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2022/12/21 10:31

山口剛央×白井ゆかり「私がきっかけで気象に関心を持つ人が増えたら、それが無上の喜びです 」ウェザーニュースキャスター連載・第9回/特別編《後編》

24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は92万人を超え、日々の生活を支えるコンテンツとしてますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開中! 第9回は、前回に続き、特別編として、気象解説員の山口剛央さんと白井ゆかりキャスターとの特別対談の後編をお届けします。

 

<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>

題字・駒木結衣

 

第9回・山口剛央解説員&白井ゆかりキャスター/特別編≪後編

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【山口剛央さん、白井ゆかりさんの撮り下ろし写真はこちら】

数年分の全国の天気図は全部頭の中に入っています

白井 改めてお聞きしたいのですが、山口さんが気象予報士になろうと思われたきっかけは何だったんでしょう?

 

山口 私が大学4年生だった1994年に初めての気象予報士試験が行われたんです。中学生の頃から気象に興味を持ち、それまではあくまで趣味として自分の世界を歩んでいただけだったんですが、新たに国家資格としての制度が生まれたので、自分の実力を試してみようと思ったんです。1994年は8月と11月に試験が行われて、それはスルーしたのですが、1995年3月の試験から挑戦しました。

 

白井 資格を取って気象関係のお仕事に就こうと?

 

山口 そういった思いは一切なかったですね。純粋に、このマニアックな自分の知識がどこまで通じるんだろうという思いだけでした。見事に2回ほどぶった切られて落ちましたけどね。“お前にそんな資格はない!”って(笑)。

 

白井 山口さんほどの知識をお持ちの方でも落ちたということに驚きです。その時も今と同じように試験は学科と実技の2つですか?

 

山口 ええ、そこは同じでした。学科は最初の試験で合格し、一年間は合格の有効期限があるので、残りの2回で実技試験も受かれば晴れて資格をもらえるわけですが、逆にもし3回目も落ちたら、きっぱりとやめようと思っていました。受かったのは、まさにそのギリギリの3回目でした。

 

白井 でも、考えてみれば、当時は制度ができてまだ2年目ですし、試験対策も大変ですよね。

 

山口 数は少ないものの、いちおう参考書は出ていたので、それで勉強していましたね。ただ、私は文系でしたので、数式問題が出てくると途端に分からなくなって。そこは最初からある程度見切りを付けて、得意な問題の点数だけを確実に取りにいくようにしていました。防災に関する注意事項といった、いわゆる暗記ものですよね。数式問題の勉強法はチンプンカンプンなので逆引きで。まず先に答えを見るんですよ。

 

白井 どういうことですか?

 

山口 答えを見てから、どういう解き方をしているのかを体に入れていく。それを繰り返しやっていました。勉強法としては邪道ですけど。

 

白井 でも、3回目で見事に合格をされて。

 

山口 3回目の実技試験では、ちょっとした幸運があったんです。天気図が出てきて、それが《こういう天気図の時はどんな防災の注意が必要か》というような設問で。私は自分でいうのもなんですがバカが付くぐらいの天気図マニアなものですから(笑)、日付はふせられていたものの、それがいつの天気図なのかがすぐに分かったんですね。

 

白井 すごい! それ、どういう能力なんですか? 実際にあった天気図が頭の中に入っていたということですよね。

 

山口 そうです。“あ、これは95年11月8日の天気図だ”って。

 

白井 さすがに、その日一日が全国的にどんな天気だったかまでは覚えてないですよね?

