水性好きの理想がついに結実! なぜ「ユニボール ゼント 0.7mm」は快感なのか?

ink_pen 2026/9/26
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水性好きの理想がついに結実! なぜ「ユニボール ゼント 0.7mm」は快感なのか?
きだてたく
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1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

2025年に発売された三菱鉛筆「ユニボール ゼント 0.38mm/0.5mm」は、昨今のゲル・油性人気の中で久々に登場した水性インク搭載ボールペンとして、依然として注目度の高い1本だ。

水性インクの弱点とも言える「紙へのにじみ・裏抜け」を特殊な配合成分によって抑制し、それでいて水性らしい濃さとクッキリとした発色が味わえる。書きやすさと使いやすさの点において、まさに新世代の水性インクと呼ぶにふさわしい性能と言える。

ただし、万人向けの扱いやすさを重視したためか、最も水性インクらしい要素である「ドバドバと出るインクフロー」をやや絞ったチューニングになっており、これが「水性っぽくない」と感じる水性ボールペンファンも少なからずいたようだ(筆者もその1人)。

そういったマニアックな要望へのアンサー……かどうかはわからないが、新たに発売された「ユニボール ゼント 0.7mm」は、まさに水性ファンが喜ぶ“ドバドバ仕様”になっている。

同時に、ゼントユーザーでも待っていた人が多いであろう多色タイプ「ユニボール ゼント 3色ボールペン」も登場しているので、あわせて紹介したい。

ユニボール ゼント 0.7mm

滲み・裏抜け防止の2つの技術

ボールペンインクの油性・水性・ゲルの違いは、大まかに言えば「溶剤の違い」である。

  • 油性インク=発色のための色材(染料/顔料)をアルコール系溶剤に溶いたもの
  • 水性インク=上記と同じ色材を水に溶いたもの
  • ゲルインク=水性インクにゲル化剤を加えたもの

水性インクは油性の溶剤と比較して粘度が低く、サラサラしているため、ペン先からドバッと流れやすい。この大量のインクフローで筆記時の摩擦を軽減しているのが、水性ボールペンならではの書き味ということになる。

しかし、それだけインクが大量に出るということは、紙に染み込んで裏抜けを起こしたり、にじみすぎて線が太ったりすることにもつながる。

そのため、新世代水性のユニボール ゼントは次の2つの工夫が施されている。

  • インクフローを絞り、界面活性剤を配合することで筆記時の摩擦を軽減
  • インク同士を引き寄せる粒子を配合して顔料を紙表面で凝集させ、にじみ・裏抜けを軽減

実際、書き味はとても滑らかで気持ちのよいものだが、水性インクのドバドバ出る感じとは微妙に違う。

水性ファン待望のドバドバ感

その点で新たにラインアップされたボール径0.7mmは、既存の0.38mm/0.5mmと比べてインクフローが大幅に上がっており、冒頭で述べた通り、インクドバドバの書き味なのである。

三菱鉛筆

ユニボール ゼント スタンダードモデル 0.7mm

275円(税込)

※0.7mmは、ほかにベーシックモデルとシグニチャーモデルがラインアップされている。

さらりと書いてみるだけでもわかるレベルのインクたっぷりさで、とにかくペン先が軽く、滑らかに動かせるのが気持ちよい。これは確かに水性ボールペンの書き味といって間違いないだろう。「水性好きでもこれなら満足!」というレベルだ。

↑にじみやすい紙ナプキンでの比較。ほかの水性ボールペンと比較してもゼントのにじみにくさはハッキリしている。

ただし、インクにじみ・裏抜けに関しては新配合の引き寄せ粒子を以てしても万全とは言えず、特にペン先が止まる“書き始め・書き終わり”は点のようにインクにじみが発生しやすい。

↑0.7mmではさすがにゼントインクと言えども多少のにじみが発生し、線が太って見える。

ノック式水性ボールペンの常識を覆す完成度

それでも、これだけインクが出てもこの程度のにじみで収まっているとも考えられるので、やはりそれなりに効いているのかもしれない。

従来の水性ボールペンはインクの乾燥を防ぐためにキャップ式が多く、ノック式はかなりレア。さらにノック式でも乾燥しないようにインクを変えていたため、書き味も微妙に「水性と違う……」という感じだったのだ。

対して、ユニボール ゼント 0.7mmはノック式ながら、キャップ式水性に近い書き味がある。つまり、ようやく「水性ボールペン好きでも満足できるノック式水性ボールペンが登場した」ということになるのかもしれない。

過去に0.38mm/0.5mmのゼントで満足できなかった水性好きも、ここはひとまず0.7mmを試してみてほしい。満足できるはずだ。

↑とにかくたっぷりとインクが出るので、水性ボールペンらしいサラサラとした書き味がとても気持ちよい。
↑速乾性も意外と優れていて、この線の太さでも15秒ぐらいでほとんど乾いていた。

ユニボール ゼント 3色ボールペン

史上初の水性多色ボールペンは手帳とベストマッチ

ゼントシリーズに新たに追加されたもう1つのモデルが「ユニボール ゼント 3色ボールペン」。つまり多色タイプだ。

実はこれまでに水性ボールペンの多色は存在しておらず、史上初の水性多色ボールペンということになる。

三菱鉛筆

ユニボール ゼント 3色ボールペン スタンダードモデル 0.38mm/0.5mm

825円(税込)

※ほかにフローモデルとシグニチャーモデルがラインアップされている。

一般的に多色ボールペンは手帳とセットで運用されることが多い。手帳はスケジュールを複数カラーで書き分けることもあって、携帯性も考えると1本で全部まかなえる多色ボールペンがベストマッチなのである。

従来では、裏抜けしやすい水性インクは手帳の薄い用紙に使いづらかったのだが、インクに裏抜け対策が施されたユニボール ゼントシリーズであれば、その点は問題ない。

むしろ発色のよさで細かい文字でも視認性が高く、速乾性も十分。手帳と好相性とすら言えるほどだ(ゼント多色用リフィルのラインアップは0.38mmと0.5mmのみ)。

↑手帳と一緒に使われることが多いゼントだけに、多色を切望していたユーザーも多いはず。
↑ノックはベーシックなスライドノック式。

予備のリフィルを手帳カバーに

ただし、構造上どうしても多色リフィルは単色と比べて細く短くなってしまうため、かなり早めにインクを使い切ってしまうことになる。

↑ゼント単色リフィル(上)と多色リフィル(下)のサイズ比較。インク容量の差はかなり大きい。

インクフローを絞った0.38mm/0.5mmとはいえ、油性などと比べると消費は早くなるため、本格的に運用するのであれば、できれば手帳カバーに予備のリフィルをストックしておくなどしたほうが安心かもしれない。

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