東京ビッグサイトで開催された自転車の総合イベント「CYCLE MODE TOKYO 2026」。最新のE-BIKEやスポーツバイクが並ぶ会場で、折りたたみ自転車のようなスタイルなのに、ペダルがない「LIBEROTA(リベロータ)E-LIBER 01(イーリベルゼロワン)」というモビリティが展示されていました。ブランド名はラテン語で「自由になれるモビリティ」を意味するといいます。


見た目は小径のコンパクトな自転車そのものですが、法律上の分類は自転車ではなく「特例特定小型原動機付自転車(特例特定小型原付)」にあたります。都市部ではLUUPやLimeをはじめとする電動キックボードを見かける機会が増え、「これは歩道を走っていいのか」「自転車なのか原付なのか」と疑問を感じている人も少なくないでしょう。
E-LIBER 01の企画・設計・販売をしている株式会社クロスボーダーカルチャーによると、同社の出展には「電動アシスト自転車の上位互換として提案できると考えた。電動アシスト自転車が登場した30年前と比べてモーターもバッテリーも大幅に進化しており、もはやこぐ必要はなくなっている」という分析が背景にあります。
そもそも「特定小型原付」と「特例特定小型原付」は何が違うのか
2023年7月の改正道路交通法で新設されたのが「特定小型原動機付自転車(特定原付)」です。最高速度20km/h以下、定格出力600W以下などの条件を満たす電動モビリティがこれにあたり、ヘルメットは努力義務ですが、16歳以上であれば運転免許不要で公道を走行できます。ナンバープレートの取得と自賠責保険への加入は必要で、基本的な走行場所は車道・自転車道・普通自転車専用通行帯です。
ここからさらに一歩進んだのが「特例特定小型原動機付自転車(特例特定原付)」という区分。走行中に最高速度6km/hの歩道走行モードに切り替えられ、かつ歩道走行中であることを示す緑色のランプを点滅させるといった一定の条件を満たした車両に限り、普通自転車が通行できる歩道を通行することが認められます。「特定」と「特例」の差は、歩道を通行できるかどうかという一点に集約されます。
E-LIBER 01は、公式サイトでも車両区分として「特例特定小型原動機付自転車」と明記されており、国土交通省認定機関JATAによる性能等確認制度の審査もすでに通過しています(JATA-0158)。車道では最高20km/h、歩道では6km/hの専用モードに切り替えて走行できます。


ナンバープレートのないフル電動自転車で公道を走行することは違法です。また、ペダル付きフル電動車(いわゆるモペット)は原動機付自転車に分類されるため、公道走行にはナンバープレートや自賠責保険、運転免許などが必要です(一部例外を除く)。
前後サスペンション&16インチタイヤで乗り心地を意識した設計
会場でE-LIBER 01を見てまず目を引いたのが、フロントとリア両方に備わったサスペンションです。フロント・リアのサスペンションにサドルサスペンションを組み合わせることで、同社14インチサスペンションモデルと比較すると振動を約52%低減しているといいます。この数値は、同社近隣の凹凸の多い一般道で繰り返し走行テストを行い、その平均値を比較した結果とのこと。
フロントサスペンションはスプリング固定式で調整機構を持ちませんが、「これ以上はオーバースペックと考え、価格を抑えることを優先した」と説明している通り、価格は169,400円。今回は試乗の機会がなかったのですが、電動キックボードに多い小径タイヤにフロントサスペンションのショートスローク、リアサスペンションなしという構成と比べると、設計の方向性が大きく異なることは外観からも伝わってきます。

タイヤは16インチ(1.95インチ幅)で、一般的な電動キックボードより径が大きく、段差の衝撃を吸収しやすい設計になっています。電動キックボードが3cmの段差まで対応するのに対して、E-LIBER 01は6cmの段差まで越えられるとのことです。走行補助機能として、走行開始から約8秒でオートクルーズがオンになる仕組みも搭載しています。アクセルを回し続けなくても速度を維持でき、ブレーキを軽く握るだけでオフになります。登坂性能については、荷重65kgの条件で勾配23%まで対応する数値を示しています(条件により20%前後で速度が低下する場合もあり)。


折りたたんで輪行バッグへ。車に積んで観光地で使う選択肢も
携帯性も特徴の一つです。バッテリーを含む車両重量は約19kgで、折りたたみ時のサイズは長さ77cm×幅41cm×高さ69cmまでコンパクトになります(ハンドルのみ折りたたみ時は幅32cm)。専用のキャリーバッグ(税込8,800円)に収納すれば、電車や自家用車への積み込みにも対応できます。


同社が想定するメインの用途は「駅や学校・会社まで5km以内の毎日の移動」です。「車でレジャーに持っていくこともおすすめで、徒歩では行けなかった場所まで行けたり、車では気づけなかった景色に出合えたりする」とも話しています。シェアリング型の電動キックボードとは異なり、自分の一台として日常と非日常の両方で使えるモビリティという位置づけです。
充電は家庭用コンセント(AC100V)で行い、車体に直接つないで充電するか、バッテリーを取り外した状態で充電する2WAYに対応しています。充電時間は5〜6時間で、1回のフル充電にかかる電気代は約10円(1kWh=30円換算)。荷重65kg、気温5度前後での社内テスト(2025年2月)では、1回の充電で43km走行を記録しています。

現在は供給不足のため一部カラーで納期が異なり、マットブラック、ピュアホワイト、オリーブグリーンは7月末入荷予定、ハニーイエローとメタルシルバーは10月入荷予定となっています。サポート面では全国48カ所のアフターサービス拠点を整備しており、修理・メンテナンスへの対応のほか、一部店舗では購入・試乗も可能。保証は12カ月の自然故障保証(消耗品除く)が付きます。
サイクルモードという自転車の祭典に、ペダルのない特例特定小型原付が出展されていたこと自体、パーショナルモビリティの選択肢が急速に広がっている現状を象徴しています。E-LIBER 01のような着座型・自転車型のパッケージが今後どのように市場に浸透していくのか、引き続き注目したいところです。

【LIBEROTA E-LIBER 01の主なスペック】
全長/全幅/全高:137cm/60cm/109cm
サドル高:73~106cm
車両重量:19kg(バッテリー1.9kg含む)
最大荷重:90kg
バッテリー容量:36V10.5Ah
充電時間:5~6時間
走行モード:車道専用(20km/h)/歩道可(6km/h)
タイヤサイズ:16×1.95
ブレーキ:前後メカニカル式ディスクブレーキ
カラー:マットブラック、ピュアホワイト、オリーブグリーン、ハニーイエロー、メタルシルバー
価格(税込):16万9,400円(バッテリー・充電器付き)