爆速なSiri AI、高度な画像生成……Apple本社で一足早く体験したiPhone・Mac「2026秋の製品向け新機能」

ink_pen 2026/6/23
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爆速なSiri AI、高度な画像生成……Apple本社で一足早く体験したiPhone・Mac「2026秋の製品向け新機能」
山本 敦
やまもとあつし
山本 敦

オーディオ・ビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。

アップルの世界開発者会議「WWDC 26」の会場で、新しく発表された「iOS 27」「iPadOS 27」「macOS 27 Golden Gate」に搭載されるApple Intelligenceの新機能と「Siri AI」のデモンストレーションを取材しました。

次期アップデートでは、Apple Intelligenceがデバイスのシステムにより深く統合されます。端末内で処理を完結させるオンデバイス処理と、外部のプライベートクラウドコンピューティング(PCC)を組み合わせることで、プライバシーを保護しながら高度な処理を行う仕組みが採用されています。

今年秋の新製品が発売されるころ、iPhone、iPad、Macでどんなことができるようになるのでしょうか。デモンストレーションで撮影した写真とともに解説します。

↑米国本社Apple Parkで開催されたアップルのイベント「WWDC 26」で、次世代のiPhoneやiPad、Macにも関わる、新しいAI機能を体験してきました

写真アプリの頭頂的な「3つのAI編集ツール」

iPhoneでも日常的に使う「写真」アプリの編集機能には、AIを活用する3つのツールが強化・追加されます。

クリーンアップは、写真の背景にある不要なものを指定して消去する機能です。この機能自体は2025年4月に、Apple Intelligenceの各機能と一緒に日本語で利用可能になりましたが、画像の消去と、消した箇所の「埋め戻し」がより正確に、違和感なくできるようになります。

写真の被写体や構図に合わせて、デバイス内での高速処理を使うか、クラウドサーバー上の高品質モデルを選択できます。デモでは被写体の子どもの背景にあった椅子やぬいぐるみを消去。窓のカーテンや子どもの脚、靴下の模様といった、消去した被写体の裏側に隠れていた細部も、AIがきれいに画像を補完します。

↑写真アプリの編集機能として搭載されているクリーンアップを強化。新しいAIモデルにより被写体の解析能力が向上
↑さらに消去した箇所の“埋め戻し”も驚くほどキレイに仕上がります

拡張(Extend)ツールは写真の被写体の周囲に、自然に余白をつくり出す機能です。切り取りツールから「拡張」を選ぶと、写真の枠の外側にある背景をAIが推測して生成します。傾いた写真をまっすぐに直す際に生じる余白も、元の被写体の質感を保ったまま自動で拡張します。

↑新しく加わる拡張機能は、被写体の背景を拡大して窮屈な印象を和らげます。こちらは拡張前
↑拡張後の画像。背景も違和感なく仕上がります

そして3つめの機能は、新規に追加される空間リフレーミング(Spatial Reframing) です。撮影後に写真の視点や構図を変更できる機能です。デバイス内のAIモデルで3Dマップを数秒ほどで作成し、画面をスワイプしたり拡大したりして視点を調整します。デモでは人物の頭の後ろに重なって撮影されていた建物を、避けるように人物の位置をずらすと、修正した箇所のピクセルのみが変更され、元の状態を維持したまま新しい構図の画像が生成されました。

↑元の人物写真。背景の建物が少し重なり気味です
↑人物の写真に影響を与えずに「カメラの向き」を変更しました。背景の埋め戻しも違和感がありません

画像生成がフォトリアリスティックに!

Apple Intelligenceの「Image Playground」アプリも、新しいAIモデルの導入によって、より写実的な画像生成が扱えるようになります。もちろん、従来のアニメ、イラスト、スケッチなどのスタイルも並行して選択可能です。

「写真」アプリのライブラリから人物を指定して、「パン職人として大きなケーキを作っている。柔らかな日差しが差し込む清潔なキッチン」とテキストプロンプトに入力すると、10秒前後でAIがイメージに沿った画像を生成しました。人物の顔の向きや表情も、元の写真から少し変えながらフォトリアリスティックな写真に仕上げてくれます。

↑写真アプリのライブラリにある友人の写真を選択。プロンプトを入力して、友だちの写真を「パティシエ」に変更します
↑驚くほど自然な写真が生成されました

さらにプロンプト入力から「左側にカップケーキを追加して」と入力したり、生成された写真の一部をApple Pencilや指で選択して部分変更も行えます。

↑選択した箇所だけの部分偏光も可能です

フォトリアルなイメージの生成精度が高くなってくると、気になるのがフェイク画像の問題です。Apple Intelligenceに関しては、画像がAIにより生成されたものであることが見分けられるよう、グーグル傘下の研究開発チームであるGoogle DeepMindが開発したAI生成コンテンツ向けの電子透かし技術「SynthID」を採用することで対策しています。

Safariのタブ管理と拡張機能の自動生成

macOS 27ではブラウザアプリケーションのSafariに、多くの情報を素速く整理するためのApple Intelligenceベースの新機能が追加されています。

Safariで複数のタブを開いている状態から、いま閲覧しているページに関連するタブを集めて「ひとまとめ」にするタブの自動整理機能が加わります。例えばショッピング、レシピ、趣味といったトピックごとにタブを自動でグループ化するようなイメージです。

