文房具
筆記用具
2021/12/5 19:15

書き味滑らかでオシャレでサステナブルなボールペン「Penon(ぺノン)」は時代が求める条件を全クリア

筆者は、基本的に文房具は“機能で選ぶ”派だ。日常的に高頻度で使うツールだから、機能が優れていた方が正しいに決まっているし、選ぶ意味があると思う。ただ、日常的によく使うからこそ、ルックスがショボいものを使う気にはならない、という“見た目で選ぶ”派の言い分も、もちろん理解できる。使うたびに「うーん、これ見た目がなぁ……」と思っていたら、テンションはダダ下がりだろう。

 

また、自分のテンションの問題に加えて、外からどう見られるかも重要だ。特に筆記具は意外と使うところを他人に見られているので、気を遣っておいて損はないのである。

 

はしゃぎすぎない、ジャストにかわいいボールペン

とはいえ、ただ「見た目の良い筆記具」と言っても、シック系やハイセンス系、ファンシー系、ファニー系といろいろ。そんな中で、かわいいけれど甘ったるくない&落ち着きすぎない品の良さで文房具ファンの間で注目を集め始めているブランドが、クラウドファンディングからスタートした「Penon」だ。達成率800%超えの人気に後押しされ、2021年9月からは一般販売がスタートしている。

Penon(ぺノン)
ネクタイペン/メガネペン
各1300円各1200円(ともに税込)

 

ベースは明るめの木軸に金属パーツをあしらったデザイン。これだけなら単に落ち着いてるペンだなーという印象だが、クリップにあしらわれた「メガネ」「ネクタイ」が、雰囲気を“ほど良くかわいい”感じにしている。

↑クリップにあしらわれた刺繍ネクタイとメガネフレームが、イイ感じに主張している

 

ペンとして使っている時に視界に入ると、「あ、メガネ(ネクタイ)だ」と気付くぐらいの目立ち度合いで、これ以上に主張が強いとやりすぎだし、逆に控えめすぎるとつまらない。このちょうどいいオシャレさのバランス取りは見事だ。

↑手に握るとこれぐらいの目立ち加減。メガネキャラをアピールしたい人の最適解とも言える

 

↑そのまま筆記に使っても面白いが、個人的にはやはり胸ポケットに挿したときが一番かわいいように思う

 

もうちょっと踏み込んでアクセントが欲しければ、「フラッグ」シリーズもあり。ペン後端からにょきっと刺繍の旗が伸びたルックスは、かなりユニークだ。旗の柄には、ハリネズミやリスといった刺繍映えするオシャかわな意匠に加えて、なぜかアゼルバイジャンやソマリアといったレアなものが揃っている国旗シリーズもラインナップしていて楽しい。

Penon
フラッグペン ショート/ロング
各1400円(税込)

 

↑ペン後端からかわいい刺繍旗がピコッと立っているのが、たまらないかわいさ

 

とはいえ、かわいいだけじゃなぁ……と思いながら使ってみると、意外や、書き味もなかなかに優秀で驚いた。ボール径0.5mmのニードルチップからたっぷりめに出るゲルインクは、サラサラ感が強く、なかなかに書いていて気持ちが良い。

 

ちなみにリリース情報には「セラミックボールを使用」とある。ニードル+ゲル+セラミックボールという組み合わせであれば、OHTO(オート)のOEMのような気はするのだけれど、確証はない。

↑正直、かわいいだけのペンだと舐めていたのだが、書き味の良さもかなりのもの。サラサラ好きにはハマる可能性大だ

 

もう一つの特徴が「サステナブルな文房具」だということ

↑リフィルは、替リフィルのパッケージに入れて郵送すればリサイクルされる仕組み

 

ところでこの「Penon」の特徴としてもうひとつ挙げられるのが、サステナビリティに対する取り組みである。

 

まず木軸は、伐採した量以上の植林が約束されている森林認証の木材を使用。リフィルも廃プラが出ないよう、無償で回収しリサイクルへ回す仕組みを作っているとのこと。もちろん、ユーザーレベルではあくまでも心がけ程度の話だが、身近な文房具からSDGsに取り組むメーカーを応援するのは、悪い話ではないだろう。

↑もちろんパッケージもエコなダンボール製。側面にフルート(ダンボールの断面)が見えているのがオシャレ

 

↑開封時は、ストッパーを外すと……

 

↑重なったジャバラがほどけて、このように開く。この構造はかなりカッコイイ!

 

ちなみにパッケージも脱プラを目指して、ダンボール製となっている。薄いダンボールをジャバラに重ねて厚みを出している構造がなかなか面白く、このままプレゼント用にしても違和感のないオシャレさなのだ。

↑パッケージ下部には、ちょっと工作マインドをくすぐるパーツが並ぶ

 

↑切り抜いて組み立てると、このとおりペンスタンドに

 

↑スタンドはまっすぐペンが立つので、やはりフラッグペンが最も似合う

 

さらによく見ると、パッケージからなにかパーツが切り抜けるようになっていた。これを切り抜いて組み立ててみる(のりか接着剤があるとラク)と、ペン1本が入るペン立てが出来上がるのだ。特に「フラッグペン」シリーズを立てるとしっくりハマる感じ。机に立てておくとなかなかキュンとくる雰囲気になるので、入手された方はぜひ組み立ててみて欲しい。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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