 

山口 いえ、頭に入っていました。その天気図の11月8日は稚内で風速44.9mという、ちょっと記録的な数値を観測した日でしたので間違いようがなかったんです。ですから、設問の解答も実際に起きたことを書けばいいだけでしたし、ほぼ全問正解だったと思います。

 

白井 まさかそんな解き方をする人がいるとは夢にも思わなかったでしょうね。むしろ、事前に問題と答えを知っていたんじゃないかと疑われそう。

 

山口 そう、そうなんです。そこでうっかり『稚内で44.9mの風が……』なんて書こうものなら間違いなく怪しまれますから、そこは気をつけました(笑)。

山口剛央●やまぐち・たけひさ…1973年生まれ。京都府出身。気象予報士。大学卒業後、製薬会社の勤務を経て、1997年、ウェザーニューズに入社。現在「ウェザーニュースLiVE」内で気象解説員を務めている。

 

白井 それほど天気が大好きだと、こうしてウェザーニューズに入られた時は天国だったんじゃないですか?

 

山口 そうでしたね。ただの天気マニアで、自分の将来にとって何の役に立つかも分からないのに、せっせと10代の頃から天気のデータを毎日記録し続けていた男が、それを生業にできるなんて思ってもみませんでしたから。こんなに幸せなことはないなって。

 

白井 中学生の頃から天気のデータを取り続けていたんですよね。

 

山口 中1からです。きっかけは1985年12月17日に実家の京都で雪が降ったことでした。それ以降、毎日の天気をメモするようになって。

 

白井 そのメモというのは何かを参考にされて?

 

山口 完全な自己流です。その記録はウェザーニューズに入るまで、10年近く続けてましたね。

 

白井 やめたきっかけというのはウェザーニューズに入ったからですか?

 

山口 ええ。ウェザーニューズに入って何に一番興奮したかって、気象衛星ひまわりの画像をただで見られるっていうことで(笑)。「もう、記録なんて取る必要ないな」って。

 

白井 (笑)。そういえば、ひまわりのアンテナを個人的に買って、ご自宅で見ていたとおっしゃっていましたよね。

 

山口 ひまわりの画像受像機ですね。170万円もしたんですよ。でも、そこまで精度のいいものでもなくて。それが、ウェザーニューズに来たら、ただで見られるわけです。しかも、精度の高いものを。おまけにアメダスまでついてくる(笑)。まさに、白井さんがおっしゃったように、「ここは天国だ!」というひと言に尽きます。

↑山口さんが自作で作っていた気象記録の一部

 

ふと“これは記録にとどめておこうかな”という瞬間があるんです

白井 学生の頃から毎日の天気図や気象の記録を書き続けていたというエピソードにも驚いたのですが、それ以外にもいろんな観測をされてきていますよね。衝撃だったのが、夏は必ず水シャワーで、そこから派生して水道水の水温を毎日測っていると聞いた時で。最初は“この方、普段どういう生活をされているんだろう?”と、興味しか湧かなかったです(笑)。

 

山口 まあ、理解し難いですよね(笑)。でも、夏は真水が一番ですよ。……という話をすると、白井さんのように大抵びっくりされるんですが、でも夏場の水温って29℃ぐらいあるんです。

 

白井 あ、そこまで冷水ではないんですね。

 

山口 そうです。ですから、“うわ、冷たい!”という感じではないんです。プールの温度とほぼ同じですから。

 

白井 そんな、“僕は毎日プールに入っていますよ”みたいな言い方しないでください(笑)。

 

山口 (笑)。それと、暑がりだというのもありますね。30℃や31℃ぐらいであれば平気なんですが、ある閾値(しきいち)から上になると猛烈に暑さに弱くなってしまって。ですから、私にとって真夏の約1か月間は水シャワーが快適なんです。

 

白井 今はほかにどんな記録に関心があるんですか?

 

山口 もっぱら虫ですね。それこそ、セミの初鳴と終鳴の日がいつかという記録は10年前くらいから取り続けています。「平年値」というものがありまして、8年間記録を取り続けると正確なデータとして認められるんです。ダンゴムシはまだあと2年足りないですね。

 

白井 ダンゴムシは何の観察をされているんでしょう?

 

山口 その年で最初に見かけた日です。

 

白井 毎年変化ってあるものなんですか?

