AV
カメラ
2017/9/6 17:00

動画でも写真でもない! 知ればハマる「タイムラプス動画」のススメ【いまさら聞けない】

時間が短縮され、早送りの状態で撮れる「タイムラプス動画」は、変化が次々と訪れるので見ていて飽きない。最近はタイムラプス機能付きのカメラも増え、こうした動画の撮影も容易になってきた。そこでここでは、タイムラプス動画の撮り方や作り方を紹介する。

↑三脚などを使ってカメラを固定し、一定の間隔ごとに撮影。動画としてつなぎ合わせることでいわゆる早送りの状態の映像ができあがる。撮影は長時間に及ぶが、刻々と被写体が変化する様子を映すことができる
↑三脚などを使ってカメラを固定し、一定の間隔ごとに撮影。動画としてつなぎ合わせることで、いわゆる早送りの状態の映像ができあがる。撮影は長時間に及ぶが、刻々と被写体が変化する様子を映すことができる

 

【関連リンク】

刻々と変化する様が感動的! 写真をつなぎ合わせる 「タイムラプス動画」を専用機能ナシで撮る方法

 

 

タイムラプス動画とは?

タイムラプス動画は、数秒から数分に1回撮影した数多くの静止画をつなぎ合わせて動画にしたもの。動画のフレームレートにもよるが、例えば30fpsで3秒に一度撮影した写真を1000枚(50分ぶん)つなぎ合わせると、33秒の早送りの動画が撮れるといった具合だ。カメラを固定して、長時間のインターバル撮影を行ってソフトでつなぎ合わせるというのが基本だが、最近のカメラで搭載が進んだタイムラプス動画機能を使うと、撮影するだけで手軽に動画を生成できる。具体的には次の動画をご覧いただくとわかりやすいだろう。

 

タイムラプス動画に向く被写体

風景(朝・夕)

↑朝夕の風景は明るさや空の色などが変化するが、タイムラプスで見るとその変化がより強調され、劇的なものに感じられる。2時間程度の撮影で十分変化が出る
↑朝夕の風景は明るさや空の色などが変化するが、タイムラプスで見るとその変化がより強調され、劇的なものに感じられる。2時間程度の撮影で十分変化が出る

 

夜景・星空

↑街並みなどを狙うと人工光の明滅やクルマの動きなどが撮影できて面白い。画面にイルミネーションなどを入れると、変化が強まって飽きない動画にできる
↑街並みなどを狙うと人工光の明滅やクルマの動きなどが撮影できて面白い。画面にイルミネーションなどを入れると、変化が強まって飽きない動画にできる

 

↑雲の動きはゆっくりだが、タイムラプスにすることで、速く雲が流れて変化が大きく感じられる被写体だ。晴れている日なら、雲が発生する様子も見られる
↑雲の動きはゆっくりだが、タイムラプスにすることで、速く雲が流れて変化が大きく感じられる被写体だ。晴れている日なら、雲が発生する様子も見られる

 

花(開花)

↑花が開花する様子を撮影するのも面白い。咲くタイミングを見計らうのが難しく、撮るのに時間を要するが、撮影した動画では花の咲く“瞬間”が見られる
↑花が開花する様子を撮影するのも面白い。咲くタイミングを見計らうのが難しく、撮るのに時間を要するが、撮影した動画では花の咲く“瞬間”が見られる

 

タイムラプス撮影の例

ここでは、変化の大きな夕景と開花の様子を見てみよう。夕焼けは時間が短く、比較的撮りやすい。花は撮影するタイミングが難しいので、一度試してみようと思うなら、まずはこの夕焼けの様子を撮るのがおすすめだ。

↑夕景/撮影間隔15秒、撮影約2時間、再生50秒。見事な色の夕焼けになったので、その後の変化を撮ろうとタイムラプス撮影を行った。すると、少しづつ空が青く染まって行き、夜になっていった。ここでは、夜の時間帯も長めに撮って、街明かりの変化も加えて、約1分の動画にした
↑夕景/撮影間隔15秒、撮影約2時間、再生約50秒。見事な色の夕焼けになったので、その後の変化を撮ろうとタイムラプス撮影を行った。すると、少しづつ空が青く染まって行き、夜になっていった。ここでは、夜の時間帯も長めに撮って、街明かりの変化も加えて、約1分の動画にした

 

