「何を聴くか」とともに「何で聴くか」に注目が集まる昨今。その背景にあるものは、カタチのない“サブスクへの逆襲”なのかもしれない!? モノが好き、そして音楽も好きならば、今こそレガシーオーディオを手に、温故知新の音楽時間を楽しもう。
【私がオススメします】
モノの魅力発掘家・前田賢紀さん
長年モノ雑誌編集者として活躍。現在は独立し、バイクや自転車、カメラ、オーディオ、コーヒーなど「男子的趣味」ジャンルを中心に日々編集に勤しんでいる。
物理メディアという限りある“箱”に音楽を詰め直す喜び
沸騰中のレコードブームに続く“アナログセカンドウェーブ”がカセットだ。語学学習、習い事需要から細々ながらも生テープ、ヘッドの生産が継続しており、近年復活を遂げた。また自家録音テープの中古市場がなかったことから「レコードは売ったがテープはそのまま」という人も多く、「実家のあのテープを久しぶりに聴いてみたい」といった回帰願望が、現在の静かなカセットブームにつながったと言える。かつてメーカーが技術を磨き、必死に抑えようとした「サー」というヒスノイズすら、現在では耳のご馳走なのだ。
CDは1982年の発売から40年以上も第一線を張り続けている現役メディアだが、サブスク勢により戦線を後退させられている。しかし「12cm光ディスクをかけて聴く」ことそのものに若年世代が萌えた! これに応えるかのごとく各社からオーディオ的にもしっかり設計されたうえ、ハイレゾ音源対応、DACやCDリッパーとしても使えるなどの特徴をもつ新機種が、相次いで発売されている。
レコード、カセット、CD……これらのパッケージメディア復権を支持する心理はおそらく、便利だがカタチなきサブスクに対する逆襲。これにほかならないのだ。
CD
回転するパッケージメディアという点でレコードの直系後継者。リマスターや紙ジャケットなどあの手この手でのリリースが続く。アルバム作品として1枚を聴き通すのがCD再生の作法だ。
高度なサーボシステムにより安定したCD再生を実現

MOONDROP
DISCDREAM 2
2万3400円
CD再評価により魅力的なプレーヤーが多数登場しており、カジュアルなデザインと手頃な価格を両立した本機もそのひとつ。CD再生に加え、PC再生からのUSB DACとしても使用可能。CD再生連続9時間のスタミナも嬉しい。
SPEC ●再生可能ディスク:CD/CD-R/CD-RW●端子:USB-C(充電/データ転送)×1、3.5mmステレオミニジャック×1●サイズ/質量:W169×H32(最小時)×D154mm/約416g

【ココがオススメ】PCサイドに置いてUSB DACとしても!
「バッテリー内蔵、音飛び防止機能でアウトドアでも楽しめます。LINE出力からオーディオコンポとの接続もでき、microSDでMP3などのデータ再生が可能など多機能」(前田さん)
木が奏でる美しい響きを堪能する

ビクター
EX-D6
オープン価格(直販7万9860円)
“音のビクター”が長年の研究の末に開発した「ウッドコーン」ユニットを搭載した一体型オーディオ。CD、ラジオはもちろんUSBメモリー再生、Bluetoothによるスマホ再生も実現と現代のニーズに対応。艶やかな表現力が最大の魅力!
SPEC ●再生可能ディスク:CD/CD-R/CD-RW●実用最大出力:20W+20W●端子:3.5mmステレオミニジャック×1、USB×1●サイズ/質量:W450×H136×D290mm/7.05kg

【ココがオススメ】木目調デザインでインテリアになじむ
横幅45cm、奥行き29cmで本棚などにも無理なく置けますがバスレフ穴がある背面には空間が必要。アコースティック楽器同様の、木の振動板が奏でる豊かな響きを楽しもう!(前田)
磁気吸着パーツを搭載して再生時の振動を抑制

