ソニーは、MP3などの圧縮音源もハイレゾ相当にアップコンバートできる完全ワイヤレスイヤホン「WF-H800」を2月29日に発売しました。カラーはレッド、ブラック、アッシュグリーン、オレンジ、ブルーの5色。実売価格は2万2000円前後(税抜)。
WF-H800は、2019年に発売された同社の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」の高音質技術を受け継ぐ、小型・軽量モデル。ノイズキャンセリング機能は備えていないものの、ソニー独自の高音質化技術「DSEE HX」を搭載しており、スマートフォンで再生したMP3音源やストリーミング音源、ネット動画の音声などもハイレゾ相当(96kHz/24bit)にアップコンバートして楽しめます。また、WF-1000XM3と同じ6mm径ダイナミックドライバーを搭載している点も見逃せません。
イヤホン側でアップコンバートしてくれるため、再生機やコンテンツを問わず高音質化できる点はうれしいポイント。なお、DSEE HXが使えるのはSBCもしくはAACコーデックで伝送している場合のみですが、そもそもそれ以外のコーデックはサポートしていないので、普通に使っていればすべて自動的にアップコンバートされます。アプリを使えばDSEE HXをON/OFF切り替えることも可能ですので、音の違いを聴き比べてみたい方はアプリをダウンロードしましょう。
WF-1000XM3と同様、スマホなどの再生機と左右のイヤホンが個別に接続される「左右同時伝送方式」を採用しています。一般的な完全ワイヤレスイヤホンでは、左右のイヤホンのどちらが親機となり、スマホなどの再生機→親機→子機というようにデータが伝送されます。この方式では伝送が途切れやすく遅延も発生しやすいのですが、左右同時伝送方式は「イヤホンL側←再生機→イヤホンR側」と左右のイヤホンに同時にデータを伝送するので、途切れにくく遅延も抑えられるというわけです。
イヤホン部はコンパクト設計となっているほか、耳の中に入る割合を増やし、耳からの出っ張りを抑えたスマートな装着姿になるようデザイン。さらに、装着時に耳に接する3点で支えて安定させる「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」設計となっています。
連続再生時間はイヤホン単体で約8時間、充電ケース併用で約16時間。10分の充電で約70分使用できる急速充電機能も備えています。充電ケースはUSB Type-C端子に対応。BluetoothコーデックはSBC/AACをサポートします。
Editor’s Eye
試聴してみたところ、こもった感じのないスカッとクリアなサウンドで、数多ある完全ワイヤレスイヤホンのなかでも高音質モデルとして名高い「WF-1000XM3」に肉薄する音質だと思いました。ポップな外観とは裏腹に、かなり音質にこだわったモデルだと思います。
一方で、強力なノイズキャンセリング機能を備えたWF-1000XM3との価格差は数千円程度。発売後しばらくして価格がこなれるともっと差がつくのかもしれませんが、1000XM3とH800のどちらを選べばよいか悩んでしまいそう。音質に大きな差はないので、ノイキャンの有無とデザインの好みで選ぶのが吉!
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