↑開花/撮影間隔1分、撮影約4時間、再生約7秒。花の咲くタイミングがわからないので、数日に渡って撮影を繰り返した。花の咲き始めから咲くまでの時間は3~4時間程度であったが、タイムラプス動画にしたことで、数秒で咲いたかのような印象になり、面白い動画になった
↑開花/撮影間隔1分、撮影約4時間、再生約7秒。花の咲くタイミングがわからないので、数日に渡って撮影を繰り返した。花の咲き始めから咲くまでの時間は3~4時間程度であったが、タイムラプス動画にしたことで、数秒で咲いたかのような印象になり、面白い動画になった

 

タイムラプス撮影の手順

瞬間の動きを止める写真とは違い、タイムラプス動画では長い時間をかけて変化していく動きを写していく。そのため、手持ちでの撮影はほぼ不可能で、三脚を使いしっかりとカメラを固定する必要がある。1フレームごとのシャッター速度を速めに設定していたとしても、撮影中にカメラが揺れると、完成した動画が画面が震えて見にくいものになるので、揺れやすい場所や風の強い場所での撮影は避けた方が無難だ。屋外での明け方の撮影など気温の変化が大きい場面ではレンズの結露にも注意しよう。

 

タイムラプス撮影に必要な機材

最近のカメラはインターバル撮影機能やタイムラプス撮影機能が付いているものが多く、その場合はカメラのほかに必要なものは頑丈な三脚とレリーズだけ。それらの機能が付いていない場合は、インターバルタイマー機能付きのレリーズを用意する。

 

カメラ

↑インターバル撮影やタイムラプス撮影機能があればベスト。バッテリーはフル充電に。電源があるならACアダプターの使用も
↑インターバル撮影やタイムラプス撮影機能があればベスト。長時間撮影になるので、バッテリーはフル充電にする。電源があるなら、ACアダプターの使用も考慮しよう

 

三脚

↑カメラを固定したままにするため、頑丈なものがベスト。手すりなどがある場所では脚が広がるローアングル対応三脚が便利
↑カメラを固定したままにするため、頑丈なものがベスト。手すりなどがある場所では脚が広がるローアングル対応三脚が便利

 

レリーズ

↑インターバルやタイムラプス撮影機能が付いているカメラなら普通のレリーズOK。ない場合は、インターバルタイマー付きを使う
↑インターバルやタイムラプス撮影機能が付いているカメラなら普通のレリーズOK。ない場合は、インターバルタイマー付きを使う

 

タイムラプス動画対応カメラ使用の場合の撮影手順

EOS 5DマークIVやEOS 80Dなど最近の機種では動画メニューにタイムラプス動画機能がある。最初に撮影間隔や撮影回数、露出などを設定して撮影を開始すれば、設定した時間シャッターを切り続け、自動で撮影が終了。その後、カメラ内でタイムラプス動画が生成されるのでとても便利だ。

20170828_kohno_028

↑ここでは、EOS 80Dの場合で解説する。まず、カメラを動画モードにしてメニュー画面から「タイムラプス動画」を選択(上)。すると撮影間隔や撮影回数、撮影所要時間や動画の再生時間、メモリーカードの残時間(量)が表示される(下)
↑ここでは、EOS 80Dの場合で解説する。まず、カメラを動画モードにしてメニュー画面から「タイムラプス動画」を選択(上)。すると撮影間隔や撮影回数、撮影所要時間や動画の再生時間、メモリーカードの残時間(量)が表示される(下)

 

↑次にタイムラプス動画の設定画面でINFOボタンを押し、撮影間隔と撮影回数を設定。撮影間隔は99時間59分59秒まで、撮影回数は2回~3600回まで設定できる。下部左側に表示される実撮影時間と下部右側に表示される再生時間を参考に設定を行う
↑次にタイムラプス動画の設定画面でINFOボタンを押し、撮影間隔と撮影回数を設定。撮影間隔は99時間59分59秒まで、撮影回数は2回~3600回まで設定できる。下部左側に表示される実撮影時間と下部右側に表示される再生時間を参考に設定を行う

 

