違法E-BIKE問題や交通違反への取り締まり強化を背景に、いま“ちゃんとしたE-BIKE”への注目が高まっています。
そんななか、自動車ディーラー事業を母体とする株式会社MOBIPARKが新たに日本市場へ投入したのが、トルコ発のE-BIKEブランド「APE RYDER(エイプライダー)」です。2004年にトルコで設立したMJ GROUPが展開するブランドで、2023年に立ち上げられたAPE RYDERは、「誰でも自転車に乗る理由を提供する」ことをミッションに掲げています。
今回販売開始されたのは、「LORIS」「BABOON 」「COLOBUS」「JAMBO PRO」の4モデル。それぞれ異なるキャラクターを持ちながらも、モーターやバッテリー、コントローラー、ディスプレイなどは、日本国内の法規に適合させるため、MOBIPARKとサプライヤーが共同で仕様調整しています。そのため、48V500Wの大出力モーターは共通部品で、4車とも車両重量が35kgと同じなのは面白いところです。
実際に試乗してみると、同じ20×4.5インチタイヤを装着する、ファットタイヤ系E-BIKEでも、乗り味や用途はかなり異なっていました。
「LORIS(ロリス)」街乗りとの相性が高い軽快モデルで漕ぎやすいフラッグシップ

4車種のなかでもっとも扱いやすく実用性が高いのが、フラッグシップモデルでもある「LORIS」。ファットタイヤ特有の安定感を持ちながらも、ハンドリングは比較的軽快。見た目はボリューム感がありますが、実際に乗ると“重たいファットバイク”という感覚は薄く、アシストゼロでも走れます。
APE RYDERシリーズで唯一サドルの高さ調整もでき、折りたたみ式ながら剛性感もある乗り味でした。またぎやすいフレーム形状で、バッテリーをフレームに内蔵しているため、E-BIKEらしさを抑えたスマートな見た目なのも特徴。
ストップ&ゴーの多い市街地でも扱いやすく、E-BIKE初心者でも入りやすいモデルという印象です。デザインも比較的クセが少なく、ファッション感覚で取り入れやすいため、通勤や日常使いを重視する人に向いているでしょう。



【LORIS スペック】
最低シート高:860mm
車両重量:35kg
バッテリー容量:48V/14Ah(OKAWA製リチウムイオンバッテリー)
充電時間:約7.7時間
走行モード:3モードSPORT/NORMAL/ECO
航続可能距離(実走行テスト値・東京都有明近郊):約119km
変速機:SHIMANO 7速 MF-TZ500-7
ブレーキシステム:TEKTORO 油圧式 ⌀ 203mm
サスペンション:Fテレスコピック式/Rエアサス
ボディカラー:イエロー、シャイニング ブルー、オールドブルー、アントラシットグレー
価格(税込):398,000円
「BABOON(バブーン)」ガソリンタンクがあるバイクのような圧倒的な存在感

一方で、「いかにも最近流行りのファットタイヤ系E-BIKEらしいモデル」を求める人に刺さりそうなのが「BABOON」です。極太タイヤと無骨なフレームデザインによる存在感はかなり強烈。バッテリーをフレームの上にあえて設置することで、ガソリンタンクを備えているかのようなフォルムも斬新です。
街中でも強い存在感があり、ファッションアイテム感覚で乗れる1台です。見た目はワイルドな一方、実際に走らせると安定感が高く、見た目に反してハンドリングは素直で、扱いにくさは感じませんでした。



【BABOONスペック】
最低シート高:850mm
車両重量:35kg
バッテリー容量:48V/14Ah(OKAWA製リチウムイオンバッテリー)
充電時間:約7.9時間
走行モード:3モードSPORT/NORMAL/ECO
航続可能距離(予測値・同等スペックの他モデルの実走行値から算出):約100km
変速機:SHIMANO 7速 MF-TZ500-7
ブレーキシステム:TEKTORO 油圧式 ⌀ 203mm
サスペンション:Fテレスコピック式/Rコイルバネ
ボディカラー:マットブラック、デザート
価格(税込):348,000円
「COLOBUS(コロブス)」スクーターライクな乗車姿勢で乗り心地重視