 

山口 それがですね、見事に3月末か4月上旬なんです。たいしたものですよね。ずっと土の中にいるのに、どうやって毎年決まった時期に外に出るタイミングに気づくのか。

 

白井 たしかに興味深いですね。ちなみに、そうした観察の対象というのは何かきっかけがあって見つけるんですか? ……あ、すみません、なんだか私、さっきからずっと質問ばっかりですね(笑)。やっぱり山口さんとお話をしているとどんどんと聞きたいことが増えていくので。

 

山口 いえ、全然構わないですよ。きっかけというのは、別にないんですよ。虫が特別好きというわけでもないですし。85年に雪の記録をメモした時もそうなんですが、ふと“これはとどめておこうかな”という瞬間があるんですよね。

 

白井 そうなんですね。天気以外だと一番長く続けている記録は何ですか?

 

山口 部屋の暖房を付ける最初の日です。たしか2005年からですね。今は冷暖房の初日と終日の記録を付けていますが、でもこれこそ本当になんの役にも立たない統計ですよね(笑)。自分が勝手にエアコンを付けて消すタイミングだけの日ですし。

 

白井 たまに記録のために粘っている時もありますよね。「この日までは暖房は使わない」って意地になっているような(笑)。

 

山口 あります。でも、そのことで例年、記録を更新していますから。

 

白井 それは正確な統計とは言わないんじゃないですか?(笑)

白井ゆかり●しらい・ゆかり…1991年6月25日生まれ。埼玉県出身。B型。2015年にウェザーニューズ入社。現在、同社が配信する「ウェザーニュースLiVE」の気象キャスターとして活躍中。趣味・特技は茶道、ヨガなど。TwitterInstagram

 

──冷暖房や水温の統計を取り続けているということは、その間、ずっと引っ越しもされていないということなんでしょうか?

 

山口 そうですね。環境が変わると数値も変わってきますから。といっても、それが理由で引っ越さないわけではないです。ただ、面倒なだけで(笑)。

 

白井 資料が膨大そうですもんね。

 

山口 そう。それが一番の理由ですね。

 

白井 手作りの地震計が畳1畳分あるとおっしゃっていましたし。

 

山口 重さも20kgくらいあります。それもあって引っ越しができないんです。業者さんに、つい「絶対に壊さないでくださいね」「傷つけないようにお願いします」って言ってしまいそうで。

 

白井 引っ越し業者の方も、“これ一体何だ!?”と不思議がりそうですけど(笑)。そういえば、番組を盛り上げてくれた電飾のホタルは元気ですか?

 

山口 ホタル、作りましたね(笑)。

 

白井 あのホタルに関しては、私のムチャブリがすぎたので、本当に申し訳ないと思っています。5月くらいでしたよね。山口さんが次にどんな工作を作ろうかと悩んでいたので、私が「ホタルはどうですか?」と提案して。しかも、それを番組中に言ってしまったので、山口さんも後に引けなくなってしまって。

 

山口 本当は飛んでいる感じも出したかったんですよね。でも、最後までいいアイデアが思いつかなくて。

 

白井 それも、私が「せっかくなので飛ばしましょうよ」と言ってしまったからでした(笑)。本当に申し訳ありませんでした。でも、すごく楽しかったので、これからも私にお手伝いできることがあれば何でも言ってくださいね。

 

──今、思いついたのですが、次は傘を作ってみるのはいかがですか? 山口さんと言えば、傘を持ち歩かないことで知られているので、それなら逆に“これなら持ち歩いてみたい”と思えるものを自作されてみては?

