初めてのパソコンに、何を選ぶか。人によってタイミングはさまざまですが、その多くは大学入学と同時にやってくる、意外と大きな決断です。今回は、その答えとして「Mac」をすすめたい理由を書いてみたいと思います。
きっかけは7月末、近畿大学のオープンキャンパスに1日限りで設置されたAppleブースの取材でした。会場で開催されたのは、製品のプレゼンではありません。Macの画面の中に、レポートの締め切りやサークルの予算表といった「入学後の日常」が並び、高校生たちはそれを覗き込んでいました。

Macのある大学生活をひと足先に体験できる場所
オープンキャンパスは、キャンパスの空気を確かめに行く場所です。Appleブースは、その一角で「Macのある大学生活」を体験できる場所になっていました。
会場で気づいたのは、いまの高校生とApple製品との距離感です。iPhoneやiPadは子どもの頃から触ってきた当たり前の存在。でも、Macに触るのはこの日が初めて、という参加者が多いのです。
セッションでは、初めてのMacが使い慣れたiPhoneやiPadと連携することでより便利に使えることが示されていました。まったく新しいデバイスをゼロから学ぶのではなく、すでに知っている世界が広がっていく。初めてのMacとの出会い方として、これ以上ない形だと思います。
購入を決断する手前に、こういう体験を置く。ここでMacに触れた高校生にとって、春にパソコンを選ぶときのヒントにはなったはずです。

この光景は近大だけのものではない
そして、この日見た光景は単発のイベントではなく、もっと大きな流れの一部だと自分は感じています。
今年、教育関係者向けの国内最大級の展示会「EDIX」を取材しました。実はAppleはこれまでも、Appleという名前が表に出ない形でこの展示会に関わってきたのですが、今年は大きなブースを構えて堂々と「Apple」として出展していました。

本国からワールドワイド教育プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのリヒティ・ドミニク氏が来日し、特別講演に登壇するなど力の入れようはかなりのもので、教育関係者の注目度も高いものがありました。
学校現場も動き始めています。要件を満たした教育機関を対象とした招待制のプログラム「Apple Distinguished School」に認定されている聖徳学園を取材したときのことです。全生徒と教員にiPadが1台ずつ行き渡るうえに、MacBookを使った授業が日常になっているこの学校は、今年の高校1年生からMacBook Neoの導入を決めていました。発売からわずか数か月での判断で、授業でもすでにMacBook Neoを使い始めていました。

話を戻すと、近大のブースで初めてMacに触れた高校生たちが入学する頃には、キャンパスの向こう側にもうNeoが待っているかもしれません。そういう地続きの動きなのだと思います。
「初めての1台」に最適なMacBook Neo
MacBook Neoは、iPhoneと同じAシリーズのチップ「Apple A18 Proチップ」を搭載した初のMacです。13インチのLiquid Retinaディスプレイに、最大16時間の動画再生が可能なバッテリーを備えています。
デザインについても触れておきます。シルバー、ブラッシュ、シトラス、インディゴのカラフルな4色展開でありながら、手にするとアルミニウムのしっかりとした質感が伝わってきます。キーボードまで本体色に合わせてコーディネートされているのも、初めての1台を選ぶ楽しさをよくわかっている作りだと思います。

学生にとってのパソコンは、毎日一緒に過ごす学生生活の相棒です。授業に、課題に、常に連れて歩く4年間。だからこそ、好きな色を選べて、開くたびに少しうれしくなる1台であることには、スペック表に出ない価値があると思っています。
同じ予算なら中古のMacBook Airの方がスペックは高い、という意見もよく聞きます。数字の上では、そのとおりだと思います。それでも自分は、初めての1台には新品の最新モデルをすすめたい。箱を開けて、フィルムを剥がして、誰も触っていないキーボードに初めて指を置く。自分のために選んだ最新のMacが目の前で起動する瞬間の感動は、スペックの差では置き換えられないものです。これから学生生活を共にする相棒なのだから、そのワクワク感は大切にしてほしい。
そして、自分も実際に使っていますが、取材に出かけるときは、正直もうこれで充分というのが実感です。取材先でNotionで録音しながらメモを取る。オンラインミーティングに参加する。メールやメッセージツールの返信を済ませる。ChatGPTのようにオンラインで使うAIツールを開く。こうした日常の作業は、どれもまったく問題なくこなせます。
さすがに本格的な動画編集をMacBook Neoでやることはないのですが、ショート動画程度の編集なら普通にできてしまいます。初めての1台に求められる仕事は、余裕を持ってカバーしているといっていいと思います。
挙動や10万円超えの価格など、選ぶ前に気にしたい点はもちろんある
一方で、初めての1台にMacを選ぶことへの不安として、よく聞く話が2つあります。
ひとつは「周りにWindowsを使っている人が多いから、困ったときに教えてもらえないのでは」というもの。ただ、この問題は以前ほど根深くないと思います。いま学生が使うアプリの多くはクラウド経由で、ブラウザーから使うサービスならOSの違いはほとんど意識しません。プラットフォームの壁そのものが、以前より低くなっているのです。困ったときも、検索すればその場で答えが見つかる時代です。
もうひとつは「Officeソフトの挙動がWindowsと違って、授業やゼミなどで困るのでは」というもの。この点は近大のオープンキャンパスで、MacでもOfficeが使えることをしっかりアピールされていました。
実際、WordもExcelもPowerPointもMac版がそろっていて、日常のレポートや資料作成で困ることはまずありません。挙動や見た目に細かな差があるのは事実なので、共同編集や提出前にはレイアウトを確認する一手間はあります。ただ、それで乗り越えられない場面は、実際にはほとんどないというのが自分の感覚です。
価格の話もしておきましょう。発売時は99,800円(税込、以下同)から、学生・教職員向けには84,800円からという、「10万円を切るMac」でした。ところが6月の価格改定で119,800円からとなり、10万円の壁は越えてしまいました。
米国でも100ドルの値上げがあったので日本だけの話ではないのですが、円安の影響が重なった分、日本の上げ幅は大きくなっています。この2万円が痛くないといえば嘘になります。学生・教職員向けの価格も104,800円からに改定されていますが、進学のタイミングなら、この差は素直に活用したいところです。
それでも、新品で買えるMacとして最も手に取りやすい存在であることは変わりません。この価格は「選ぶ理由」ではなく「諦めなくていい理由」として、まだ十分に機能していると自分は思っています。
MacBook Neoは今年のMacをめぐるいちばん大きな変化
思い返せば、これまで初めてのMacを選ぶ場合、ノート型では事実上MacBook Air一択でした。もちろんAirは素晴らしいMacですが、価格改定後は20万円を超え、最初の1台として気軽にすすめられる存在ではなくなりつつあります。MacBook Neoの登場で、Macを手に取るハードルはぐっと下がった。これが今年のMacをめぐるいちばん大きな変化だと思っています。
すでにiPhoneやiPadを使っている学生なら、初めてのパソコンがMacになることで、連携機能の充実によってきっと手放せなくなるはずです。近大の中に現れたまるでApple Storeのような場所で、初めてMacに触れた高校生たち。彼らが次の春、自分の最初の1台として何を選ぶのか、少し楽しみにしています。