家電
衣類ケア
2017/4/25 21:22

【超濃厚レビュー】自腹購入に悔いなし! シワ取り、脱臭だけじゃない「LG styler」の魅力

家電ライターである筆者が、先月気合いを入れて自腹購入をした製品があります。それが、LGエレクトロニクス・ジャパンが発売したスチームウォッシュ&ドライ「LG styler」(エルジースタイラー・実売価格24万6240円)。あまり聞き慣れないジャンルの家電ですが、これは衣類の「シワ取り」「ニオイとり」「除菌」「ホコリ落とし」ができる、画期的な衣類ケア製品です。

 

約25万円の衣類ケア製品を自腹で購入!

↑細長い高級冷蔵庫か、ロッカーのような外観のLG Styler。本体サイズは幅445×奥行き585×高さ1850mmと結構な大きさがあります
↑細長い高級冷蔵庫か、ロッカーのような外観のLG Styler。本体サイズは幅445×奥行き585×高さ1850mmと結構な大きさがあります

 

LG stylerは、一見すると細長い冷蔵庫かロッカーのような見た目の製品。内部にハンガーにかけた洋服を収納すると、高温のスチームで除菌や脱臭が可能です。しかも、スチームと同時に1分間180回の振動で洋服を左右に揺らすため、洋服の自重でシワ伸ばしが可能。さらに、ホコリや花粉などのゴミも除去できるという優秀な製品です。

↑LG Stylerの内部
↑LG Stylerの内部

 

↑左右に5cmほど揺れる「振動ハンガーラック」。振動でシワを伸ばしたり、ホコリなどを落とします。ここにかけられるハンガーは最大3本まで
↑左右に5cmほど揺れる「振動ハンガーラック」。振動でシワを伸ばしたり、ホコリなどを落とします。ここにかけられるハンガーは最大3本まで

 

↑本体下部には、スチームの元となる水を入れる水タンク(右)と排水用タンク(左)を配置。満水時でだいたい4回ほど連続利用できます。水道直結ではないので、設置場所が限られることもありません
↑本体下部には、スチームの元となる水を入れる水タンク(右)と排水用タンク(左)を配置。満水時でだいたい4回ほど連続利用できます。水道直結ではないので、設置場所が限られることもありません

 

ハンガーに掛けておくだけで衣類のシワが取れる

ちなみに、筆者がLG stylerの購入を決めた最大の理由は「シワ伸ばし」機能が搭載されていたためです。仕事中はYシャツにスーツスタイルが多い筆者ですが、毎朝困るのがYシャツ。Yシャツは洗濯後にアイロンをかけても、いざ着ようとするとタンスのなかで「たたみじわ」ができてしまいます。アイロンをかける時間などない、忙しい朝にこれは結構困ります。

 

しかし、LG stylerは標準的な「リフレッシュコース(標準)」で48分、「リフレッシュコース(おいそぎ)」なら20分で衣類ケアが完了します。朝起きて服を選び、とりあえずハンガーに掛ければ、あとはコースを選んでスタートボタンを押して放置するだけ。顔を洗ったり、準備をしている間に衣類のシワ落としが終わります。もちろんプレスアイロンをかけたようなビシッとしたシャツには仕上がりませんが、十分見苦しくないレベル。このため、我が家では洗濯後にアイロンをかけることをやめてしまいました。アイロンが必要な服は、出かける前にLG stylerにかけてしまえば良いのです。

↑衣類を専用ハンガーにセット
↑衣類を専用ハンガーにセット

 

↑あとはドア部にある操作メニューからコースを選ぶだけ。忙しい朝でも手間になりません
↑あとはドア部にある操作メニューからコースを選ぶだけ。忙しい朝でも手間になりません

 

↑アイロンをかけていないポリエステル混のYシャツを「リフレッシュコース(標準)」にかけたところ。ここまでシワが伸びれば、個人的にはアイロンは必要ありません。ちなみに、綿100%や麻100%のシャツは、もう少しシワが残ります
↑アイロンをかけていないポリエステル混のYシャツを「リフレッシュコース(標準)」にかけたところ。ここまでシワが伸びれば、個人的にはアイロンは必要ありません。ちなみに、綿100%や麻100%のシャツは、もう少しシワが残ります

 

もちろん、お出かけ前はシャツだけでなく、ジャケットやスカート、パンツなど、当日着る服はすべてLG stylerにかけます。ジャケットは頻繁に洗うわけにはいかないので、汗をかいた後は「汗臭くなっていないかな?」と不安になりますが、LG stylerなら除菌も脱臭も可能。一日安心して行動できるのがうれしいですね。

↑スーツのパンツなどは扉部分にある「ズボン折り目ケア」にセット。ズボンプレッサーのように「板」でパンツを抑えるため、きちんと「折り目」をつけることも可能です
↑スーツのパンツなどは扉部分にある「ズボン折り目ケア」にセット。ズボンプレッサーのように「板」でパンツを抑えるため、きちんと「折り目」をつけることも可能です

 

簡単に洗えない衣類のケアに大活躍

最初はスーツなどの仕事着用に購入したLG stylerですが、使っているうちに普段使いとしても優秀なのが判明しました。特に、我が家でLG stylerを購入したのは、まだまだ寒い季節。このため、頻繁に洗うことのできないダウンやコート、セーターなどのケアに大活躍しました。とくにダウンは、LG stylerでケアをすると驚くほどふわふわに仕上がります。また、寒い日は出かける時間に合わせてタイマーをセットし、暖まったコートで出かけるといった使い方ができるのもうれしい点でした。

