新型「マツダ CX-5 Gグレード」試乗。実用と快適を大きく引き上げた魅力ある1台

ink_pen 2026/8/5
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新型「マツダ CX-5 Gグレード」試乗。実用と快適を大きく引き上げた魅力ある1台
会田 肇
あいだはじめ
会田 肇

カーライフアドバイザー。カーナビやドライブレコーダーなど身近な車載ITグッズのレポートを行う他、最近はその発展系であるインフォテイメント系の執筆も増えている。海外で開かれるモーターショーや家電ショーにも足を運び、グローバルな視点でのレポートに役立てている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

マツダの主力SUV「CX-5」が約9年ぶりにフルモデルチェンジを受け、3代目へと進化しました。

今回はその中でも中核グレードとなる「G」(税込352万円~)に試乗。上級装備と価格のバランスに優れ、多くのユーザーが購入候補に挙げるであろうモデルです。今回はオプションをほとんど装備しない“素”の状態の「G」グレードを試乗しました。

↑試乗車はオプションをほとんど装備していない「G」

第一印象は「ひと回り大きく、堂々とした存在感」

実車を前にすると、従来型よりもひと回り大きく見えるボディが印象的です。ボンネットを高くし、フロントフェイスは水平基調を強めたことでSUVらしい力強さが増しました。一方で、マツダが2012年より採用してきた“魂動デザイン”の美しさはしっかり受け継がれており、過度な装飾に頼らない上質さを感じ取れます。

↑従来モデルの「魂動(こどう)デザイン」を継承
↑より堂々としたSUVらしい存在感を追求したデザインへと進化した
↑水平基調を強めたフロントフェイスはヘッドランプによってワイド感を強調し、力強さと上質感を両立している
↑サイドは滑らかな面構成を維持しつつ、前後フェンダーの張り出しを強調することで安定感を演出した

Gグレードでは19インチアルミホイールやシグネチャーLEDランプ、ルーフレールなどが標準装備され、ベースグレードと比べて引き締まった印象です。価格差以上に見栄えの違いを感じられる仕様となっているといえます。

インテリアはデジタル化を進めつつ、操作性も向上

運転席へ乗り込むと、最初に目を引くのは大型の12.9インチセンターディスプレイです。表示は鮮明でレスポンスもよく、ナビゲーションや車両設定などをスマートフォン感覚で操作できます。新しいユーザーインターフェイスは視認性に優れ、情報整理もわかりやすくなっていました。

↑インテリアは「人中心」の設計思想をさらに進化させ、上質感と使いやすさを高いレベルで両立。水平基調のダッシュボードによって視界の広がりを演出している
↑視認性と情報表示能力を大きく向上させたフルデジタルメーターを採用。高精細化で速度や回転数が見やすくなっているうえに、ヘッドアップディスプレイとの連携も果たしている
↑Gグレードには12.9インチの大型センターディスプレイインフォテインメントシステムを装備。ドアを開くとその状況をリアルタイムでCG表示するグラフィック機能も備えた
↑インフォテインメントシステムはOSをGoogle Automotiveとし、スマートフォンを接続することなくインストールしたアプリが使える
↑パイオニアのナビアプリ「COCCHi」をトンネル内で使用すると、GPS信号をロストしても案内を継続できた

Gグレードのシートは合成皮革とレガーヌを組み合わせたもので、十分に高級感がある質感を感じさせます。長時間座っていても疲れにくく、適度なホールド性も確保されていました。また、ベンチレーション機能こそ搭載しないものの、運転席にはメモリー機能付き10ウェイパワーシートを装備。ステアリングヒーターはもちろん備えられ、快適性は必要十分といっていいでしょう。

↑シートやドアトリムには質感の高い素材を採用し、ミドルクラスSUVとは思えないプレミアムな雰囲気を実現。運転席はパワーシートとしている
↑ホイールベースの拡大により後席の足元スペースも広がり、家族での長距離移動でも快適性が向上した

室内の広さも十分で前後席とも居住性が向上。ホイールベースの延長によって後席の膝まわりにも余裕が生まれたのもポイントです。荷室容量も拡大され、アウトドア用品や旅行用スーツケースが積み込みやすくなっているのも見逃せません。

