中島健人さんが“360度全方位イケメン”を演じていることでも話題のお仕事ラブコメディ映画『ラブ≠コメディ』が7月3日より全国公開中。中島さん扮する神崎麗司の親友にしてライバル俳優・渕上颯真役を演じた塩野瑛久さんに、作品の魅力についてたっぷりうかがいました。

【塩野瑛久さん撮り下ろし写真】
中島健人さんはご想像以上のお人柄
――初めて台本を読んだ時の作品の印象はいかがでしたか?
塩野 タイトルが『ラブ ≠(ノット) コメディ』とあったので、現実離れしたようなラブコメ的要素が多い作品なのかなと当初はイメージしていました。でも、読み進めていくうちに、しっかり地に足が付いた物語だと思いました。ラブコメ的な面白さも当然ありながら、人と人の絆や、どこか青春を感じさせる要素があるなと感じました。主人公の麗司を中島健人さんが演じるというところに、一番興味がそそられたんです。中島さんのイメージと麗司のキャラクターがすごくマッチしているように感じたので。
──ご自身が演じられた、麗司の親友にしてライバル俳優・颯真は、どんなキャラクターですか?
塩野 真面目に、ひたむきに努力してきた俳優なんだろうなと感じました。麗司の人間的に素敵な部分をよくわかっているからこそ、自分にはそれは真似できないなと思いつつ、“ならば演技で認められよう”と、真摯に自分の芝居を磨いてきた人なんだと思います。僕自身も俳優として、颯真の気持ちはなんとなくわかったので、改めて何かを勉強したり研究したりするような役作りは特にはしませんでした。シーンについても常日頃見ている環境に近いものばかりで、演じるにあたり苦労するような役柄ではなかったように思います。
──“ラブコメのプリンス”である麗司を中島さんが演じることに興味をそそられたとのことでしたが、実際に中島さんと共演されてみていかがでしたか?
塩野 初めてご一緒させていただいたのですが、ご自身の中で熱いものを持っている方だと、すごく感じました。きっと何に対しても全力投球でやられる方なんだろうなって。特に今回の役どころの麗司というキャラクターを、中島さんがどう感じて、演じられるのかにもすごく興味があったんです。完成したものを観て、やっぱりすごくマッチしているし、たぶん僕だけじゃなくて、中島健人さんのファンをはじめとする方々が、中島さんご自身の印象をそのまま持って映画を観てもすごく楽しめるのではと思います。

──普段の中島さんはいかがでしたか?
塩野 これまで画面越しで観ていた中島さんと良い意味で変わらなかったです。もともと僕、中島さんをすごくリスペクトしているんですが、そのことも直接現場でお伝えできました。画面からにじみ出てくる気骨さや、中島さんの活動や言動を見ていると、一貫した信念を持っていらっしゃることがわかるのですが、それは現場でもまったく変わらず、ご想像以上のお人柄でした。
──麗司と颯真は親友であり、わりと複雑な関係性が描かれていますが、そういった部分のお芝居はどのように組み立てていったのですか?
塩野 シーンとしては限られていて、大きな見せ場ではそれぞれ真逆な心境を表現しなければならなかったので、その間での颯真の気持ちの揺れ動きをどう表現していくか、すごく考えました。監督ともたくさん話し合いました。
──麗司と颯真のやり取りを見ていて、同じ俳優仲間として応援したい気持ちと、“負けたくない!”という気持ちが同時に生まれて、お互いにもどかしい気持ちになる瞬間があるのかなと感じました。俳優業をしていると、誰かと自分を比べてしまうなど、颯真と同じような心境になりがちなのでしょうか?
塩野 なると思います。僕の周りの俳優さんたちからも、自分が出ている作品以外が観られなくなってしまった……みたいな話をよく聞きます。僕自身もそうなったことがあります。でも最近は向き合い方が変わってきて、どんな作品でも観られるようになりました。様々な作品を通して、“全部吸収してやろう!”という気持ちが強くなりました。いろんな経験をさせていただいたおかげで、映像を観るだけで現場の進行の感じや撮り方がわかるようになってきたのが大きいです。現場を想定して、“自分だったら何を意識して、どんなふうに演じるか”ということを常に考えながら、映画やドラマを観られるようになりました。
──作中では俳優陣とスタッフ陣とのチーム感がしっかりと描かれていますが、実際の現場でも、劇中で描かれていたような一体感を感じることはありましたか?
塩野 やはり、中島さんが全体を引っ張っていっているという印象です。クランクインは中島さんと菊田竜大さんと僕がバーで話しているシーンだったんですが、まだインしたばかりなのに、雰囲気が良かったんです。最初から3人で気兼ねなくいろいろしゃべっていました(笑)。結構、そこから空気が作られていったのかなと思います。紙谷(楓)監督からも作品に懸ける思いや熱をすごく感じていましたし、役についてディスカッションをできる現場でしたので、インの日からすごく良い雰囲気になりそうだなという感じがしました。
──撮影の合間で、心に残っているエピソードなどがあったら教えてください。
塩野 中島さんと長濱ねるさんとは、いつも他愛のない話ばかりしていました。ふたりとも本当に壁がなくて、フラットにお話ししてくださるなというのが、僕の中では印象的でした。エピソードでいうと、僕はその撮影時にはいなかったんですが、麗司が美里をお姫様抱っこするシーンに立ち会っていたスタッフさんたちがみんな、「(姿勢や腕が)ブレなくてスゴすぎた!」と、中島さんを大絶賛。「あれってなんでなんだろう?」という話で盛り上がっていて、お姫様抱っこに必要な筋肉がこれまでの経験からすべて備わっているのではないか!? という結論に達していました。きっと中島さんは、“お姫様抱っこ筋”が発達しているのだと、スタッフさんたちの話を聞いて思いました(笑)。

