「オトコには関係ない」は過去の常識!オトコの更年期入門

ink_pen 2026/6/13
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「オトコには関係ない」は過去の常識!オトコの更年期入門
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

「更年期障害」は女性だけのものだと思っていないだろうか。実は男性にも更年期障害はあり、近年注目され始めている。そんな男性更年期障害について、専門医に詳しく聞いた。

【教えて!先生】
イーヘルスクリニック新宿院・天野方一先生
埼玉医科大学を卒業後、多くの病院に勤務し研鑽を積む。ハーバード公衆衛生大学院に留学後、2022年東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開設。日本医師会認定産業医などの資格を持つ。

Q.男性も更年期障害は発症する?
A.はい。男性ホルモンの減少が主な要因です

更年期障害は男女を問わず、ホルモンの低下によって引き起こされる。男性の場合は男性ホルモンの低下が要因だ。ホルモンの分泌は20代がピークで、それ以降は加齢と共に減少していく。個人差はあるものの、男性ホルモンの低下は誰にでも起こることだ。

“男性ホルモン”は通称で、正式には主に精巣で分泌される「テストステロン」を指す。テストステロンには筋肉や骨、性機能の強化、そしてやる気を向上させるなどの役割があり、このテストステロンが急激に低下してくると、男性更年期障害の症状となって、カラダ、ココロ、性的面で表れるのだ。

■主な原因は男性ホルモン(テストステロン)の減少

↑年代ごとの性ホルモン分泌量のグラフ。女性のほうが極端な降下を見せるものの、男性でも徐々にホルモン分泌量が下がっていくのがわかる。

Q.男性更年期障害は新しい病気?
A.注目され始めたのが最近で、昔から存在します

男性更年期障害が本格的に注目されるようになったのは、一般的には過去数年、医学界でもここ10年ほどのことだ。ただし、新しく生まれた病気ではなく、人種による発症例の違いもない。

本当は男性更年期障害だったにも関わらず別の病気と診断されていたケースがほとんどで、数多くの症例と研究により、男性更年期障害と診断されるようになった。

それまで、中年男性で怒りっぽい人は「そういう性格の人」と判断されていたのだが、実は男性更年期障害に起因していた可能性は高く、現代では治療も行える。

Q.どんな症状が表れる?
A.カラダ、ココロ、性的面で表れます

気になる男性更年期障害の症状だが、大まかに分けると3つのエリアで表れる。それぞれの症状は下のカコミで解説するが、いずれかに思い当たるフシがある人は、自分だけで判断せずに専門医の診察を受けることをオススメする。

もちろん、男性更年期障害に起因した症状ではない可能性もあるが、それを判断するのはプロに任せるのが正解。別の病気であっても適切な治療を受けられる。

↑男性更年期障害に対する意識を調査した結果のグラフ。当事者となる40代以上の認知度が高いものの、「よく知っている」と答えた人の数は少ない。出典:イーヘルスクリニック新宿院

カラダの症状

まず表れるのは疲れやすさ。加齢によって体力が落ち、それが原因で疲れやすくなったと考えがちだが、実際には男性更年期障害の可能性もある。つまり「最近忙しいから疲れやすい」というのを疑ってみる価値はある。以前に比べて太りやすくなった場合も、男性更年期障害のサインかもしれない。

ココロの症状

なかなか判断が難しいのがメンタル面での症状だ。以前はそうでもなかったのに、最近はちょっとしたことで落ち込んでしまうという人は要注意。原因はストレスではなくホルモン低下ということも。反対に怒りやすくなった場合も同様で、これもまた男性更年期障害の症状のひとつといえる。

性的面の症状

こちらもまた重要なのが性的な症状。男性ホルモンが低下すると性欲が減退し、機能面でも問題が出てくる。いわゆるEDも男性更年期障害の症状のひとつであり、男性機能の低下が自身の尊厳の低下につながった場合はメンタル面での問題にもなる。EDも男性更年期障害の治療で治ることは多い。

Q.何歳頃から発症が増える?
A.40代以上が多いです

グラフに記されているように、男性のホルモン低下は女性に比べて徐々に進行する。そのため、男性更年期障害の発症年齢は個人差が大きいという傾向がある。逆にいえば、一定以上の年齢になればいつでも起こり得るのが男性更年期障害なのだ。

それが40代と言われていて、実際に発症例も増加する。本誌読者のなかで自覚症状がない人でも、やがて発症する可能性があることを忘れないでほしい。次ページに掲載するAMSスコアチェックも、男性更年期障害発症の目安として利用できる。

↑男性更年期障害の自覚症状の調査結果。30代から段階的に増え始め、半数を大きく超えるのが40代。実際にこの年代で発症する例も多く、該当する年代の人は注意が必要だ。出典:イーヘルスクリニック新宿院

Q.男女の更年期障害に違いはある?
A.本質的な違いはありません

更年期障害はホルモン低下によって引き起こされる病気で、女性は女性ホルモン、男性は男性ホルモンの低下という違いはあるものの、本質的には同じ病気と考えて差し支えない。ただし、ホルモンが低下する早さには男女の違いがあり、女性のほうが顕著に発症しやすい。男性更年期障害がこれまで注目されなかったのはそのため。

Q.治る病気なの?
A.適切な治療で治せます

男性更年期障害が病気のひとつとして認知された現在、専門医による適切な療法によって男性更年期障害は治療・改善が可能だ。今回監修していただいた天野先生によれば、うつに近い状態で来院した患者さんが、半年間の治療で見違えるように元気になった症例もあるという。

AMSスコア(男性更年期障害質問票)

それぞれの答えに対して、症状がない場合は1点、非常に重い場合5点というように症状の重さに合わせて、1~5点の点数をつけます。17項目の合計点で書状の程度を把握します。

■評価の程度(評価基準)
50点以上:重度
37〜49点:中等度
27〜36点:軽度
26点以下:正常

中等度以上の人は外来診療を受診することが勧められている。

出典: 日本泌尿器科学会/日本Men’s Health医学会「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会「加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き」

※「GetNavi」2026年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

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