デジタルデバイスでもアナログペンの書き心地で使う。カラー化で表現の幅がグンと広がる「電子ペーパー端末」

デジタルデバイスでもアナログペンの書き心地で使う。カラー化で表現の幅がグンと広がる「電子ペーパー端末」
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

液晶タブレットのようで、実は特性がまったく異なる「電子ペーパー」。最近はカラー対応のモデルが普及し、さらに用途が広がって再び注目を集めている。

書きやすさと読みやすさがカラー化で段違い!

「電子ペーパー端末」とは、タッチ操作に対応したディスプレイを備える機器の一種。その特徴は、液晶とは異なる電子ペーパー構造を採用している点にある。

電子ペーパーの強みは、「表示を書き換えるとき以外は電力を消費しない」こと。画面に変化がある部分だけが電力を消費するので、バッテリーの持ちがとても良い。

一方で、液晶タブレットのように常に表示が変わる動画再生には向かない。だが紙に書いているような書き味を実現している上、画面自体が発光しないため、目に優しいというメリットがある。

長らく白黒表示のみだったが、数年前に「カラー電子ペーパー端末」が登場。これによりカラー写真や色分けされた図表などの視認性が飛躍的に向上し、資料に赤字を書き込むなどの用途にも使えるようになった。

「白黒のみ」の弱点を解消した最新の電子ペーパー端末は、タブレット端末における新たな選択肢として存在感を増していくはずだ。

▶カラー電子ペーパーと液晶タブレットの違い

↑電子ペーパーは外光を反射し表示するため、液晶より低消費電力で目に優しい。一方、液晶タブレットはバックライトにより暗所でも鮮明だが、電力消費が激しく、長時間の使用では目が疲れやすいのが難点である。

▶カラー電子ペーパーの仕組み(Kaleido方式)

↑カラー電子ペーパーで使われることが多い「Kaleido」方式の仕組み。白黒の粒子が電圧により上下に移動し、RGBのカラーフィルターを通してカラーで表現する。反射型で目に優しいのが特徴だ。※図はE Inkの「Kaleido」方式の構造を参考にしたもの。

注目カラー電子ペーパー端末はコレ

【大画面派】超軽量・薄型電子ペーパーに8色のカラーパレットを追加

富士通クライアントコンピューティング
QUADERNO(クアデルノ)A4(Gen.3C)

7万9800円

カラーパレットを追加したE-ink 最新ディスプレイを採用し、「Wacomデジタイザ」を搭載した充電不要のスタイラスペンを付属。筆圧に応じて筆跡や太さが変わる筆圧感知機能で、紙とペンのようなリアルな筆記を実現する。

富士通
¥68,410 (2026/07/27 17:47時点 | Amazon調べ)

SPEC ●ディスプレイ:13.3型(A4相当)●解像度:1650×2200 ドット●階調:16 階調グレースケール:207dpi、4096色カラー103dpi●タッチパネル:静電容量方式指入力対応タッチパネル/電磁誘導方式デジタイザ対応(スタイラスペン)●サイズ/質量:W222.8×H301.1×D5.7mm/約368g

↑黒、赤、黄、緑、青、水色、ピンク、白の8色が選択可能。ペンツールパネル内のカラーパレットを切り替えればOKだ。
↑片方の手が「クアデルノ」の画面パネルに触っている状態でも、もう一方の手で筆記をすることができるのが便利だ。

【モバイル派】データ通信とGPSが利用可能な行動派にオススメなモデル

SKT
BOOX Palma 2 Pro

6万9800円

デュアルSIMスロットを搭載し、データ通信が可能なモデル。GPSアンテナを搭載しているので、自転車用ナビとしても活用できる。128GBのストレージを備え、MicroSDXCカードにより、最大で2TBまでの拡張に対応。

SPEC ●ディスプレイ:6.13インチHD Kaleido3●解像度:モノクロ 824×1648ドット300ppi、カラー 412×824ドット150ppi●タッチパネル:静電容量方式指入力対応タッチパネル●OS:Android 15、Google Play対応●サイズ/質量:W80×H159×D8.8mm/175g

↑デュアルスロットSIMを搭載し、データ通信が利用可能。TeamsやLINEなどでアプリ通話ができる。
↑GPSアンテナを搭載。Google Playから地図アプリをインストールすれば、ナビとして利用可能だ。カラーで見やすい。

見やすさは? 書き味は? その実力をチェックした

大画面のカラー電子ペーパーを、仕事場・移動中・外出先などで使用。資料閲覧やメモ書きなどに使って、使い勝手をチェックした。

【私がチェックしました!】

ガジェットライター・湯浅顕人さん

PC&AVとガジェットのライター。情報はデジタルで持っておきたいが、アイデア出しは手書きでしたいので、手書き認識タブレットが手放せないと感じている。

【チェックしたのはコレ!】

SKT
BOOX Note Air5 C
8万9800円

4096色カラーの電子ペーパー端末。ペンは筆圧や傾き検知に対応。ノートのあちこちに書いた文字の一括テキスト化や、「会議の録音と同期できる手書きメモ」など、標準アプリが充実。2TBまでのmicroSDカードに対応する。

BOOX
¥89,800 (2026/07/27 17:46時点 | Amazon調べ)

SPEC ●ディスプレイ:10.3インチHD Kaleido3●解像度:モノクロ 2480×1860ドット 300ppi、カラー 1240×930ドット 150ppi●タッチパネル:静電容量方式指入力対応タッチ+電磁誘導方式スタイラス●OS:Android 15、Google Play対応●サイズ/質量:W192×H225×D5.8mm/約440g

1.書類の見やすさ

写真も図表もカラー表示で見やすい

液晶のようなギラつき感がなく、まさに紙のようになめらかに見える。写真の多いウェブページや色分けされた図表も、カラーなので理解しやすい。読みながら、気になる部分の検索やコピペができるのは紙より便利。

2.電子ペーパーならではの書き味

「紙とペン」の使い心地に加えガジェットとしての機能もあり

ペンでの描画中は手のひらの接触が無視されるので、手を不自然に浮かすことなく描ける。雑に描いた線や◯△□などをきちんと直線に直してくれたり、文字をクシャクシャとなぞると消せたりする点などは、紙に描くより快適だ。

3.屋外(直射日光下)での見やすさ

明るい場所でも暗い場所でもはっきりと見やすい

有機ELや液晶では表示が見づらいほどの、まぶしい太陽のもとで使ってみた。まったく問題なく見やすく表示され、まさに紙を見ているよう。一方、内蔵フロントライトのおかげで真っ暗な場所でもしっかり見える。

4.バッテリーの持ち

数日間レベルの長持ちとバッテリー保護機能も

自宅では「放置しても画面がオフにならず情報を表示したまま」の設定にしていた。それでもバッテリーが数日間持つことには驚き。バッテリーの充放電寿命を延ばすため、80%で充電が自動停止する設定もありがたい。

5.Android OSのメリット

愛用しているアプリが使えて用途が圧倒的に広がる

マップやYouTubeといった定番アプリのほか、普段活用しているブラウザーやニュース、漫画、ChatGPTやGeminiのようなAIアプリなどを使えるのは非常に便利。別途タブレットを持つ必要がなくなると感じたほどだ。

チェックしてわかったこと

紙の快適さと紙を超える便利さ

とにかく目が疲れないのがありがたかった。PCがある自宅でも、電子書籍や漫画を読むときはわざわざBOOX Note Air5 Cを取り出して読むほどに。ちょっとした手書きメモがすぐテキストになるのも便利。タブレットと紙の“いいとこどり”のような機器だと感じた。

※「GetNavi」2026年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
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