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2020/11/1 19:00

缶チューハイの最新トレンドは“やさしさ”だ! 麹を使ったレモンサワーも登場

缶入りのチューハイやサワーなど、開封してすぐ飲めるお酒やドリンクのことをRTD(Ready To Drinkの略)といい、ここ数年のアルコール市場で特に元気なカテゴリーです。たとえばいまも大人気のレモンサワー。また、数年前には高アルコール度数のストロング系もブームとなりましたが、このRTD界に新風が巻き起こっているのです。本稿はその注目商品を中心に、最新トレンドをレポートしていきます。

↑筆頭は、9月15日発売の「キリン ベジバル」シリーズ(各実勢価格229円)と、10月13日発売の「キリン 麹レモンサワー」(実勢価格174円)

 

野菜と果実の恵みが凝縮したスムージー感覚の新作

RTD界の新風とはズバリ、「やさしさ」です。たとえば、身体に良さそうな素材を使ったり、ナチュラルな製法にこだわったり。これまでも糖質、プリン体、人口甘味料にフォーカスしたオフやゼロ系のカテゴリーはありましたが、さらに素材や製法にもいっそう踏み込んだ新商品が続々登場しています。

↑キリンビールの資料より

 

背景にあるのはやはり、コロナ禍における健康志向の高まり。これはお酒だけでなくフード業界全体のトレンドであり、たとえば昨年大ヒットしたタピオカブームの火付け役「春水堂」(チュンスイタン)は腸活ティーを、「ゴンチャ」はヘルシーなビネガードリンクを新発売するなど、やさしさにフォーカスする流れは勢いを増しているのです。

↑キリンのソフトドリンクでも、おなじみの乳酸菌飲料「iMUSE」が機能性となり、装い新たに11月から発売

 

一連の流れのなかでキリンが今秋新発売したやさしいRTDの第1弾が、冒頭の「キリン ベジバル」シリーズです。こちらはひとことで言うと、スムージーのようなカクテル。野菜と果実をバランスよくミックスし、繊維を含んだ野菜汁と果汁が最大33%使用されています。

↑左から、グリーンmix、レッドmix、オレンジmix。色鮮やかなボトル缶のデザインが印象的です。容量はすべて250mlでアルコール度数は4%

 

グリーンmixはマスカット、キウイ、ケール、小松菜入りで、果汁と野菜が計20%のふくよかなうまみが特徴。レッドmixはりんご、アセロラ、トマトが計31%で、まろやかな酸味がウリ。オレンジmixはオレンジ、マンゴー、ニンジンが計33%で爽やかな甘味を感じられるテイストになっています。開封して飲んでみました。

↑色味が鮮やかで、ルックスはますますカクテル。聞けば、反響次第で中身が見えるボトルを採用するかもしれないとのこと

 

香りにも味にも青っぽい感じはなく、野菜と果汁のうまみや甘みがみずみずしいおいしさです。口当たりもきわめて特徴的で、素材の繊維感を楽しめるジューシーなテクスチャーが絶品。フタの部分が広口になっているのは、この舌触りを最大限楽しむためであり、メーカーの自信を感じます。

↑無炭酸ながら、爽やかな飲み口ですっきり。また、炭酸がないぶんいっそうやさしい味わいに感じます

 

お酒であるため、あえてスムージーという表現をしていないそうですが、飲んだ印象は確かにスムージー。甘めのお酒やカクテル好きな人はもちろん、野菜を摂れるので、罪悪感の低い一本としてもアリだと思いました。

 

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