【PLOTTER斎藤氏に聞く】システム手帳を「思考の母艦」にするデジアナ・ハイブリッド仕事術

ink_pen 2026/7/21
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【PLOTTER斎藤氏に聞く】システム手帳を「思考の母艦」にするデジアナ・ハイブリッド仕事術
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

デジタル全盛時代において、普遍的な手書きの魅力を伝え続けるクリエイティブツールブランド「PLOTTER」。その作り手はデジアナ時代の荒波をいかに泳いでいるのか? そこには「PLOTTER」製品を中心に、“衛星的に”デジタルツールを用いるハイブリッドワークスタイルがあった。

デザインフィル「PLOTTER」ブランドディレクター
斎藤崇之さん

中央大学卒業後アパレルメーカーに就職。その後デザインフィルにてシステム手帳「KNOX」の担当となり2017年「PLOTTER」を始動。

まず手を動かす。仕事の出発地点は今もアナログ

システム手帳さながらに仕事術をデジアナ編集

「私は基本アナログ人間で、ツールとしてデジタルを活用するスタイルです」。そう前置きをして話し始めたのは、先ごろ「PLOTTER」初の拠点、「PLOTTER TOKYO」をオープンさせた担当ディレクター、斎藤崇之さんだ。

「ショップをオープンしたことでその潜在的ニーズを痛感させられました。というのも『PLOTTER』は比較的単価の高い製品。実際に見て触れたい、説明を聞いて選びたいという人が多かったのですが、今まですべてを一覧できる場所がなかったんです」

↑今回の取材は、東京・原宿にある「PLOTTER」の旗艦店「PLOTTER TOKYO」で実施。ショップの2階には、斎藤さんのデスクを再現した空間が広がっている。いかにもアナログ感たっぷりの道具と工具が並ぶ。

 うれしい半面、店舗マネージングまで課された斎藤さんの業務には、能率化、効率化が欠かせない。

「あえて行っているのは、5~10分の休憩をとること。逆説的ですが、休憩が頭の回転を上げ、だらだら区切りなくやるよりも結果として効率化できていると思います。資料作りやSNS投稿などを行う際も、スマホでアラームをかければ『時間通りに終えよう』という意思が働き、集中できます」

これは時間をこまめに区切って効率化を図る、ポモドーロテクニックの活用ともいえる。むろん、仕事道具としてのアナログ&デジタルにもこだわる。

「時間管理やメモ、クリエイティブ作業のすべてで活用しているツールが『PLOTTER』のA5サイズとミニ5サイズです。業務上のメインツールはA5で、日曜の夜に『Googleカレンダー』の1週間分の行動予定を書き写しています。このとき大切なのが、余白や矢印の長さで、予定のボリュームを可視化させることです」

↑「PLOTTER」のA5(右)とミニ5(左)を併用。中央はノートパッド型のリフィルと愛用ペンだ。

なるほどアクセルを踏むか、緩めるか、スケジュールを俯瞰して見るのだ。加えて興味深いのが、月間スケジュールにA4用紙を折りたたんで挟むその使用法である。

↑活用術で特徴的なのがA4プレーンノートを折り挟むこと。「挟んでおけば課題を忘れません。A4は広々使えて思考するときに最適なサイズです」

「何気ないメモや議事録、ToDoなどをざっと記すのですが、こういうメモってデジタルでフォルダにまとめてしまうと、二度と見ない。そして見つけたときには解決している(笑)。だから課題や問題が現在進行形である間は、スケジュールページの間に挟み続けています。そうすれば常に目に入るし、アイデアを積み増したり、再考したりするきっかけにもなります」

これぞ、ページを自在に編集できる“システム手帳ならでは”のトリガー的活用法である。

↑付箋も活用するが面白いのはそのサイズがスクエアである点。「スクエアはポップアートの旗手アンディー・ウォーホルも多用していた形で、タテ・ヨコ関係なく使えてクリエイションを刺激します」

「解決が長引くようなら、挟むページの位置を翌月に移動させればいいですからね。そしてミニ5は、メモ兼小物ケースとして常に持ち歩きます。ひらめきも、つまらないこともその場で書いて、断片的なメモの中から選り抜いた項目だけをA5に書き写すんです。一見手間のようにみえますが頭の中が整理されるので、2冊使いはオススメですよ。デジタルツールについては、アナログ派の僕も最近はAIの洗礼を受けていて、『Gemini』でよく壁打ちしています。『PLOTTER』の公式サイトのURLを読み込ませて『斎藤ってディレクターがこんなことやりたいと思ってるみたいなんだけど、どう思う?』なんて尋ねることも。彼らは基本的に否定をしてこないYESマンだから最後はつまらなくなって会話を終えるのですが、その半面『……ということはやはり、自分の考えは正しかったのかも』と思えてくるので、前向きに使うようにしています」

↑「手直しは必要ですがAIは有効な選択肢」。「NotebookLM」で資料等のたたき台を作ることも。

ものすごくポジティブな独り上手である。メンタルケアも仕事のひとつであると考えると、仕事における新たなAIの活用法だろう。

「効率化の面でもAIは欠かせません。例えば企画書など、従来はそれこそ一日がかりの仕事であっても、要素を与えて体裁を指示すればあっという間に仕上げてくれます。もちろん手直しは必要ですが、AIの活用で日常業務の効率アップはできています。半面、同じ要素と指示を与えれば誰にでも同じものが作れるので、今後は使いこなしがより重要になりますね」

斎藤さんは学びに貪欲な人である。趣味のカリグラフィーやギターの練習は日々欠かさないし、50の手習いで英語学習にも精を出す。そして能率化、効率化のためには“アナログ×デジタルツール+AI”も積極的に楽しむ。そんな斎藤流ハイブリッドワークスタイルからは、こだわり派の本誌読者も“得るところ大”ではないだろうか。

↑創造性を刺激するカリグラフィーは斎藤的アナログ趣味の極致で1日30語の日記を自らに課す。その腕前はショップのディスプレイにも。
↑斎藤さんの自宅にある実際のデスクスペース。「PLOTTER TOKYO」同様に、壁はアイデアボードとして活用している。デスクの上には皮のサンプルがズラリ。

より良く働くためのMy Work Tips

Q.集中したいときは何をする?
A.YouTubeで「シンギングボール」(※)の音を流しています。本当は好きな音楽を流したいのですが、それをすると曲に意識がもっていかれてしまので。集中できるのでおすすめです!

※:チベットの民族楽器

Q.行き詰まったときの気分転換方法は?
A.お香を炊いたり、スクワットや以前習っていた空手の型を少しやったり。趣味のギターやカリグラフィーは没入しちゃうので避けています。

↑アポテーケ フレグランスのレザー調の香り「Tanner」を愛用。

Q.スケジュールは何で管理している?
A.Googleカレンダーとシステム手帳(PLOTTER)

Q.仕事にまつわる情報収集どうしてる?
A.ビジネス知識は、「PIVOT」や「GLOBIS」など映像メディアのYouTube。クリエーションのヒントは、書店巡りや出張先での裏路地探索など。

Q.仕事のスイッチをオン/オフするためのルーティンは?
A.通勤時間のおよそ1時間を英語のリスニングに使っていて、これが行きはオフからオン、帰りはオンからオフへの切り替えになっています。

※「GetNavi」2026年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

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