乗り物
クルマ
2023/10/8 19:00

ホンダ新型「アコード」の魅力を解説! 先進的で斬新な機能が満載

ホンダ「アコード」が、11代目として日本でも2024年春に発売されることが明らかになりました。アコードは1976年に初代が登場したホンダのミッドサイズセダンです。以来、その活躍の場は海外にまで広がり、今やアコードは同社の世界戦略車種として揺るぎない地位を獲得するまでになりました。今回は事前撮影会でキャッチした新型アコードの魅力についてレポートします。

↑北米に続いて、2024年春、日本市場にも投入されることが決まった11代目新型アコード

 

Google ビルトインのインフォテイメントなど先進技術を満載

今回導入されることになった新型は、初代から一貫して持ち続けてきた「人と時代に調和したクルマ」の思想を踏襲。それでいて新開発の2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジンと高出力モーターを組み合わせた新開発2モーター式ハイブリッドシステムで、スムーズで上質な走りを実現。そのうえでDセグメントにふさわしい高品質なインテリアと、最新のコネクティビティや最新の安全技術を装備した“新世代のミドルサイズセダン”としています。

 

なかでも注目すべきは、日本のホンダ車として初めてコネクテッドサービスに「Google ビルトイン」を搭載したことと、ホンダが開発を進めてきた最先端の安全技術「HondaSENSING 360」を初採用したことです。

↑日本車として初めてコネクテッドサービスに「Google ビルトイン」を搭載。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応する

 

Google ビルトインは、OSにAndroidを採用したもので、アコードのダッシュボード上に設置されたインフォテイメントシステムに組み込まれています。ディスプレイは12.3インチとホンダ車としては最大クラスのサイズ。スマホやタブレットのようにタッチ操作ができるほか、Google アシスタントの音声コマンドを活用してGoogle マップで目的地設定、残燃料や走行距離の確認やエアコンの温度調節などが可能となっています。

 

【Google ビルトインを画像でチェック】(画像をタップすると閲覧できます)

 

この機能で見逃せないのは、スマホなどで使っているGoogle アカウントでログインできることにあります。これにより、車内で使えるGoogle アシスタントやGoogle マップ、Google Playのほか、最新のアプリなどがひとつのGoogle アカウントの下でシームレスに利用できるようになるのです。たとえば、スマホで管理していたスケジュールや住所などがアコードのインフォテイメントシステムでも反映されるようになり、過去に検索した目的地履歴も反映可能。この便利さは一度使ってみればすぐにわかります。

 

国内初採用となる先進運転支援システムのHondaSENSING 360は、約100度の有効水平画角を持つフロントセンサーカメラと、計5台のミリ波レーダーを組み合わせることで、360度の車両監視が可能になるというものです。なかでも従来のHonda SENSINGの機能に加えて、前方交差車両警報、車線変更時衝突抑制機能、車線変更支援機能もサポートすることになったのは新たなプラス。これがより安心・安全な運転環境が提供されることにつながるわけです。

 

また、ホンダは新型アコードのHondaSENSING 360において、2025年にもドライバーの異常や周辺の環境を的確に検知することで、事故リスクを低減し、さらにハンズオフでの走行が可能になる機能も追加することを予定しています。今後のHondaSENSING 360の進化にも期待したいですね。

 

ロー&ワイドなプロポーションと斬新さあふれる新機能に注目!

さて、新型アコードを前にすると、ロー&ワイドなプロポーションで構成されていることが一目でわかります。メッシュ調のフロントグリルを軸にフルLED化した薄型フロントヘッドライトと、横一文字のリアコンビネーションランプで前後共にワイドな印象を強調。加えて、リア方向の流麗で洗練されたファストバックスタイリングが走りに対する力強さをしっかりと伝えてきます。

↑ロー&ワイドなプロポーションが印象的な新型アコード。リア方向の流麗で洗練されたファストバックタイリングが力強い走りを伝えてくる

 

インテリアは、最近のホンダに多い水平基調のデザインの中に統一感のあるコーディネイトを採用したプレーンな印象。これが開放的でノイズの少ない、優れた前方視界を確保しています。手に触れる部分にはソフト素材をふんだんに採用しており、触感からして上質さをしっかりと伝えてきます。また、クラストップレベルの広さを持つ車内空間は、大人4人(定員は5名)がゆったりとくつろいで移動できる十分な広さとなっていました。

 

【インテリアを画像でチェック】(画像をタップすると閲覧できます)

 

車内のLED照明にもこだわりを見せています。それはインパネラインやドアラインなどに施された、色の好みや室内温度などを総合的に判断して“光”で演出するマルチカラーのアンビエントライトです。7色のLEDカラーが用途に応じて自動的に変化するというもので、その光はユーザーが好みに応じて選ぶことも可能。ドア開閉やエアコンの温度調節、音声認識の発話と連動するほか、SPORTモードに切り替えたときには専用カラーへ切り替わってスポーティさを演出します。ややギミック的な印象はぬぐえませんが、使ってみればその変化に意外な楽しさを感じたのも確かです。

↑インパネラインやドアラインなどには“光”で演出するマルチカラーのアンビエントライトを採用

 

使い勝手を高める機能としては「エクスペリエンスセレクションダイヤル」の採用に注目です。車内環境のスマートな操作体験を提供するために考案されたもので、ダイヤルを回してプッシュすることで、使いたい機能をあっという間に選択できる機能です。使いたいスイッチがどこにあったか探す必要なんて一切ないため、車内には従来なら装備されていたハードスイッチ類はほとんど見当たりません。これがインテリアによりスッキリとした印象を導き出すことにもつながったと言えるでしょう。

↑使い勝手を高める「エクスペリエンスセレクションダイヤル」を採用。時計はアナログ/デジタルが選択できる

 

しかも、このダイヤルの中央には時計が表示され、アナログ/デジタル式が選択できるほか、背景には好みの動く模様を設定することも可能となっています。スマホのように、ここに家族の写真とか好みの画像に入れ替えられたらきっと喜ばれるでしょうね。ちなみに、この機能はアジア向けアコードのみに搭載される専用機能とのこと。先行で発表された北米仕様には搭載されていないそうです。

 

事実上のホンダ車のフラッグシップ。新エンジンの走りが楽しみ!

今回はあくまで事前撮影会ということで試乗はできていません。伝え聞くところでは、第4世代2モーターハイブリッドシステムによる走りのパフォーマンスは、相当に期待が持てるとのこと。洗練されたデザインと上質なインテリア、デジタル時代にふさわしいインフォテイメントシステム、最先端の運転支援システムなど、その内容はこれまでの国産セダンにありがちな地味なイメージが払拭される可能性大です。

 

価格は「600万円クラスになりそう」とのことでしたが、車両価格が高くなっている今となってはそれも仕方ないのかもしれません。いずれにしても新型アコードは、日本で販売されるホンダ車にとって事実上のフラッグシップとなります。どんな走りを見せてくれるのか、来年の春の登場が今から待ち遠しいですね。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)