CIOは創業10年を記念した新製品発表会を開催し、安全性をテーマにした次世代モバイルバッテリー3モデルを発表しました。今回の発表で特徴的だったのは、大容量や急速充電といった従来のスペック競争ではなく、「使い続けた先の安全」に焦点を当てたことです。
近年、モバイルバッテリーが原因とみられる発火事故がニュースになる機会が増え、同社も2025年にモバイルバッテリーの自主回収を実施しています。

同社代表取締役の中橋 翔大氏によると、スマートフォンでも使い続けると電池の減りが速くなりますが、モバイルバッテリーは高出力での充放電を繰り返すため、劣化のスピードがより顕著だといいます。一般的に「2000回充電できる」と表記されている製品であっても、それはイヤホンのような低電力機器を充電した場合の数値であり、スマートフォンへの充電を繰り返す実際の使い方では、容量が80%程度まで低下する目安は300〜500回程度だと説明しました。
問題は、この劣化がユーザーから見えにくいことです。「どのくらい使ったら寿命なのか、いつ買い替えればいいのか、そういうことを考えながらモバイルバッテリーを使っている人は、ほとんどいないのではないか」と中橋氏は指摘します。そこで同社が打ち出したのが、バッテリー状態を「見える化」する新しい安全設計「NovaCore C3」です。
バッテリーの健康状態や充放電回数を表示するNovaCore C3
NovaCore C3は、モバイルバッテリーそのものの性能を向上させる技術ではなく、「安心して使い続けるための仕組み」を実現する新しいプラットフォームです。
最大の特徴は、これまでユーザーが確認できなかったバッテリー内部の状態を可視化すること。「Battery Health & Safety(バッテリー状態の見える化)」「Cycle Count Control(サイクルカウントによる状態管理)」「Battery Cell Temperature(バッテリーセルの温度の可視化)」の3つを柱とする安全設計を打ち出しています。発表会では、「まだ使えるかどうかをユーザーの感覚だけに委ねない」という考え方を紹介し、今後はこれらの設計を順次製品へ展開し、安全性の向上を図る方針を示しました。

バッテリーの状態をディスプレイに表示してコードリールとワイヤレス充電を1台に集約
今回の発表の中心となったのが、「SMARTCOBY Ex06 Wireless2.2 Built in CORD REEL(以下SMARTCOBY Ex06)」です。容量は9,000mAh。巻き取り式のUSB Type-Cコードリールケーブルを内蔵し、マグネットワイヤレス充電にも対応。最大45Wで出力でき、ノートPCなど幅広い機器へ給電できます。
本体にはTFTディスプレイを搭載し、バッテリー残量はもちろん、バッテリーの健康状態や充放電回数、セル温度なども表示できます。スマートフォンの「バッテリーの状態」を確認するような感覚で、モバイルバッテリー自身のコンディションを把握できる点が大きな特徴です。発売は2026年9月頃を予定し、価格は11,290円(税込)。



ステンレス製超薄型モデルとエントリーモデルは半個体系セルを使用
NovaCore C3の考え方は、フラッグシップモデルだけに採用されるものではありません。
「SMARTCOBY ULTRA SLIM SS5K」は、容量5,000mAhながら半個体系セルを採用し、6.88mmの超薄型設計で携帯性重視のモデルです。堅牢なステンレスボディを採用し、カラーは2色用意しています。発売は2026年9月頃で価格は8,980円(税込)。

もう1機種の「Mate Powerbank005」は、CIO Mateシリーズ初となる半固体系セルを採用した5,000mAhモデルです。マグネットワイヤレス充電にも対応し、6色のカラーバリエーションを展開。価格は4,980円(税込)と比較的手頃で、発売は2026年秋頃を予定しています。

両モデルとも、SMARTCOBY Ex06のようなディスプレイ表示は備えないものの、安全性を重視した設計思想を共有しており、スマートフォンアプリを通じてバッテリーの健康状態を簡易的に把握できます。


モバイルバッテリーは容量や充電速度だけでなく、「いつ買い替えるべきか」まで可視化する時代へ入りつつあります。NovaCore C3という新しい考え方が、今後のモバイルバッテリー選びの新たな基準になるかもしれません。