↑macOS 27には、大量に開きすぎたタブの中から、選択したタブに関連するトピックをグループ化してくれる機能が加わります

ユーザーがほしいSafarの拡張機能を、簡単なテキストプロンプトから生成できる機能も追加されます。デモでは「レシピの管理をサポートして。保存ボタンと評価・メモ欄もほしい」と入力すると、数秒でリクエストに沿った拡張機能が生成され、Safariに追加できました。もちろんプログラミングに関連する知識は不要です。

↑テキストをタイピングしてSafariの機能拡張を「自作」できます

通知機能をさらに進化させた「Notify Me」も加わります。これはユーザーが指定したウェブサイトの更新を常時監視して、アップデートがあった時に通知する機能です。デモでは「アイスクリーム店のページで、新しいフレーバーが出たら教えてほしい」とNotify Meに設定して、条件が満たされた時に通知が届く便利な使い方が示されました。

このNotify MeはウェブサイトやSafariのアプリケーション、あるいはMacを閉じた後にも、Macを再度インターネットに接続してSafariを起動すれば通知を届けてくれます。一連の常時監視プロセスはユーザーのデバイス上で動作するため、プライバシーも保護されます。

↑アイスクリーム店の気になる新商品情報を知らせてくれる「Notify Me」をカスタムメイド

ユーザーをより深く理解してくれるSiri AI

新しいSiri AIは、ユーザーの端末の中にあるメッセージやメールなどの情報を横断的に把握します。たとえば「最近、家族に勧められたポッドキャストを教えて」とSiri AIに聞くと、家族と交わしたメッセージの履歴から該当するポッドキャスト番組を見つけて、ユーザーに教えてくれます。さらに「それを再生して」と続ければ、Siri AIが再生をスタート。

↑「最近妹が勧めてくれたポッドキャスト番組」をSiri AIに探してもらい、そのままiPhoneで再生。

Apple MusicやApple TVなどのアップル純正アプリでも、iOS 27のローンチ時に同じことができるようになるそうです。またサードパーティのデベロッパーが手がけるアプリも、Apple Intelligenceの開発者向けツールを使えば、Siriが理解する「ユーザーのパーソナルコンテキスト」に関わる情報網の中に加わるようになります。

デバイスの画面に表示されている内容を、Siri AIが“視覚的”に認識して、関連する操作を提案するスクリーンアウェアネスという機能も加わります。例えばMacの画面にキャンプの持ち物が書かれたメールを開いた状態で、「これをキャンプ用品リストに追加して、帰宅時に荷造りのリマインダーを知らせて」とSiri Aiにリクエストすると、両方のタスクを瞬時に完了しました。

↑Macの画面に表示されているコンテンツをSiri AIが理解。内容をカレンダーとして認識した場合、予定をカレンダーアプリに登録してくれる

Siri AIのビジュアル認識能力の高さは、カメラアプリに新しく加わる「Siriモード」の実力に触れると明らかです。これはApple Intelligenceの「ビジュアルインテリジェンス」と呼ばれている機能に近く、iPhoneではユーザーが頻繁に使うカメラアプリに組み込んで、さらに発展させています。

↑カメラを向けた被写体をSiri AIが解析。内容を教えてくれます

カメラアプリから「Siriモード」を選択すると、あとはシャッターアイコンを操作しなくても、iPhoneのカメラを向けている対象物をSiri AIが認識して、植物の名前や育て方を教えてくれたり、本のタイトルと関連するジャンルからおすすめの書籍を教えてくれます。視覚情報をもとにしたやり取りが可能です。

グーグルが今年の開発者会議で、Gemini Liveによるビジュアル認識機能を組み込んだスマートグラスを発表していました。アップルもこのSiriモードと同じ機能を、何らかのウェアラブルデバイスに搭載することを考えているのではないかと、筆者は予想しています。

体験して驚いた「Siri AIの速さ」

もうひとつ、macOSのSpotlight検索にSiri AIが統合されます。従来通りの操作でSpotlightの検索を立ち上げて、テキストボックスに「家族で旅行に出かけるなら、ハワイのどの島が良い?」と入力したとしましょう。するとシステムが「これはファイルの検索ではなく、Siriへの質問である」と自動で認識して、ハワイの島の見どころを比較した一覧表に写真を添えて、充実した回答を返してくれるのです。

ほかにもメモアプリで会議のメモを選択し、「担当者ごとのタスクをまとめたメールのドラフトを作って」と指示すると、メールアプリに宛先や内容が入力された状態の下書きが自動で作成されました。

↑macOS 27でSpotlight検索を起動。「家族旅行にぴったりなハワイの島」に関する質問をタイプすると……
↑自動的にSiriへの質問であると認識して、答えを返してくれます

デモンストレーションを体験したところ、新しいSiri AIの動作はとても速く、今までのゆっくりとしているSiriのイメージが完全に払拭されました。デバイス自体のスペックは求められますが、最新のiPhone 17 ProシリーズとiPhone Airであれば、Siriが流ちょうな英語で会話できるようにもなります。

Siri AIは2026年内に、対応するデバイスを英語に設定しているユーザーに向けて「ベータ版」の機能として提供される予定です。WWDCの開幕に頃合いを合わせてリリースされたiOS 27のデベロッパーベータなどでは、Apple IntelligenceやSiri AIの一部機能がすでに公開されています。筆者もまた自分のデバイスで各機能を試してみた後に、手応えなどを報告したいと思います。

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