 

山口 傘ですか……。う〜ん、できれば持ち歩きたくないですね。というのも、私、傘を差すのがすごくへたくそなんです。

 

白井 どういうことですか?(笑)

 

山口 一瞬で風に煽られてしまうんです。ですから、絶対に壊れないという傘なら持ち歩いてもいいんですけど。

 

白井 ヘルメットに傘をくっつけるっていうのはどうでしょう? どんな強風でも折れない強さにして。頭にくっついていれば両手も空きますし、タケコプターみたいでかわいいと思いますよ。

 

山口 それ、傍から見たらむちゃむちゃ楽しい人じゃないですか(笑)。私の周りから人がどんどんいなくなると思いますよ。

 

白井 たしかに(笑)。逆に子供は寄ってきそうですけどね。

 

山口 「おっちゃん、飛んでー!」って(笑)。それはそれでいいですね。

ちょっとマニアックなものでも好きな人同士で会話ができるのって素敵だなって

白井 山口さんには私の持ち込み企画にもお付き合いいただいていますよね。少し前に『美しきジャンクションの世界』に出てくださいましたし。

 

山口 ええ、楽しかったですね。

 

白井 番組の中でいろんなジャンクションの形を紹介していきましたけど、人によってこんなにも好みが違うんだということが知れたのが、私にとっては大きな収穫でした。私は上空から見た形がシンメトリーになっているのが好きなんですが、山口さんは違って。

 

山口 私はいかに複雑な形をしているかに惹かれます。番組の中でも少しお話ししましたが、土木工学に興味があるんです。橋の設計ですとか。

 

白井 トンネルもですよね。

 

山口 そうです、そうです。

 

白井 『ジャンクション』の企画が終わった放送後に、そのまま会社に残って随分長い時間、トンネルの素晴らしさについてお話しされていたのを覚えています。私はそこまでトンネルの魅力が分からなかったので、「教えてください」と言ったら、スイッチが入っちゃって(笑)。そこから動画を見漁って。

 

山口 そうでしたね。私が大好きな米子自動車道にある摺鉢山トンネルの動画を見ていただいて。ただひたすら4000mぐらい真っすぐ伸びるトンネルの中を車で走っている3分ほどの映像でしたけど(笑)。

 

白井 途中で眠くなりそうでした(笑)。でも、橋には私も以前から興味があるんです。アーチの角度とか、絶対に意味があるでしょうから、そういうのを調べていったら面白いだろうなって。

 

山口 明石海峡大橋などは本当にきれいですよね。ずっと見ていても飽きることがない。

 

白井 分かります! 背景の空の景色も込みで、どの時間帯に見ても絵になりますし。そういえば、番組中に山口さんが好きだとおっしゃった関西にあるジャンクションを、同じように好きだという視聴者の方がいらっしゃって。こうやって、ちょっとマニアックなものでも好きな人同士で会話ができるのって素敵だなと思ったんです。

 

山口 本当ですか。私、ウェザーニューズに入社して、「道路気象」の担当も9年間やっていましたけど、「このジャンクションが好き」という話題が出たことは一度もありませんでしたよ(笑)。もちろん、あくまで仕事で接していた方たちでしたので、心で思っていても口に出さなかっただけかもしれませんが。

 

白井 その「道路気象」のお話にもちょっと興味があります。山口さんとお話をしていると、本当に話題が尽きないですね。

──先日の山口さんの企画『誰でもできる天気図の書き方』はアーカイブで123万回も再生されていますし、もっといろんなお話を聞いてみたいという視聴者はすごく多いと思います。

 

白井 絶対にたくさんいると思います。また一緒に持ち込み企画をやりたいですね。あ、そうだ。山口さんも夏場にお1人で3時間の生放送を担当されていたことがありましたよね。いかがでした?

 

山口 キャスターさんたちが毎日3時間の生放送をされているのが、いかにすごいことなのかがかよく分かりました。私の場合は途中で少しインターバルがありましたし、その日の気象情報をメインにお伝えしつつ、プラスアルファとして台風や地震に関する知識なんかをお届けしていただけでしたが、それでも3時間もの長い時間を1人で担当するのは疲れました。

 

白井 どこがそれほど大変でした?

 

山口 やはりフリートークですね。別に私のフリートークに期待していた人はいなかったと思いますし、ごく短い時間でしたけど、緊張もしましたし、難しかったですね。

 

白井 拝見していましたけど、山口さんはいろんなことを詰め込もうとし過ぎていたような感じがしました。

 

山口 そうなんですか?

