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2018/6/8 6:00

科学で恋愛は成就する? 賛否両論のオーストラリア婚活番組「一目で結婚」が示していること

オーストラリアのお茶の間をくぎ付けにしたリアリティ番組「一目で結婚」。科学的なマッチングに基づく婚活番組という触れ込みで、これまで4年間毎年放送されてきましたが、現在も続いているカップルはたったの1組だけ。そのせいか、これまでの視聴率はイマイチでした。が、現在のシリーズはなんと最高視聴率を記録。一体なぜでしょうか? そして、科学的なマッチングというのは可能なのでしょうか?

 

科学的なマッチングの仕組み

「Married at First Sight」は、「Love at first sight(一目ぼれ)」からもじってつけられた婚活のリアリティ番組。あえて訳せば「一目で結婚」という番組名になるかと思います。20代~50代の婚活者を募り、応募者の性格や好みなど様々なデータを分析。科学的に男女11組(計22人)をマッチングさせ、その様子を放送するというものです。

 

番組の冒頭部分は、なぜこの番組に応募したかという背景説明で始まり、その後、いきなり初対面で「結婚」することになります。とはいっても正式な結婚ではなく、ただ結婚式を挙げるだけ。それでも、式後に1週間のハネムーンへ出かけ、戻ってから7週間アパートで一緒に暮らし、実際に夫婦のような生活をするわけです。これでは結婚の本当の価値を伝えることにならないとの批判もあり、最初のシーズンが始まる前は1万5000人の署名を集めて番組の中止を要求する声があがったこともありました。

ここで気になるのが「科学的なマッチング」の方法。このマッチングは3人の専門家によって行われます。1人目は博士号を持つ「心理神経療法家」、2人目は心理学士号を持ち、20年の経験がある「恋愛コンサルタント」、そして3人目も同様に15年の経験がある「恋愛コンサルタント」です。つまり、それなりに高いレベルの専門家に依頼していることになります。

 

実際に使うデータはかなり詳細に分類されています。その一部をご紹介すると、背の高さ・体重・育った環境・応募への親の反応、情熱を持っているもの、自身のユニークなこと、いままで一番後悔していること、暇なときの過ごし方、変化と安定への好み、秘密や子どもの有無、現在の生活、これまでの恋愛経験、好みのタイプなどがあります。

 

ただし、上述の質問事項は本人が回答するわけですから、客観的に正確であるとは言えないかもしれません。参加者のなかには初対面でマッチされた相手を毛嫌いしていた人もいるのですから。

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