↑毎日酷使してペタンコになっていたダウンが、LG stylerでケアするとフワフワになりました。着用するととても軽く感じます
↑毎日酷使してペタンコになっていたダウンが、LG stylerでケアするとフワフワになりました。着用するととても軽く感じます

 

また、脱臭機能も非常に便利。焼き肉屋やタバコOKの店に行くと、その後コートやジャケットにイヤな匂いが残ります。しかし、帰宅後すぐにLG stylerを使えば、これらの匂いはゼロにはなりませんが、気にならないレベルまで軽減することができました。

↑タバコのニオイがついた服を臭気計でチェック。その後、LG stylerでケアすると匂いの数値「317」から「47」まで劇的に減っていました
↑タバコのニオイがついた服を臭気計でチェック。その後、LG stylerでケアすると匂いの数値「317」から「47」まで劇的に減っていました

 

もうひとつ便利だったのが「雨の日」モード。これは、湿った衣類を乾燥させる機能なのですが、ウールのコートやジャケットなど「洗濯禁止」の衣類が濡れてしまった時に大活躍しました。この機能は、これからくる梅雨時期にもかなり活躍しそうです。なお、雨の日モードは本製品標準機能には搭載されていません。特殊なコースは、スマートフォンの専用アプリから本製品にダウンロードします。アプリでコースを選択し、LG stylerにスマホをかざすだけです。

↑特殊なコースはスマホを介して本体にダウンロード
↑特殊なコースはスマホを介して本体にダウンロード

 

帽子やぬいぐるみなども放り込んでおけばOK

LG stylerには「棚」が付属しており、帽子や鞄、ぬいぐるみなどを載せるだけで除菌が可能。また、セーターなどのハンガーにかけると伸びてしまう衣類も、この棚の上に畳んでおいておけばケアできます。このため、家の中の除菌したいものを片端から手軽にケアできる点も便利です。

 

なかでも特に「LG stylerがあってよかった」と実感したのが、枕とスニーカーの除菌ができる点。枕は毎日顔に当てるものなのに、洗うとしてもせいぜい枕カバーまで。中身まで洗濯するのは困難です。しかし、LG stylerなら枕を丸ごと除菌が可能なのです。そして、スニーカーは、汗により雑菌が繁殖しやすいもの。これも、LG stylerに放り込んでおけば手軽に除菌と脱臭ができます。しかも、LG stylerはスチームの吹き出し口に「アロマフィルター」をセットし、専用アロマシートや香水などの香りを衣類や除菌した小物などに移すことができます。ニオイが気になる場合は、この香り機能を併用するのが良いでしょう。

↑スニーカーの除菌は、本製品を購入してよかったと感じたポイントのひとつ
↑スニーカーの除菌は、本製品を購入してよかったと感じたポイントのひとつ

 

↑スチーム吹き出し口付近にセットできるアロマフィルター。専用の香りシートもありますが、市販のコットンに好きな香水を吹き付けたものを挟んで利用することも可能です
↑スチーム吹き出し口付近にセットできるアロマフィルター。専用の香りシートもありますが、市販のコットンに好きな香水を吹き付けたものを挟んで利用することも可能です

 

ただし、本製品は「ホコリや花粉」などを落とす機能はあるものの、洗浄機能はありません。家庭で洗えないコートやジャケットのクリーニング頻度を減らすことはできますが、クリーニングをゼロにすることはできないので注意が必要です。

↑油汚れ(口紅)、水溶性の汚れ(シロップ)、土汚れがついたハンカチをLG stylerにかけたところ。土汚れ以外はほとんど落ちていません
↑油汚れ(口紅)、水溶性の汚れ(シロップ)、土汚れがついたハンカチをLG stylerにかけたところ。土汚れ以外はほとんど落ちていません

 

↑洋服についていたゴミやホコリなどはかなり落ちます。一週間も本製品を使用すると、本体内部底に多くのホコリやゴミ、髪などが溜まってきます
↑洋服についていたゴミやホコリなどはかなり落ちます。一週間も本製品を使用すると、本体内部底に多くのホコリやゴミ、髪などが溜まってきます

 

置き場所が確保できるなら取り入れて損はない

我が家にLG stylerがきて3週間。最初は、仕事服のアイロンがけが楽になれば……という気持ちで購入しましたが、今では仕事服もカジュアルな服も、とにかく本機でケアしまくっています。身の周りのものの除菌もできて、いまでは「洗濯機のように、これは一家に一台必須なのでは?」と感じているくらいです。

 

ただし、最初に「気合いを入れて」と書いたように、その実売価格は約25万円と、本製品は手軽に購入できる家電ではありません。また、個人的に一番ネックになると感じたのは、製品の大きさ。本体も83kgと重いため、気軽に移動することもできません。このため、我が家では本製品を設置するのに、ドアをひとつ潰す必要がありました。日本の狭い住宅事情だと設置が難しい家庭も多いと感じます。

 

この設置問題さえクリアできればLG Stylerは非常に便利。服をクリーニングに出す回数を減らせるうえ、これからもずっとアイロンの手間が減らせることを考えれば、LG Stylerにはそれだけの価値があると感じました。特にスーツスタイルの家族や、制服を着る子どもがいる家庭なら、平日はほぼ毎日使うはず。購入してもきっと後悔しないと思います。

↑衣類を専用ハンガーにセット