シャンリン
EC-ZERO
5万1975円
ソリッドアルミニウム素材を採用し、高い製造品質を感じさせる一台。一般的な3.5mm端子に加え4.4mmバランス端子も備え、HPファンの期待にも応える。BT送信時最大18.5時間、ヘッドホン再生時最大10時間のスタミナ自慢だ。
SPEC ●再生可能ディスク:CD/CD-R/CD-RW●端子:USB-C(充電/データ転送)×1、3.5mmステレオミニジャック×1、4.4mmバランス×1●サイズ/質量:W158×H28.6(最小時)×D150mm/約575.8g

【ココがオススメ】これは必買! の肩掛けキャリングケース
「スライドボリューム、物理ボタンを装備。さらにCDリッパーとして使え、ノートPC派にも嬉しい。オプション『肩掛けキャリングケース』(5940円)は必買!」(前田さん)
カセットテープ
レコードに続くブーム到来でプレーヤーも続々発売! テープ特有のヒスノイズすらサブスクノイズレス世代には新鮮だ。カセットレーベルのデザインにこだわるのも魅力。
Bluetooth対応で手軽に音楽を“飛ばせる”

オーレックス
ワイヤレスカセットプレーヤー AX-W10C(Walky)
オープン価格(実勢6500円前後)
カセットテープを楽しもうとする趣味層にとって手頃で使い勝手の良い「Walky」は福音でしかない。ノーマルポジションの録音再生対応、Bluetooth送信、3.5mm出力などが特徴。リッド(フタ)はホワイトもあるがクリアが人気!
SPEC ●端子:3.5mmステレオミニジャック(外部入力(AUX)/ヘッドホン出力)●Bluetooth:ver.5.0●サイズ/質量:W94×H121.5×D33mm(突起含む)/約200g(乾電池含まず)


【ココがオススメ】再生のみならず録音にも対応!
「ノーマルポジションのみですが録音可能なのが本機の嬉しい点。あえてハイレゾ音源を録音して“令和時代的テープサウンド”を楽しむ、という背徳的な楽しみも」(前田さん)
完全なアナログ回路の採用でピュアなアナログ音質を実現

フィーオ
CP13 トランスペアレント
2万4440円
最盛期の機種よりも“らしい”レトロデザインにそそられる! 本体は堅牢なアルミ合金製。大型フライホイールで走行安定性も高く、高S/N比、低歪みなど音質に配慮した設計が光る。カセット丸見えのデザインも秀逸だ。
SPEC ●出力端子:3.5mmステレオミニジャック●サイズ/質量:W120×H88.3×D31.8mm/約310g(乾電池含まず)

【ココがオススメ】洒脱にカセットサウンドを楽しもう!
「ガチャッと操作するボタン類、金属素材の外装、こだわりのアナログ回路でテープサウンドを魅力的に楽しめます。別売のストレージバッグを手に入れて連れ出したい」(前田さん)
レコード
レガシーオーディオの筆頭と言えるレコードが再び人気に。ディスクを出す→プレーヤーにセット→針を落とすという動作も、音楽を聴くための“所作”として楽しまれている。
伝統のダイレクトドライブが安定した回転を生み出す

テクニクス
SL-50C
オープン価格(直販9万9000円)
伝統のダイレクトドライブ方式を搭載しながら、より暮らしになじむデザインに仕上げたモデル。フルマニュアル操作、フォノアンプ搭載、デンマーク「オルトフォン」製MMカートリッジ標準装備でカラバリは3色を展開。
SPEC ●駆動方式:ダイレクトドライブ●ターンテーブル:アルミダイカスト Φ300mm●回転数:33 1/3、45、78rpm●サイズ/質量:W430×H128×D353mm/約7.1kg

【ココがオススメ】将来的なグレードアップにも対応!
「カラバリ展開からデザイン寄りと思われがちですが、高剛性な筐体設計で、将来的にカートリッジやフォノアンプを格上げする、オーディオ的な楽しみにも応えます」(前田さん)
※「GetNavi」2026年6月号に掲載された記事を再編集したものです。
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