↑ミドルグレードながらコンソールにはワイヤレス充電機能も備えた
↑ラゲッジスペースも容量が拡大され、開口部の使いやすさも改善
↑後部シートを倒すとかなり広く使える。日常の買い物からレジャーまで対応できる実用性を備えている

街中では扱いやすく自然な走り。ワインディングで際立つ「安心して曲がれる」感覚

走り出してまず感じるのは、アクセル操作に対するクルマの反応が非常に自然であることです。

↑新型CX-5は、従来型が培ってきた「走る歓び」を犠牲にすることなく、実用性や快適性を大きく引き上げたSUVに仕上がっている

搭載されるe-SKYACTIV G 2.5は派手な加速を見せるエンジンではありません。しかしアクセルを踏み込んだ力に応じてリニアに速度を乗せていくため、街中では非常に扱いやすく感じます。ハイブリッドらしいモーターアシストも違和感がなく、発進時や低速域では滑らかさが際立ちます。

6速ATも過度に多段化せず、必要なタイミングで自然に変速します。CVTにありがちなエンジン回転だけが先行する感覚はなく、アクセルワークに忠実なフィーリングはマツダらしい味付けといえるでしょう。

↑新開発の2.5L直列4気筒ガソリンエンジン e-SKYACTIV G 2.5を搭載。48Vマイルドハイブリッドシステム「M HYBRID」と組み合わせた

郊外のワインディングへ持ち込むと、新型CX-5の進化がさらによくわかります。

ステアリング操作に対する応答は穏やかであるうえに正確性が際立ち、車体の動きに不自然さがありません。コーナーでは外側へ膨らむ感覚が少なく、ドライバーが思ったラインを素直にトレースしていくのです。

サスペンションは市街地でこそ少しコツコツ感がありますが、従来よりもしなやかになり、路面からの入力を適度に吸収しています。それでいて車体の揺れはよく抑えられており、SUV特有の腰高感はほとんど感じることはありませんでした。

高速道路では静粛性が大幅に向上

一方、高速道路ではボディ剛性の高さと遮音性能の向上を実感します。

100km/h巡航時でも風切り音やロードノイズはよく抑えられ、会話やオーディオを楽しんでいてもそれを邪魔しません。エンジン回転も低く保たれており、室内は落ち着いた雰囲気のままです。

↑多段ATやCVTを採用する車種が増えているなか、CX-5はあえて6速ATによって「人馬一体」の走りを支える、ダイレクト感のある加速フィールと滑らかな変速を両立した

ロングドライブで重宝するACC(アダプティブクルーズコントロール)や車線維持支援も自然な制御で、長距離移動時の疲労軽減に大きく貢献します。従来型よりも「移動そのものの快適性」が一段高まった印象を受けました。

Gグレードだからこその価値

今回試乗したGグレードは、装備と価格のバランスが非常に優れています。

↑Gグレードには19インチアルミホイールが標準装備され、タイヤサイズは235/55R19を採用

ベースグレードとの差額は23万円ほどですが、19インチホイール、パワーリフトゲート、上質なシート表皮、LEDランプなどが追加され、装備面での満足度は大きく向上しています。一方で最上級グレードほど価格が上がらないため、「必要な装備を無理なく手に入れたい」というユーザーには最も魅力的な選択肢と言えるでしょう。

走り、快適性のすべてで“毎日乗りたくなるSUV”

新型CX-5は、従来型が培ってきた「走る歓び」を犠牲にすることなく、実用性や快適性を大きく引き上げたSUVです。スポーティさ一辺倒ではなく、家族全員が快適に過ごせる空間と、日常での扱いやすさを高いレベルで両立しているのが最大の魅力です。

そのなかでもGグレードは、新型CX-5の魅力を最もバランスよく味わえるモデル。上級装備による満足感と、手の届きやすい価格設定が絶妙で、「CX-5を選ぶならまず検討したい一台」といえそうです。

Gグレードには19インチアルミホイールを標準装備。市街地では段差の突き上げを抑え、高速道路ではフラットで落ち着いた乗り味を感じられる

試乗を終えて強く感じたのは、マツダが目指したのは単なる性能向上ではなく、「毎日乗りたくなるSUV」の実現だったということです。運転する楽しさ、同乗者の快適性、使い勝手、そして質感。そのすべてを高いレベルでまとめ上げた新型CX-5は、ミドルSUV市場の新たな基準となる存在になりそうです。

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写真/宮越孝政

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