家電
2016/11/8 6:00

「デザインいまいち」から「選ばれる空気清浄機」へ! ダイキンがデザイン重視に走った理由

ダイキンは、10月28日に大風量のリビング向けモデル「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70T」と、個室向けのスリムタワーモデルの「加湿ストリーマ空気清浄機MCK55T」、11月1日にエアコンの「うるさら7」を発売。今回、これらの商品について、メディア向けに説明会が行われました。ダイキンの空気清浄機といえば、機能面で高い評価を得ていますが、今回はこれをスタイリッシュなデザインに変更したとのこと。こうした変更点のほか、他社とは異なる魅力的なポイントなども含めてお伝えしていきましょう。

 

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直線的なデザインを採用しインテリアとの相性がアップ

「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70T」は、インテリアフィットを切り口にモデルチェンジが行われた空気清浄機です。適用床面積は31畳、風量は7.0㎥/分と大風量なので、リビングに向いています。実売価格は6万5660円です。

↑ボタンが上にあるので操作しやすいですね。上からみても四角いデザインです
↑操作ボタンは上面に。上から見ると、前面が直線で構成されているのがわかります

 

同社の調査によると、加湿空気清浄機を選ぶ際は、過半数の人が集じん性能や加湿性能を重視しているものの、最近ではデザインやサイズを重視する人が増えているとのこと。なぜなら、空気清浄機はずっと出しっぱなしにしておくものだけに、野暮ったいデザインだと部屋のイメージを壊してしまうからです。

 

その点、これまでのダイキンの空気清浄機は、性能に関しては評価が高かったものの、丸みを帯びたフォルムでデザイン面ではいまひとつ。そのため、店頭でははじめから購入の選択肢に入らなかったことも多かったそうです。いくら機能面では自信があっても、手にとってもらえないなら意味がない……。今回はそういった部分を考慮して、インテリアに合う直線的なデザインにモデルチェンジしました。ガラストップではありませんが、ホワイトはガラストップに近いツルッとした光沢仕上げを施し、高級感もアップさせています。たしかに、これなら現代風のナチュラルな部屋にも、シックな部屋にも合いそうです。

↑直線的でどんなインテリアにも合うシンプルなデザイン
↑直線的でどんなインテリアにも合うシンプルなデザイン

 

アレル物質をしっかり捕獲しストリーマで分解

次に、機能面を見ていきましょう。MCK70Tの集じん方式は、ダイキンが継続して採用している電気集じん方式です。カビやダニ、花粉などのアレル物質をプラスに帯電させることで、静電HEPAフィルターのマイナス帯電部に有害物質がピタっとくっつくため、しっかりと捕獲することができます。また、フィルターの繊維に汚れが寄せられるためフィルターの目が詰まりにくいのも特徴で、高い集じん力をキープできるのが特徴です。

↑両側にある水色の部分がホコリや花粉をプラスに帯電するプラズマイオン化部
↑前面パネルを開けた状態。両側にある水色の部分がホコリや花粉をプラスに帯電する部分

 

吸い込んだ有害物質はプラズマ放電の一種であるストリーマが分解してフィルターを清潔に保ちます。内部を除菌するストリーマ空気清浄機の大きなメリットは、空間を除菌するのではなく、本体内部で花粉やホコリなどの表面に付着している有毒ガスを分解できること。フィルターで捕獲できても、ガス状の化学物質は通り抜けて外に出てしまう恐れがあります。そこで、ダイキンの空気清浄機は、本体内部でストリーマが有害化学物質を分解して、再飛散を防ぐ方式を採用しているのです。また、ストリーマには脱臭フィルターを再生させる効果もあります。

↑高速電子を放出するストリーマユニット。捕獲した有害物質を酸化分解します
↑高速電子を放出するストリーマユニット。捕獲した有害物質を酸化分解します

 

↑フィルターは3層構造。左からホコリをキャッチするプレフィルター、静電HEPAフィルター、ニオイを吸着する脱臭触媒
↑フィルターは3層構造。左からホコリをキャッチするプレフィルター、静電HEPAフィルター、ニオイを吸着する脱臭触媒

