Safariの進化で推し活も買い物もはかどる? Apple Intelligenceが示す方向性とは

ink_pen 2026/6/15
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Safariの進化で推し活も買い物もはかどる? Apple Intelligenceが示す方向性とは
弓月ひろみ
ゆずきひろみ
弓月ひろみ

テックライフキュレーター。ガジェット、AI、スマートフォン、Apple製品など、テクノロジーを生活者目線でわかりやすく紹介する。YouTube/Podcast「Gadgetouch」では最新ガジェットやデジタルライフに関する情報を発信。国内外のテックイベント取材も行い、製品やサービスが暮らしに与える変化を伝えている。

Appleが毎年開催している、iPhoneやMac、iPadなどの新機能を発表する開発者向けイベント、WWDC26を取材してきた。そこで発表されたApple Intelligenceの新機能の中で、日常のWeb体験に直結しそうなのがSafariの進化だ。

特に注目したいのが、Webページの変化をユーザーに知らせる「Notify Me」機能。これは単なる通知機能ではなく、「見逃したくない更新」をSafariが代わりに見張ってくれる仕組みだ。

↑現地でのデモンストレーション。アイスクリームのフレーバー新作が追加されたら通知がくる仕組みを見せてもらった(写真: g.O.R.i

推し活も買い物もはかどる! 自分用の通知機能

Apple Intelligenceは、専用のAIアプリとしてではなく、iPhoneやMac、Safariなど、日常的に使うアプリの中に組み込まれていく存在だ。今回のSafari新機能は、その方向性がわかりやすく表れた例かもしれない。

注目は、指定したWebページの変化をチェックし、ユーザーに通知するNotify Me(通知を受け取る)だ。これまでWebサイトの更新情報は、企業のプレスリリースや公式SNS、LINE通知など、発信側が用意した手段で知るか、あるいはユーザー自身が何度もページを見に行く必要があった。Notify Meは、その関係を少し変える機能だ。

↑WWDC26で発表されたSafariのNotify Me

たとえば、「スターバックスの新作フラペチーノが出たら教えて」「お気に入りブランドの新作が再入荷したら教えて」「この製品が値下がりしたら教えて」とSafariに頼んでおく。するとSafariがそのページの変化をチェックし、更新があったタイミングで知らせてくれる。

↑チェックしたいページに変更があった場合、Notify Meが知らせてくれるデモ画像

つまり、これまでユーザーが毎日見に行っていたページを、Safariが代わりに確認してくれるイメージだ。

これを聞いて、筆者がすぐに思い浮かんだのは“推し活”との相性の良さだった。推しの公式サイト、グッズ販売ページ、チケット情報、コラボカフェ、イベント募集など、推し活には「更新を見逃したくない情報」が多い。Notify Meは、そうしたページの変化を自分専用に知らせてくれる「マイ通知」として活躍してくれるのではないか。

SNSのタイムラインに流れてくるのを待つのではなく、自分が見たいページをSafariに見張ってもらう感覚だ。

“こうしたい”を伝えるだけで作れる拡張機能

あわせて紹介されたのが、Safariをもっと便利にする「拡張機能」に関するアップデートだ。拡張機能は、Safariに“ちょい足し”できる小さな機能のこと。たとえばWebページを読みやすくしたり、気になる情報を保存したり、買い物や調べものをしやすくしたりできる。ただ、これまでは便利そうな拡張機能を自分で探して、追加する必要があった。

今回の新機能では、そこにApple Intelligenceが入ってくる。「比較している家電の公式サイトに、欲しい機能の優先度をつけたい」「ライブ遠征用に見ているホテルを、会場から近い順に整理したい」といった、“こうできたら便利なのに”を言葉でSafariに伝えると、まずそれに近いアプリや拡張機能を提案してくれる。

ぴったりのものがなければ、Apple Intelligenceがそれを実現するためのツールを作ってくれる。筆者が現地で見たデモでも、ユーザーの要望に合わせて機能が作成される様子が紹介されていた。つまり、拡張機能は“探して入れる”ものから、“ほしい機能を用意してもらう”ものへと変わっていくのだ。

↑友人に話しかけるように、解決したいことを伝えると、拡張機能を生成してくれる。デモも非常にスムーズだった(写真: g.O.R.i

Safariは“見るブラウザー”から“働くブラウザー”へ

これまでのブラウザーは、ユーザーが検索し、ページを開き、自分で情報を確認するためのものだった。今後は、Safariがページ上の情報や変化を読み取り、必要に応じて知らせたり、場合によっては機能を追加したりする存在へと近づいていく。Webを見るためのブラウザーから、自分の代わりに情報を追いかけてくれる“働くブラウザー”へと変わっていくイメージだ。

また、Safariがページの内容や変化をより深く理解するようになれば、Webサイト側も「何が新しくなったのか」「どの情報が重要なのか」がAIに伝わりやすい設計を意識する必要が出てくるかもしれない。

すでに、人が読むWebだけでなく、AIにも読まれるWebへ対応する考え方として、AIEO(AI Engine Optimization)という言葉も使われ始めている。こうした流れは、今回のSafariの進化によって、さらに加速していく可能性がありそうだ。

これらの機能は、英語版が今年の秋に対応し、それ以降は順次公開されるという。日本語で使えるようになるまでは、もう少し期待して待つことになりそうだ。一方で、筆者が現地でApple Intelligenceのベータ版を使用したところ、日本語でも一部、すでに動作していた。AIの内部ではすでに利用できる状態になっているのかもしれないが、正式なリリースはまだ先ということだろう。

Apple Intelligenceの方向性を示すSafari

Apple Intelligenceは、AIを特別なアプリの中に閉じ込めるのではなく、毎日使うアプリに溶け込ませていく。Safariの新機能は、その方向性を象徴する機能のひとつだ。推し活、買い物、旅行、イベント情報など、日常の「見逃したくない」をSafariが支えるようになる。WWDC26で見えたのは、AIがWeb体験を少しずつ“自分専用”に変えていく未来だった。

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