 

白井 ものすごく準備をされていたじゃないですか。内容自体も、そのまま一本の大きなコーナーが作れるんじゃないかと思うぐらい完成されていて。あの密度のフリートークをやれと言われたら、私たちキャスターは絶対に無理だと思います。

 

山口 なるほど。まあ、私の場合は毎日じゃありませんからね。だからこそ、ある程度の内容のものを準備できたというのもあると思います。それに、任された以上は期待に応えたいという思いもありましたから。

 

白井 それも関西魂ですね(笑)。素晴らしいです! 最後にもう一つお聞きしたいのですが、気象に関する天職に就かれている山口さんにとって、これからの目標にはどのようなものがあるんでしょう?

 

山口 目標ですか……。この年齢になると、正直言って夢とかもうないんですが(苦笑)、でも、ただただ天気や地震に関心を持っていた男が、番組やこうした取材の場で自分の趣味の話ができるって、これ以上に幸せなことはないんですよね。ですから、あとは番組を通じて、私と同じように気象に関心を持ってくれる人が1人でも増えてくれたら、私はそれだけで満足です。虫の観察はさておき(笑)、手作りの地震計の話なんかを偶然聞いた中高生ぐらいの子が、いずれ数十年後に「あれを見て興味を持って、気象の仕事に就きました」と現れてくれたら、それが私にとっては無上の喜びです。

──たくさんのお話、ありがとうございました。さて次回は江川清音キャスターの登場になります。お2人から江川キャスターのご紹介をいただけますか?

 

山口 私にとっては、特に鋭い「ぶっこみ」をしてくる常に気の抜けないキャスターさんですが(笑)、一方で荒天や地震などでシビアな状況になった時はビシッと決めてくれる頼れる存在でもあります。皆さんも江川さんの記事をお楽しみに。私もぜひ読んでみたいです。

 

白井 さやねさんは、明るく誰にでも優しくて、「飲みにいこうよ〜」とノリのいいところも大好きです。番組を見ていても、ご自身が一番楽しそうに番組を進行していて、見ている側も元気をもらっています。また、私たちキャスターが仕事をしやすい環境を整えようと行動してくださる方です。お仕事とご家庭との両立は、きっと忙しいはずなのに、趣味のフラワーアレンジメントなどまで……。どこまで器用な方なんだ! と尊敬しています。

 

《山口剛央さんに11の質問!》

Q01. 好きな天気、季節を教えてください。

山口 真っ青な空が好きです。季節は春。虫も出てきますし(笑)、世の中が明るくなりますよね。桜とかが咲いたら本当に嬉しいです。苦手なのは晩秋。どんどん暗くなるのが早くなりますし、日の入りが早いと泣けてきます。

 

Q02. 台風や雨の動向を予測するコツはありますか?

山口 台風の進路のように数日先の予想になってくると今は数値予報モデルが一般的で、そこから読み解いていくことになります。あと、もっと短い時間、例えば数時間後や1日くらい先で自分のいるところが雨になるかなどは雲の色などを目視して予想する“ソラヨミ”という方法もあります。

 

Q03. 気象以外に“実はこれも詳しい”というものは?

山口 それがないんですよ。ただ、宇宙の話は好きですね。造詣が深いわけでもないんですが、やはり自然の話ですし、気象に関係しているから興味があるのかもしれないです。それに宇宙の話にまで及ぶと、よく分からなすぎて、逆に楽しくなるんです。想像がどんどん膨らんでいくといいますか。ですから、夜眠れない時とかは宇宙のことをよく考えるようにしています。ブラックホールのことや、もっと単純なことだと、火星まで歩いていくなら何年くらいかかるだろうかとか。そうやって、分からないことに分からないことを重ねるとよく眠れます(笑)。

 

Q04. もし月にいけたら、どんな観測をしてみたいですか?