 

さらに、加湿フィルター部分には銀イオン材とストリーマのダブル除菌をすることで、トレーに溜まっている水のぬめりを軽減する効果もあります。これは他社にはない機能となっています。

↑加湿フィルターもぬめりを抑えながら清潔に使えるとのこと。掃除もラクになりそうでいいですね
↑側面から取り出せる加湿フィルター。ぬめりを抑えられるのがうれしいポイント

 

外部の有害物質はアクティブプラズマイオンで分解

ただし、このままでは除菌できないものもあります。例えば、ソファやカーテンにすみついたニオイや菌は、分解できません。それを補うための機能が、アクティブプラズマイオン。プラズマ放電をイオン化して空気の成分と合体し、酸化力の強いOHラジカルなどの活性種を生成します。このアクティブプラズマイオンを放出することで、本体外部にあるカビ菌やアレル物質などの表面に付着し、空気中でタンパク質を分解することができます。つまり、本機はストリーマによって本体内部で有害物質を分解するだけでなく、まわりにを浮遊する有害物質も分解可能。このふたつの方式を採用することで、空気を徹底的にキレイにできるのです。

 

新機能は、「おまかせ運転」が搭載されたこと。ユーザーの7割強が24時間自動運転で使っているというデータがあることから、自動運転を見直しました。今回、新たに搭載された「おまかせ運転」は、湿度による体感温度の違いにも着目。室内温度と湿度の状態に応じて、自動で風量を変えながら、空気清浄運転や加湿運転も切り替えることで、室内を快適に保ってくれます。

 

なお、昨年、コンパクトな加湿空気清浄機として話題になったスリムタワータイプの新モデルMCK55Tも、MCK70Tと同時に発売されました。こちらは、昨年の流行色だったオレンジ色の代わりに、赤ワインのような深みのあるマルサラレッドを投入。他の色はホワイト、ディープブラウンで空気清浄機の中では珍しい3色展開となっており、インテリアに合わせて選ぶことができます。性能は昨年と同じで、カラーだけが変わったとのこと。実売価格は6万260円です。

↑バイカラーのマルサラレッドは今年のシンボルカラー。バイカラーなので、赤といってもしつこい印象はない
↑バイカラーのマルサラレッドは今年のシンボルカラー。バイカラーなので、赤といってもしつこい印象はありません

 

「うるさら7」は垂直気流と無加水加湿が特徴

説明会では、11月1日に発売されたエアコンの「うるさら7」の解説もありました。近年のエアコンはカメラやセンサーを使用し、人の温冷感を見分けて吹き分けるタイプと、部屋全体をムラなく快適にすることを目的としたタイプに大別できます。ダイキンのエアコンは後者で、人に直接風を当てない気流を作り出すことが特徴となっています。

 

「うるさら7」は、暖房のみ使用可能だった垂直気流を冷房でも使えるようになりました。天井から遠くに風を飛ばすサーキュレーション気流と、真下に冷気を届ける垂直気流で、人に当てることなくすばやく温度ムラを解消できるとのこと。冬を越す前の時期で冷房のことを言われても……と思う方もいるでしょうが、エアコンはそうそう買い替えるものでもないので、夏のこともしっかり考慮して選びたいところです。

 

また、暖房機能では、昨年に引き続きお部屋にうるおいを与えるダイキン独自の「無給水加湿」を引き続き搭載。屋外の水分を取り込んで室内を加湿するので、わざわざ水を入れる必要がなく、乾燥を防ぐことができます。冬の乾燥に悩む人が、この機能を目当てに指名買いするほどの人気だとか。夏の冷房も改善されたことにより、冬だけでなく一年中快適に過ごせそうなエアコンとなっています。

↑遠くでも真下でも、部屋が均一にムラなく快適になるように制御されたエアコン
↑「うるさら7」RXシリーズの2017年モデル。遠くでも真下でも、部屋が均一にムラなく快適になるように制御されています