昨今の文房具シーンにおいて、シャープペンシルの注目度は圧倒的だ。「文房具総選挙2026」で「プレミアムシャーペン部門」が新設されただけでなく、総合大賞では大賞から3位までをシャーペンが独占したのだ。
この結果の背景には、メインユーザー層である中高生における高機能シャーペン人気がある。加えて、リスキリングブームなどにより社会人のシャーペン回帰が起きているのも見逃せない要素だ。
なかでも人気なのが、オートマチック機構(自動芯出し)を搭載したもの。いちいちノックしなくても、芯がなくなるまで書き続けられるため、筆記中の芯切れを気にすることがなくなり、勉強中の集中力が長続きしやすいというのが大きなメリットだ。
資格試験の勉強をするにも時間が限られている大人にとっては、非常にありがたい機能と言えるだろう。
KAYOU+(カーユプラス)の「ORVOⅡ」(オルボ・ツー)は、オートマチック機構を搭載したシャーペンとしては比較的低価格ということもあり、オートマ初心者にもおすすめの1本と言える。

1000円台で買える注目のオートマシャーペン
シャーペンにおけるオートマチック機構はそれなりに複雑な機構であるため、当然ながら搭載した製品の価格はやや高め(だいたい3000円〜)になりがちだ。
また、価格に合わせて軸も金属軸になるなど、全体的に高級路線へ振られてしまう。 もちろんプレミアム感のある高機能シャーペンはそれだけでうれしいものだが、「日常使いのオートマチック・シャーペン(以下、オートマシャーペン)はもうちょっと気軽でもいいのにな」と思わなくもないのである。

その点、中国資本の新しい文房具ブランドとして2025年にデビューしたKAYOU+のORVOⅡは、まず価格が税込み1430円とオートマシャーペンの中ではかなり安価だ。
1000円台前半でオートマシャーペンが手に入るのは、ぶっちゃけかなりお得感があるのだ。
ノック不要で書き続けられる仕組み


自動で芯が出る仕組みとしては一般的なもので、筆記中に芯が減ると先端パイプのフチが紙に当たって、パイプがわずかに後退。バネでパイプが戻る際に芯を引き出すため、パイプ後退分の長さの芯が露出する。
これによって、ノックすることなく芯1本をまるごと書ききることができる、というわけだ。
ただしパイプ周りが前後動することでチャカチャカとした微細なブレを感じることもあり、これが苦手という人もいるだろう。
このブレは機構上どうしても避けられない部分ではあるので、気になる場合は可能なら購入前の試筆をおすすめしたい。

さて、肝心のオートマチックの精度だが、パイプが紙に当たる限りは芯を出し損なうこともなく、かなりスムーズである。何の不満もなく芯1本をノックレスで書くことができた。
真上から強く筆圧をかけると芯がパイプ内部にスコンと引っ込んでしまうが、これは軸内部で芯をくわえるボールチャックが樹脂製なのだろう。低コスト化のためだと思えば仕方ないし、そもそも普通に書いている限りはそういった妙な形で筆圧をかけることもないはずだ。
長時間筆記でも疲れにくい軽量設計
実際に30分ほど書き続けてみて感じたのは、オートマの便利さに加えてグリップの握りやすさだった。
ORVOⅡのグリップは直径約9.4mm。軸径が約8.5mmなので、グリップが軸よりも1mm近く太い形状となっている。

軸が細いのは軽量化に貢献しており、全体重量は約12.3g。機構が複雑なオートマシャーペンとしては非常に軽量だ。さらに特筆すべきは、1.5gもの重さがある真鍮製口金を採用しつつ、この軽さを実現している点。全体がいかに軽く作られているか、数字からもうかがえる。
この軸径そのままだと握るにはやや細すぎて、握る際に指に力が入ってしまう。筆圧の安定と疲労軽減を考えれば、グリップを少し太らせているのは正解だと感じた。

また、グリップの素材であるエラストマーも適度に厚みがあり、ほんのりとしたクッション感がある。
表面はややペトペトした感触があるが、その分、軽く握ると摩擦がギュッと効くような印象で、手汗をかいていても滑りにくい。
グリップパターンは刻まれていないものの、握ったときの安定感は十分以上で、なかなかよくできたグリップと言えるだろう。
日常使いにちょうどいい高コスパな1本

ちなみに重心位置は先端から75mmぐらい。全長が約140mmなので、やや高重心といったところだ。とはいっても重量自体が軽めなので、取り回しにもさほど違和感はなかった。
細い軸のせいで見た目はややヒョロッと頼りない雰囲気もあるが、握りやすく、何よりオートマチックとしての使い勝手は高い。
1000円台で購入できるシャーペンとしては、かなりアリな1本ではないだろうか。