ここしばらく、「勉強を効率的に進めるツール」が大人にも売れている、という話がある。
例えば、テキストを開いたままで固定するブッククリップや、勉強の時間を管理する学習タイマーなどは、従来は中高生が勉強するために使っていたもの。
しかし「大人もリスキリングだなんだ」といって勉強が必要になった現在、時間の少ない社会人がこういった効率アップツールに注目するのは当然の流れと言えるだろう。
注目が集まればメーカーも開発リソースを集中するし、優秀な製品も増えてくる。キングジムが2024年に発売した学習タイマー「ビジュアルバータイマー」もその1つだ。

同製品は以前にこの連載でも「とても使いやすい傑作タイマー」と紹介したのだが……このほど、そのバージョンアップ版である「ビジュアルバータイマー プラス」が発売されると聞いて、少し驚いた。
当時からあまり欠点のない優秀さだっただけに、どこをどう改良してきたのか? これは実際に試して確認してみたいところだ。
目次
4色バーで進捗が一目でわかる新モデル
キングジム「ビジュアルバータイマー」シリーズは、細長いボディに「残り時間を可視化した棒グラフ」と「デジタル表示のタイマー」の2面の液晶を備えたのが最大の特徴だ。
この棒グラフによって、時間がどれぐらい経過したか、設定した時間のうち残り時間は何%か、といった進捗が直感的に視覚で捉えられるのが、実際に使ってみると非常にわかりやすいのである。

新しい「ビジュアルバータイマー プラス」は、この棒グラフが4色にカラー化(従来はモノクロ表示)されている。
残り時間は20段階の目盛で、まず最初の5段が青、次が緑、そして黄、赤と各5段ずつに分割。時間の進行に合わせて青から赤に向かって目盛が減っていくという仕組みだ。

目盛1マス分の時間は、設定時間によって違ってくる。20分タイマーなら1目盛が1分だし、150分タイマーなら1目盛が7分30秒。つまり設定時間の5%=1目盛というわけだ。
従来版のモノクロ表示の場合、棒グラフの長さで“残り時間、だいたいこれぐらい”とザックリ把握できていた。
それがカラー化されたことによって「青がなくなったから、残りあと4分の3。まだ余裕がある」とか、「赤になったから、そろそろスパートかけていこう」といったように、より直感的に進捗状況をつかめるようになったのである。
もちろん、正確な時間もデジタルタイマー窓に出ているが、やはり棒グラフの方がわかりやすい。

アラームで「残り半分」を知らせてくれる
残り時間半分をアラームで知らせる機能が付いたのも、進捗管理の点でありがたい。
これは、タイマーを設定してスタートする前に「計測半分通知」ボタンを押すと、文字通り残り時間が半分になった時点で小さくピッとアラームが鳴ってくれるというものだ(消音設定時は無効)。
視覚的要素に加えて音でも進捗状況がつかめるのは地味にありがたく、これはとても良い追加機能だと感じた。

作業と休憩を自動で繰り返す「リピート計測モード」
タイマー機能としてはもうひとつ、従来版と同様に「リピート計測モード」も備えている。 これは作業と休憩を短いスパンで繰り返すことで集中力を持続させる、いわゆる“ポモドーロ・テクニック”と呼ばれる時間管理に使うモードだ。
モードボタンを押すとこの「リピート計測モード」に切り替わるので、まず作業時間をダイヤルで設定。続いて休憩時間を設定したら、最後にこれを何ターン繰り返すかを設定してスタートを押す。すると、作業・休憩の節目を短いアラーム音で教えてくれるという仕組みである。
ポモドーロ・テクニックに対応した学習タイマーはほかにも多く発売されているが、棒グラフ表示があると「お、休憩時間あとちょっとで終わるし、飲み物を片付けて次の準備しよう」のように視覚から気分のスイッチングがしやすいのは、大きなメリットだと思う。
ダイヤルをクルクルッでタイマー設定も簡単に
さて、棒グラフのカラー化と並んで大きなバージョンアップが、新たに追加されたタイマー設定用ダイヤルだ。
従来版は、タイマーの時間設定をする際に「10分」「1分」「10秒」の3ボタンをそれぞれ必要なだけ押し込んで行っていた。
これも慣れると速いのだが、60分と設定したいところを余分に押し込んで70分になってしまうと、「1分」+「10秒」の同時押しでリセットするなどの手間があった。

新しいダイヤルはクルクルと時計回りに回転させることで設定時間をプラス(逆回転でマイナス)できるので、タイマー設定がかなりスムーズ。行き過ぎても逆回転で戻ることができるのは便利だ。
ダイヤル1クリックで10秒分だが、ダイヤルをカチッと押し込むと1クリック1分に変更できるので、数十分といった長時間タイマーも手早く合わせることができる。
操作方法としては、ボタンとダイヤルはどちらも良し悪しはあるが、使い勝手のシンプルさという点ではダイヤル式の方が好まれそうだ。

電池式からバッテリー式に進化
従来版からの変更点としては、ほかに電源も電池式からバッテリー式(USB-C給電)に変わっている。
筆者としては、充電の待ち時間がない電池式のほうが好ましいのだが、もしかしたら液晶のカラー化により消費電力量が増えたことで、電池だと交換スパンが早くなりすぎるといった問題が起きたのかもしれない。

静かな場所での使い方に改善の余地
細かいところでもう1つ変化がある。従来はアラームON/OFFの切り替えだったところが、アラーム大/小/OFFの3段階切り替えになった。
とはいっても、アラーム小でも図書館など静かな場所では十分に響く音量なので、使いどころはやや難しいように感じた。
これは前回(従来版の紹介記事)でも要望として述べたが、できればアラームOFF+ライト点滅などで教えてくれるモードがあると使える場所が増えてありがたいのだが。

カラー化で生まれ変わった学習タイマーの決定版
とはいえ、気になったのはそれぐらい。残り時間を直感的に捉えられる棒グラフ式タイマーは、時間管理がしやすくて使いやすい。
いま学習タイマーを新しく選ぶなら第一候補としておすすめなのだが、なにより、従来版「ビジュアルバータイマー」を便利と感じて愛用し続けているユーザーにこそ買い替えを提案したい。それぐらいカラー化の価値はあるので、このアップデートは大成功と言って間違いはないだろう。