↑撮影回数の設定を終えたらメニューを終了し、画面にでてくるメッセージを確認。OKを選択し、シャッターボタンを押して露出とピントの確認を行う。問題無ければ動画撮影のSTART/STOPボタンを押して撮影準備モードに。その後シャッターボタンを押せば撮影が開始される。天面液晶パネルに残り撮影回数が表示されるので、残り時間の目安にするとよいだろう
↑撮影回数の設定を終えたらメニューを終了し、画面にでてくるメッセージを確認。OKを選択し、シャッターボタンを押して露出とピントの確認を行う。問題無ければ動画撮影のSTART/STOPボタンを押して撮影準備モードに。その後シャッターボタンを押せば撮影が開始される。天面液晶パネルに残り撮影回数が表示されるので、残り時間の目安にするとよいだろう

 

カメラをパンしながら撮って広がり感のある動画にしてみよう

タイムラプス動画でパンする(左右、上下にカメラを動かしながら撮る)場合は、通常の動画と違い、フレームごとの撮影間隔が長いため、それに応じたゆっくりした動きでないと滑らかに動いているように見えない。ギヤ式の雲台などにメモリを付けて一定時間ごとに少しづつ動かす方法もあるが失敗も多く、かなり根気のいる作業になる。自動で動く雲台やタイムラプス対応の赤道儀などの使用がおすすめ。

↑赤道儀は星を追尾して撮影する場合に使用するが、その機能を応用してタイムラプスに対応させた製品がある。これを使えば、任意の時間、自動でカメラを回転させ滑らかにパンできる
↑赤道儀は星を追尾して撮影する場合に使用するが、その機能を応用してタイムラプスに対応させた製品がある。これを使えば、任意の時間、自動でカメラを回転させ滑らかにパンできる

 

↑パン撮影の例/撮影時間1.5時間、再生62秒。海辺の建物から雲の流れと船の動きをパンしながら撮影。1時間に90度ほど回るように赤道儀を設定し、1時間半で120度パンさせた。撮影時は、水平をしっかりとるのも大切だ
↑パン撮影の例/撮影時間1.5時間、再生62秒。海辺の建物から雲の流れと船の動きをパンしながら撮影。1時間に90度ほど回るように赤道儀を設定し、1時間半で120度パンさせた。撮影時は、水平をしっかりとるのも大切だ

 

パン撮影にはタイムラプス機能付きの小型赤道儀が最適

タイムラプスでパン撮影を行う場合、微動回転する雲台を用意する方法もあるが、高価なものが多く、手を出しにくい。そこでおすすめなのが、タイムラプス撮影対応の小型赤道儀。専用のケーブルでつなぐことでカメラのレリーズを操作できるものが便利だ。

↑ケンコー・トキナー スカイメモT。質量約650gと軽量で積載重量3kgの赤道儀、フルサイズ一眼に大口径の広角レンズを付けても十分。電源も単3形電池2本かUSB電源が使用できる。操作はスマホから行う方式でカメラのレリーズも本機から行える。参考価格/3万5510円
↑ケンコー・トキナー スカイメモT。質量約650gと軽量で積載重量3kgの赤道儀、フルサイズ一眼に大口径の広角レンズを付けても十分。電源も単3形電池2本かUSB電源が使用できる。操作はスマホから行う方式でカメラのレリーズも本機から行える。参考価格/3万5510円

 

↑電源スイッチとレリーズ用端子、電源用USB端子というシンプルな仕様(左)。赤道儀使用時に使う北極星導入用ガイドもある(右)
↑電源スイッチとレリーズ用端子、電源用USB端子というシンプルな仕様(左)。赤道儀使用時に使う北極星導入用ガイドもある(右)

 

↑スカイメモTの最大の特徴は、ほとんどの機能をスマホで制御できるという点。電源ボタンを押して電源を入れ、専用アプリをインストールしたスマホとWiFiで接続して設定を行う。一度設定をスカイメモ側に送って動作を開始すれば、その後はスマホとの接続が切れても設定した時間、動き続ける
↑スカイメモTの最大の特徴は、ほとんどの機能をスマホで制御できるという点。電源ボタンを押して電源を入れ、専用アプリをインストールしたスマホとWiFiで接続して設定を行う。一度設定をスカイメモ側に送って動作を開始すれば、その後はスマホとの接続が切れても設定した時間、動き続ける

 

【コチラの記事もオススメ!】

【いまさら聞けない】使いこなせば超便利なiPhoneの動画撮影機能

高画質だけどデカくて重いを覆す! 革新的フルサイズ一眼「キヤノン EOS 6D Mark Ⅱ」を前モデルと比較レビュー

【待ってました!】有効4575万画素のフルサイズ一眼レフ「ニコン D850」正式発表!