大充実だった上半期。声の仕事も果敢にチャレンジしていきたい!
──『ラブ≠コメディ』をはじめ、2026年の上半期は様々な作品にご出演されていました。振り返ってみていかがでしたか?
塩野 ドラマや映画の撮影だけでなく、新しい挑戦もいろいろさせていただいて、本当にバタバタでした(笑)。一方で、見知った人たちと再び一緒にできるお仕事もあったりして、すごく充実していたと思います。
──TVアニメ『あかね噺』では、声優に初チャレンジもされていましたよね。初で噺家のキャラクターを演じるのは難易度が高そうですが、いかがでしたか?
塩野 越えなきゃいけないハードルがたくさんあるなぁとは予想していたものの、メチャクチャ大変でした……(笑)。塩野瑛久にしかできない芝居を期待して、オーディションで選んでいただいたと思うので、俳優としての僕を寄せて、役作りをしていきました。でもやっぱり、アニメーションの世界に飛び込んでいくには、まだまだなところがたくさんあるなと感じています。
──映画『SAKAMOTO DAYS』や『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』など、実写化作品に多く出演されていますが、アニメの現場はまた違った感じだったのでしょうか。
塩野 実写とアニメは、ぜんぜん違いますね。わかってはいたものの、本当に表現が難しいな……と思いながら声の演技をしていました。皆さん褒めてはくださるんですけど、自分の中ではまだ納得していない部分がたくさんあります。声のお仕事ももっと頑張りたいです。
──俳優としては、教師役をやってみたいと以前おっしゃっていましたが、それは今も変わらずですか?
塩野 やってみたいですね。今の若者たち……なんなら大人も含めて、悩んでいることや葛藤していることに、真摯に挑んでいけるような教師役をやりたいです。真正面からじゃなくて、ちょっと歪んだ視点からみんなの悩みを切り崩していくような先生がかっこいいですよね。
──最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
塩野 映画は“観たい!”と思えるハードルが低ければ低いほど良いと、個人的には思っています。『ラブ≠コメディ』は、入口はすごくポップで世界観に入り込みやすい作品ですが、それぞれの人間関係や信頼関係が見えるヒューマンな部分もあり、観賞後はほっこりした気持ちにもなります。中島さんが演じているからこそ面白い部分もあり、そういった意味でも見応えがあるのではないかと。作中で描かれている撮影現場の雰囲気やアクシデント、俳優たちの心境はほぼリアルと言っても差し支えありません。“映画やドラマって、こんなふうに作られているんだなぁ”と思いつつ、お仕事ドラマのような感覚で観ていただくのも一興ですよ!


ラブ≠コメディ
7月3日より全国公開中
【映画『ラブ≠コメディ』よりシーン写真】
(STAFF&CAST)
監督:紙谷 楓 脚本:大北はるか
出演:中島健人、長濱ねる、板谷由夏、塩野瑛久/菊田竜大(ハナコ)、三石琴乃、光石研/財前直見 ほか
(STORY)
王道ラブコメで人気を博す俳優・麗司(中島)は、30歳を目前に、重厚な作品で認められたいという思いを抱えていた。俳優仲間の颯真(塩野)が実力派俳優として評価を高めていく姿に、焦燥感を募らせていく。そんな中で決まった新作はまたもやラブコメ。気が乗らない麗司の前に、相手役のアイドル・美里(長濱)が現れる。
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撮影/映美 取材・文/えんどうまい ヘアメイク/奥平正芳 スタイリング/Lim Lean Lee









