これが面倒くさい!)。
「うーん、今日はなんとなくダルいからデジタルデトックスなしで」みたいなダラけを一切許さない、なかなかスパルタな仕様と言えるだろう。

タイマーロックモード
タイマーロックモードの使い方は、基本的にはルーティンモードと同じだ。
最初にダイヤルでロックをかけておく時間(最小1分〜最大99時間59分)を設定し、スマホを入れてロックしたら、あとは設定した時間分のカウントダウンが終わるまで取り出せない。つまり「いまから2時間は勉強するからスマホを見ない!」という場合などに使うモードである。
ちなみに、タイマーロックモードのカウントダウン中にルーティンモードの開始時間が来たら、ルーティンモードの終了時間までロックがかかったままになるので、そこだけは要注意だ。
裏ワザさえ許さない仕組み
タイマーにはもう1つ、ロックがかからない「タイマーモード」も用意されている(MODEボタン2度押し)。
こちらはケースの自動ロックなしで、純粋に設定時間のカウントダウンを行うタイマーとしても使えるモードだ。

卓上用の学習タイマーとしても実用的だ。例えば、本体前面のトレー部にスマホを立てかけて動画を見つつ、「でも1時間後には見るのを止めて勉強しよう」といったスケジュール運用にもなかなか役に立つと思われる。
タイマー終了後は動画視聴を止めてタイマーロックモードへ移行し、スマホを片付けることができたら、使い方としては満点と言えそうだ。

とはいっても、ロックがかかっている最中に「でもどうしてもいまスマホが必要」というケースだってあるはず。先に「基本的に終了時間まではスマホを取り出せなくなってしまう」と述べたが、そういったケースに備えて“緊急時の裏ワザ”も用意されている。
その方法は「ネジ止めの裏ブタを開けて電池を抜き差しする電源リセット」か、「裏面の緊急解除ボタンにリセットピン(ゼムクリップや安全ピンの先端など)を挿し込んで押す」の2つ。
このどちらかを行えば、解錠されてスマホを取り出すことができるのだが、その代わりリセット後1分間アラームが鳴り続ける仕様になっている。しかも、本体裏面の音量スイッチをオフにしていても強制的に鳴るのだ。
おそらくこれは、子どもが勉強中にこっそりスマホを取り出そうとしたことを親が感知するための、いわば通報アラームとして機能しているのだろう。なかなか恐ろしい仕様だ。
また、大人が1人で使っていたとしても、あまりのうるささに「やっぱりリセットはよくないな」と反省する効果はありそう。

本来であれば、デジトックスのようなツールを使わずに自分の意志だけで「作業中はスマホを見ない!」と決めて実行できるのがベストだろう。しかし、それだけ強固な意志のある人はそもそもスマホ依存になんかなってないはずだ。
このアイテムを見て、「自分はこれを導入する必要があるかも……」と思った人は、もうその時点で間違いなくこれが必要なタイプなのである。
実際に使ってみると本当にガードが堅く、ルーティン時刻のお知らせアラームにイライラして、スマホを収納したらしたでイライラするし、ついには強制リセットをかけてアラームの音にまたイライラして……と、わりとすぐにデジトックス ザ・ルーティンが嫌いになるはずだ(筆者はすでにかなり嫌いになっている)。
しかし、それはつまりデトックス効果がきちんと出ているということに他ならないわけで、いずれ慣れてイライラしなくなるまでは根気強く続けたほうがよいのかもしれない。本気でイライラするけれど。