今回試乗した中で、“乗り心地重視”という印象が強かったのが「COLOBUS」です。ファットタイヤに加え、サスペンションによる衝撃吸収性が高く、長時間乗っても疲れにくい印象。見た目は特定小型原付のような感じで、リラックスした姿勢で走行できます。
段差通過時の突き上げ感も比較的穏やかで、目的地へ急ぐというより、“移動時間そのものを楽しむ”タイプのE-BIKEという印象でした。
ブレーキはAPE RYDERシリーズで唯一のメカニカル式ディスクブレーキを採用。バッテリーサイズも10.4Ahとコンパクトです。
また、ファットタイヤ特有の接地感も強く、スピードを出さなくても独特の安心感があります。ガツガツ走るよりも休日の都市部を少し遠回りしたくなるようなモデルでした。

【COLOBUSスペック】
最低シート高:870mm
車両重量:35kg
バッテリー容量:48V/10.4Ah(OKAWA製リチウムイオンバッテリー)
充電時間:約5.5時間
走行モード:3モード(SPORT/NORMAL/ECO)
航続可能距離(実走行テスト値・東京都有明近郊):約84km
変速機:SHIMANO 7速 MF-TZ500-7
ブレーキシステム:メカニカル ⌀ 203mm
サスペンション:Fテレスコピック式/Rコイルバネ
ボディカラー:イエロー、アントラシットグレー、シルバー
価格(税込):328,000円
「JAMBO PRO(ジャンボ・プロ)」独特の積載性で見えてくる使い勝手の良さ

4モデルの中でも積載性の高さが印象的だったのが「JAMBO PRO」です。バッテリーをシート下に配置することで、電動感を抑えたデザインに仕上がっています。シートは固定式で、シート高は890mm。前方に向かって細くなる形状ではあるものの、シート高は高めで、小柄な人は足つき性を確認したほうがよさそうです。
「BABOON」と同じく、ペダル付近にカゴを標準装備。さらにフレーム上部にはメッシュのカゴがあり、ちょっとした小物入れになっているところもユニークです。
単なる“遊びのE-BIKE”ではなく、生活モビリティとして使うイメージが湧きやすいモデルです。


【JAMBO PROスペック】
最低シート高:890mm
車両重量:35kg
バッテリー容量:48V/12.75Ah(OKAWA製リチウムイオンバッテリー)
充電時間:約7時間
走行モード:3モードSPORT/NORMAL/ECO
航続可能距離(実走行テスト値・東京都有明近郊):約109km
変速機:SHIMANO 7速 MF-TZ500-7
ブレーキシステム:LOGAN油圧式 ⌀ 203mm
サスペンション:F無(リジット)/Rコイルバネ
ボディカラー:アントラシットグレー、ナルドグレー、ブラック
価格(税込):328,000円
同じファットタイヤ系E-BIKEでもキャラクターは大きく違う
今回試乗した4モデルは、いずれもファットタイヤを採用したE-BIKEですが、実際にはかなりキャラクターが分かれていました。
「LORIS」は街乗り向けの軽快モデル、「BABOON」はデザイン重視の王道ファット、「COLOBUS」は快適性重視のクルージングモデル、「JAMBO PRO」は積載性を重視した実用モデルという印象です。
昨今はスペック競争だけではなく、“どういうライフスタイルに合うか”で製品選びができるようになってきており、E-BIKE市場の成熟を感じさせます。
MOBIPARKが特徴的なのは、単なる輸入販売に留まっていない点です。同社では、パンクやバッテリー保証、提携事業者による全国出張修理、万が一に備えたロードサービスなど、アフターサポート体制の整備も進めています。東京銀座のギャラリーでは試乗もできるので、4車種を一気に乗り比べてみてはいかがでしょうか。