“日用品の延長”でなんとかなる! 今日から備える“普段着”の防災

ink_pen 2026/11/5
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“日用品の延長”でなんとかなる! 今日から備える“普段着”の防災
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
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1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

本人に訊け〜明日からモノ選びや暮らし方が変わるかも。

災害への備えをマンガで描いた『防災図鑑』は、2021年に出版され今も増刷を重ねるほか、著作物の累計発行部数は25万部を突破している。著者である草野かおるさんの親しみやすいイラストは「わかりやすい」と幅広い支持を得ている。今回はブックセラピストの元木忍さんが、防災に草野さんが関心を寄せたきっかけやその心得を訊いた。

■9冊目
『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』
(草野かおる・著/飛鳥新社・刊)
1320円(税込)

飛鳥新社
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■今回の“本”人

イラストレーター・防災士 草野かおる
PTAや自治会を通じた防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを生かし、防災に関する4コマブログが本になり発売。2018年に防災士の資格を取得している。

阪神・淡路大震災が活動のきっかけに

─草野さんのイラストはあたたかいタッチで、幅広い年代の方に支持されています。まずは防災に関心を持ったきっかけを教えてください。

「きっかけは阪神・淡路大震災です。東京で暮らしていましたが、世の中が大きく変わっていくのを感じていました。“ボランティア元年”で、防災訓練も盛んでしたよね。私もPTAや自治会の活動を通じて防災について少しずつ詳しくなり、この知恵を多くの人に広めたいと、やがてイラストで防災情報を発信するようになりました」

─イラストで発信というのは?

「エレベーターの壁新聞です。自治会で広報を担当していたのですが、防災訓練って結局いつも同じ人しか参加してくれないんです。詳しい人とそうでない人との格差が広がっていくのをなんとかしたいと、毎月自治会の情報をまとめた壁新聞を勝手に発行していました(笑)。10年以上続けて120枚以上は描きました」

─すごいですね! 昔から絵を描くのが好きだったのですか?

「好きでしたね。遊んでいる感覚に近かったです。壁新聞に対する反響を見ながらイラストでの伝え方を工夫するようになり、その発信が東日本大震災の年に本の出版へとつながって、2018年には防災士の資格を取得しました。防災に関する絵を描くぞ! というより、わかりやすく伝える方法がイラストだったという感覚。私の中では、ママ友に向けて描いている気持ちなんです」

災害時、意外な盲点は「トイレ」

─親しみやすさのポイントは草野さんの思いにあったんですね。ここからは本の内容にも触れていきたいのですが、『防災図鑑』はトイレの備えにとても多くのページが割かれています。

「防災と聞くと、食べ物の備えが思い浮かぶと思いますが、食べること=トイレのことも忘れてはいけません。私たちは、食べたら出さなければいけないので。これまでも講演会で『トイレってこんなに大事だったんですね』という声を聞いてきました。トイレは話題にしにくいこともあるのか、盲点になっている人も多いようです」

『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』より

─たしかにそうですね。トイレのことと言っても、まずは何に気をつけたら良いのでしょうか?

「トイレが使えない状態をシミュレーションしておくことが大切です。自宅の水洗トイレが使えなくなったことを想定し、非常用トイレを使ってみましょう。我が家でも実施してみたのですが、臭いがキツかったり、思わぬ問題が生じたり、想定外が重なります。また人間の尊厳を守るためにも、どのようにプライベート空間を作るかも考えておきましょう。災害時に焦ってしまわないよう、一度でいいので家族で確かめてみてください」

─他に、家の中で盲点となっている箇所はありますか?

「寝室の安全と灯りですね。震災はいつやってくるかわかりません。寝室に倒れやすいものはないか? 飛んでくるようなものはないか? 避難経路が確保できるか? などをチェックしましょう。灯りは、100円ショップで買える乾電池式のヘッドライトをおすすめします。意外と明るいですし、首から下げておけば両手も使えますよ」

─災害時に、両手が使えるのは助かりますね。

「はい。また、滑り止めシートってご存知でしょうか? マットの下に敷くことでズレを防ぐシートです。本棚や食器棚の棚板に滑り止めシートを敷いておくだけで転倒や飛び出しを予防できます。シート自体目立つものでもないので取り入れやすいのではないでしょうか。背の高い家具には、転倒防止プレートも挟んでおきましょう。100均でも売っていますが、東日本大震災の時はこのプレートのおかげで我が家の本棚は転倒せずに済みました」

─草野さんの本には手軽で身近な生活用品を活用する方法が紹介されていますよね。いろいろなグッズに目移りしてしまいますが、肩肘張らない防災もいいですね。

「私の本は、100円ショップだ、ラップだ、ペットシートだって、身近な生活用品が多いですからね。無駄にならずコスパがいい方がお好きな方は多いんじゃないでしょうか? 私も大好きなので、自分自身が無理なくできる防災を心がけています」

食べて、出せて、灯りがあればなんとかなる!

─草野さんに話を伺って、防災は前向きに楽しみながら取り組めるものだと感じました。

「防災の知識って、知っているのと知らないのとでは、災害時に大きな違いが出ます。だからこそたくさんの人に伝えたい。災害を想像すると恐怖や不安が募りますが、備えることでそれらを小さくできるかもしれません。ぜひ前向きな気持ちで取り組んでいただきたいと思っています」

─まずは寝室、そしてトイレのシミュレーションですね!

「そうですね、まずは寝室の安全確保、そして食べることと出すこと、灯りがあればなんとかなります。防災はシートベルトのようなものですので、皆さんの生活の中の習慣にしていきましょう。私も自分が知り得た情報を今後も、積極的にイラストで発信していきたいです」

ナビゲーター

ブックセラピスト・元木 忍
Gakken、楽天ブックス、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て独立。出版業界で培った知見を活かし、書店経営や選書活動を行う。東日本大震災を機に「人を支える本」の価値を再認識し、現在はブックセラピストとしての活動に加え、企業の事業戦略やコミュニケーション設計のアドバイザーも務めている。

※「GetNavi」2026年11月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
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