山口 地震計を置いてみたいです。月震というのがあるんです。地球はものすごく活発なので至る所で地震が起きますが、月は冷え切った星なんですね。それでもわずかに動いている。それが面白くて。1969年にアポロ11号が月に行った時に地震計を置いてきた観測データがあるのですが、自分でも観測してみたいですね。

 

Q05. モノづくりを始めたきっかけは?

山口 昔から好きだったんです。といっても、子どもの頃はプラモデルを作る程度でしたけど。いろんなものを自己流で作るようになったのは、気象に興味を持ってからですね。中3の時に最初の地震計を作り、高2で風速計を作りました。2代目の地震計は大学4年生の時。その後、ウェザーニューズに入ってからはしばらくやっていなかったのですが、解説員として人前で話す機会が増え、意外と多くの方が楽しんで聞いてくださるので、去年の頭ぐらいに3代目の地震計を作りました。自分の中ではかなりバージョンアップしていて、今も家で24時間稼働しています。

 

Q06. 今新たに作ろうと思っているものは?

山口 風速計を作っています。ただ、難しくてもうちょっとかかりそうですね。設計図や見本のようなものがあるわけではなく、自分が過去に資料などで読んだ記憶や引き出しだけで作っているので、なかなか思うようにいかないんです(笑)。

 

Q07. 最近、ガスバーナーでどんなものを炙ってますか?

山口 相変わらず「ナポリタン炙りゲッチュー」しか作っていません(笑)。最初の頃はいろんなものを炙っていたんですが、最終的にチーズ炙りにたどり着きました。レシピも簡単で。ナポリタンに玉ねぎとピーマンとソーセージ、その上にチーズを乗せてガスバーナーで炙るだけですから。

 

Q08. 切り抜き動画はご覧になりますか?

山口 「ダンゴムシ」の回は見ました。1000万回再生を超えて恐ろしいことになっていますよね(笑)。それに、一度検索して見ると、あとからどんどんといろんなおすすめが出てくるじゃないですか。それらをたまに見ることはあります。番組で変なこと言わなかったかなとか確認するために。でも、「ダンゴムシ」も私はただ、日本語の間違いを正しただけなんです。それが話題になって。世の中分からないものだなと思いました。

 

Q09. 「塩口さん」と呼ばれることについての見解をお願いします。

山口 そうですね……(笑)。今、キャスターのお仕事を休業されている松雪彩花さんに対して、どうやら塩対応というものをしてしまったそうで。それで視聴者の方々から「塩口さん」と呼ばれるようになったんです。松雪さんがどう思っていらっしゃるかは分かりませんが、私にとってはとても信頼できるキャスターさんですし、誤解のある塩対応も優しく受け入れてくれる心の広い方だと思っています(笑)。ただ、今年の夏はその呪いなのか、マイクトラブルが起きるという現象がありまして。それもあって、いつか復帰されることがあれば、その時は第一声で謝ろうと思っています(笑)。

 

Q10. 2023年の阪神タイガースに期待していることは?

山口 それはもちろん、18年ぶりのペナントレース優勝です。日本一に至っては1985年以来、成し遂げていないんです。私の観測の歴史と同じなんです(笑)。そろそろ本当に優勝する姿を見たいです。

 

Q11. GetNavi webということで、最近購入した家電などがありましたらご紹介いただけますか?

山口 普段からあまりもモノを持たない人間なんですが、今年、人生で初めて炊飯器を買いました。それまではレトルトのご飯で間に合わせていたんです。でも、昨年ガスバーナーを購入し、自分の中で大ヒットしたので、今年も何か買おうと思い、一念発起して炊飯器を。といっても3980円のものなので、よく宣伝しているような多機能のものに比べると10分の1くらいの値段なんですけどね。これでハマれば、徐々にバージョンアップしていこうと。実際、ほぼ毎日使っていて、これは当たりだったなと幸せを感じています。

 

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撮影/小澤正朗 取材・文/倉田モトキ