ファッション
2022/10/7 20:40

2022-2023秋冬「リップメイク」とマスクで落ちにくいコツをプロが解説

マスク姿が当たり前になった2020年以降、アイメイクが重視され、リップメイクはオフが常識となりました。でもやっぱり、リップメイクも楽しみたい———反動と、マスクプルーフのリップやリップが付着しにくい立体型マスクが登場したこともあり、いまマスクの下でリップを楽しむ人が増えています。

 

そして「屋外では条件次第でマスクを外しても良い」という政府の発表を受け、いよいよ“フルメイク回帰”が起きている模様。そこで、リップメイクの押さえるべきコツと今シーズンのトレンドについて、資生堂ヘアメイクアップアーティストの西森由貴さんに聞きました。

 

コロナ禍以降、メイクトレンドはどう移り変わった?

ヘア&メイクのトレンド情報分析を得意とする西森さんは、定期的に10代後半~70代までのメイクを楽しむ女性へのヒアリング調査や雑誌、コレクションから、時代が求めているニーズをキャッチしているといいます。マスク生活になって以降、メイクトレンドはどのように移り変わったのでしょうか?

 

・2021年春夏シーズン

「甘さのあるかわいらしいメイクが流行りました。ピンク系のやわらかい色味のアイメイクを、ふわっとぼかす感じです。マスク生活になったこともあり、目元を強調したくなる心理から、アイラインもマスカラも力を入れすぎてしまう傾向だったので、いかに引き算して抜け感を出すかがポイントでした」(資生堂ヘアメイクアップアーティスト・西森由貴さん、以下同)

 

・2021/2022年秋冬シーズン

「目元にラメを足すことで、かわいらしさから華やかさへと移行していきます。2021年はコロナ禍のマスク生活がすっかり定着したことで、リップの売れ行きが低迷した一方、雑誌では、気持ちを高揚させるアイテムとしてリップメイクの特集が増えました」

 

・2022年春夏シーズン

「甘さや抜け感、軽やかさというよりも、キリッとした女性像へとシフトしました。目元のアイラインにポイントを置いて、メイクでかっこいい印象に仕上げる傾向に」

 

2022/2023年秋冬シーズンのコンセプトは“同性があこがれる、かっこいい女性”

「今シーズンは、マスクの有無に関わらず、リップもチークも含めたフルメイクをプランニングすることに回帰していきそうです。カラーアイテムは、ほんのり足して肌なじみのよい雰囲気を演出。血色を出しながら、女性があこがれるかっこいい女性『ガールクラッシュ』へのニーズが求められています。媚びない力強さや、同性が見惚れる魅力がキーワードです」

 

ポイントを強調するのは、もう古い!?コロナ前と今シーズンのリップメイクはどう変わる?

フルメイクが当たり前だった2020年以前と、フルメイク回帰の2022年は、そのこだわり方に大きな違いがあるそう。

 

「2020年以前は、赤リップで口元を強調して目元はシンプルにする、逆に、目元を強調して口元はヌーディにするというような、ワンポイントを強調しつつ、全体でバランスを調整する傾向が好まれていました。

それが今シーズンは、すべてのパーツで“肌なじみ感”を大切にするのが特徴です。リップで言えば、輪郭をしっかりと描いて境目を作るのではなく、ナチュラルな色味が自然になじんでいるように仕上げていきます。全体の色味も肌との相性を見ていき、その人が持つ顔の雰囲気やパーツの魅力を引き出すように仕上げていくイメージです。

以前はまつ毛のボリュームアップとカールの強調がブームでしたが、今期は韓国メイクの影響もあり単純に濃さで際立たせるのではなく、自然なカールや長さなど、本来のまつ毛を生かして仕上げるのがトレンドです」

 

カラーや質感はなにが正解?最新のリップトレンド

なじみ感や血色感が最新トレンドというメイク。では、リップはどんな色味を選べばいいのでしょうか?

 

「数年前から、パーソナルカラー診断で自分の肌の色の傾向やどんな色が似合うのかを知ることができるようになりました。それにより、自分がイエベ(イエローベース)なのか、ブルベ(ブルーベース)なのか判断した上で、肌や唇の色味が映えるカラーのリップを選ぶ傾向が好まれるように。

今期は青みピンク系のリップが人気で、自分の肌の色の特徴を知りつつ、好きなカラーのリップ選ぶのがトレンドです。ちなみに青みピンク系とは、ローズやチェリーピンク、マゼンダなど、ほんのりと青みを感じる色合いのことで、顔の透明感のアップにも役立ってくれます」

 

・見た目以上に肌なじみがいい、淡いローズピンクリップ

SHISEIDO メーキャップ カラージェル リップバーム 104」3850円(税込)

「一見、ピンク味が強そうに感じますが、つけてみると肌なじみのよいタイプ。唇の色味が強い方は、ファンデーションで軽く元の唇の色味を抑えた上から塗ると、よりナチュラルな印象に」

 

温かみと艶をプラス血色感を引き出すティントリップ

マキアージュ ドラマティックリップティント BE203」2530円(税込)

「血色感のあるベージュで唇の色味を引き立てます。艶が出るティントタイプで乾燥せずに色持ちが良いのも魅力です」

 

大人女性のこなれ感に。秋冬カラーの赤みブラウン系リップ

クレ・ド・ポーボーテ ルージュアレーブル 22」6600円(税込)

「唇の色になじみつつも、しっかりと発色する赤みのあるブラウン系のリップ。大人の女性の血色アップにおすすめです。グロスタイプのリップを重ねて艶感をアップすれば、今季らしさがアップします」

 

洗練されたうるおいを満たすリップグロス

クレ・ド・ポーボーテ ブリアンアレーブルエクラ 2」4400円(税込)

「肌なじみの良いカラー。艶感が出て華やかな印象に。上の『クレ・ド・ポーボーテ ルージュレーブル 22』を軽くテイッシュオフしてから、重ね付けすると大人の洗練された唇が演出できます」

リップメイクからすっかり遠ざかっていた人も多いはず。リップメイクの手順やマスクに付着させないコツなど、プロのノウハウを教えていただきましょう。

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