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2016/12/7 19:00

「テレビ見ない、けどネット動画は見たい」―という人にぴったりの低価格4K大画面ディスプレイをがっつり試した

DMM.makeが11月15日に発売した4K対応ディスプレイ「DMM.make DISPLAY」。チューナーを搭載しておらずテレビ番組をそのまま視聴することはできませんが、一般的な4Kテレビよりも低価格を実現しており、“いますぐ買える4K大画面”として注目が集まっています。今回、実機に触れる機会がありましたので、その画質や使い勝手についてレビューをお届けします。

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↑「DMM.make DISPLAY」50型モデル

 

DMM.make DISPLAYとは?

初めに、DMM.make DISPLAYの特徴を紹介しましょう。DMM.make.DISPLAYは3840×2160ドットの4K表示に対応した液晶ディスプレイで、50型と65型の2サイズで展開されています。価格は50型が5万9900円、65型が15万9900円(税抜き)と、一般的な4Kテレビに比べて低価格を実現しています。使用しているパネルは、50型がコントラストに優れるVA方式、65型が視野角の広いIPS方式です。

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↑左が65型、右が50型

 

一般的なテレビに搭載されている「映像エンジン」の類は積んでいませんが、120Hzのリフレッシュレートには対応(※)しており、動画やゲームなどの激しい動きでも、チラつかずなめらかに映し出されます。

(※編集部注:2017年4月12日に「製品仕様誤表記」について発表があり、実際にはリフレッシュレート120Hzには対応しておらず、正しくは60Hzであると訂正されました)

 

最大の特徴は、テレビチューナーが非搭載であること。通常の4Kテレビに搭載されているチューナーは、将来的に開始される4K放送には対応されておらず、別途、対応チューナーが必要になります。どうせチューナーを刷新する必要があるならば、いっそのこと非搭載にして低価格で販売しようというのがDMM.make DISPLAYのコンセプトです。

 

また、テレビは見ないけど、YouTubeやNetflixなどのネット動画や、家庭用ゲーム機を大画面で楽しみたい人にも適した仕様になっています。

 

ストリーミングデバイスを組み合わせると真価を発揮

今回のレビューは、DMM.make DISPLAYの50型モデルに、Googleの「Chromecast Ultra」というネット動画を視聴できる4K対応のストリーミングデバイスを接続して行っています。Chromecast Ultraは、Wi-Fiでネットに接続し、ディスプレイのHDMI端子に挿し込むと、YouTubeやNetflix、huluなどのネット動画を視聴できる最新のデバイスです。価格は9720 円。

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↑Chromecast Ultra

 

こういったデバイスを組み合わせることで、チューナーのないディスプレイでも映像コンテンツを楽しむことができるようになります。Chromecast以外にも、アップルの「Apple TV」やアマゾンの「Fire TV」などもオススメ。また、PS4やXbox Oneなどの据え置き型ゲーム機でもネット動画を視聴できます。

 

ストリーミングデバイスのメリットは、テレビと違いアンテナの接続がいらないこと。Wi-Fi環境さえ整っていれば、アンテナ配線されていない部屋やアンテナ端子から離れたところでも、場所を選ばず自由にディスプレイを設置してネット動画を楽しめます。

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↑背面のHDMI端子にChromecastを接続

 

テレビも見たいという人は、BDレコーダーなど地上波チューナーを搭載している機器を接続すれば、チューナーのないディスプレイでもテレビ放送を見ることができます(ただし、レコーダーへのアンテナ接続は必要)。

 

圧巻の4K映像を堪能しまくる

さっそく、Chromecast Ultraを使い、YouTubeで配信されている4K動画を見てみました。50型といえば、4Kテレビではスタンダードなサイズですが、至近距離で鑑賞すると迫力は満点です。フルHDのブルーレイでも十分精細で美しいと思っていましたが、4Kはそれをはるかに凌駕しています。素人目にもフルHDと4Kの差は歴然! YouTubeでも4K動画はまだまだ多くないのですが、4K画質で撮れるカメラやスマホが登場してきているので、今後どんどんコンテンツは増えていくと思われます。

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最近では4K動画を配信するストリーミングサービスも増えてきましたが、特に充実しているのはNetflixです。Chromecast UltraはNetflixの4Kコンテンツにも対応しているので、ディスプレイが対応していれば4Kの高画質をそのまま楽しむことができます。ただ、本体下部に設置された内蔵スピーカーの音質にはやや不満があり、せっかくの高精細な大画面の迫力に比べるとサウンドはさびしい印象。映画やゲームなどを楽しむのであれば、別途、外部スピーカーを導入することをオススメします。

 

このほか、Chromecast Ultraはスマホの画面をそのままディスプレイに映すミラーリング機能(※)も備えているため、ブラウザを使ってサイトをチェックしたり、スマホで撮影した写真などを大勢で楽しんだりすることも可能。スマホゲームも大画面で楽しめてしまいます。

※:Chromecastのミラーリング機能に対応しているのはAndroid端末のみ

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↑スマホ画面をそのまま映すこともできます

 

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↑ゲームアプリも楽しめます(一部、画像処理をかけています)

 

注意したいのは、先ほども述べたように、一般的な4Kテレビなら当然のように搭載している映像エンジンが積まれていないこと。映像エンジンは、4K未満の解像度の映像のアップスケーリング処理などを行っていることも多く、HD画質の地上波テレビ放送やフルHD画質のBDなども4K相当に補完処理して美しく見ることができます。しかし、映像エンジンのないディスプレイでは、単に映像を拡大表示をしているような状態のため、ネイティブ4Kでないコンテンツを表示するとかえって粗く見えてしまう場合があります。

 

今回試した限り、フルHD画質のコンテンツはそれほど違和感なく見れましたが、それ以下の解像度になるとやや粗さが目立ちました。また、120Hzのリフレッシュレートに対応していますが、フレーム間の補完処理は行っていないので、30fpsのネット動画などは、動きの多い映像だとカクつきが目立ちます。4Kテレビの多くは映像エンジンがそのあたりをうまく補ってくれるのですが、本機はそれがないため映像コンテンツを選ぶ傾向にあります。そのあたりは価格なりと割り切る必要があるでしょう。

 

“テレビは見ない派”の人でも、使い方次第で様々なコンテンツが楽しめるDMM.make DISPLAY。4Kテレビは高額だからと諦めていたという人にも手が届きやすい価格帯のため、十分購入を検討する価値のあるディスプレイだといえます。