みなさんは文房具って、どこで買ってます？
だいたいの人は文具店とか、東急ハンズやロフトの文具売り場とか、大型書店の文具コーナーとか、まぁそういったところだろう。コンビニで、という人も多いかもしれない。もちろんそれが普通なんだけど、ひとつだけ困ったことがある。「文具店に売ってない文房具」というジャンルが存在するのだ。
文具店に売ってないから買えないし、そもそも、そういう文房具があると知ることができない。じゃあ、その文具店に売ってないヤツはどこで買えるのか？ というと、答えはホームセンターだ。
ホームセンターで売っているものといえば、園芸用品や工具という認識だろうが、そのなかに“工具寄りの文房具”という文具店では流通してないものがある。で、そういう文具は得てして使用シーンは選ぶが、ハマれば抜群に便利なもの揃い。知らないとちょっともったいないのだ。
OLFA
上：スピードハイパー AL型 実売価格769円／下：スピードブレード 5枚入り 実売価格248円
今回紹介するのは、オルファの厚物切り用カッターナイフ「スピードハイパーAL型」と替え刃「スピードブレード」。パッケージに“ダンボールカット時の切断抵抗値 約1/2”をうたっている通り、本当にダンボールがサックサク切れるスゴいヤツなのだ。
切れ味を司るのは、もちろん刃の部分。もともとオルファには、通常の刃より鋭角に研ぎ上げて切れ味をアップさせた「特選黒刃」という刃があるのだが、スピードブレードはこの特選黒刃の刃にフッ素コーティングを施してある。このフッ素コートが切断対象に切り込んだ時の滑りを良くすることで、抵抗を大幅に減少させているのだという。
実際に既存のノーマルL刃とダンボールを切り比べてみると、違いは歴然。ノーマル刃が「ググッ…ズズズズズズ…」と刃が進むのに対して、スピードブレード刃は「グッ…シュパッ！」という感じ。刃がダンボールに食い込んでから切り進めるまでの滑らかさは、ちょっと常識では考えられないレベル。切断抵抗1/2という数値はブラフではなさそうだ。
正直なところ、薄いダンボール（Amazonの梱包の中に入ってる固定用の薄いヤツとか）なら、感覚的にはコピー用紙を切ってるのとさほど変わらない切り心地である。大げさじゃなくて本当に。
流通の現場でダンボールを大量に切って解体する場合など、だいたい手がプラプラになるほど疲れてしまうものだが、スピードブレードは滑らかすぎて疲労も少ない。この切れ味は、誰が試しても体感できるほど明確に違う。いままで「ダンボールを切って手が疲れた」という経験がある人は試してみるべきだし、仕事でL刃のカッターをよく使うという人は絶対に使ってみてほしい。
ただひとつ、滑らかさのポイントであるフッ素コート層はわりと簡単に剥げてしまうため、体感的に切れ味が落ちるのも早い。とはいえ、この滑らかな切れ味が重要なので「ちょっと切りにくいかなー」と思ったら即座に刃を折って更新しよう。
で、刃だけがいいのかというと、標準でスピードブレード刃を搭載しているカッターナイフ本体「スピードハイパーAL型」（ハイパーAL）もなかなか良いできである。
ボディ全体は黒いエラストマーで包まれており、強く握ると「ビタッ！」と手に吸い付くような感覚がある。これなら軍手をはめたまま握っても、グリップが滑るようなことはなさそうだ。スライダ式なのに厚物を切っても刃が動かないオートロック機構も剛性が高く、がっちり感が高い。
工具として木板やカーペットなどをガンガン切るならネジで刃を固定するネジロック式の方が安心感があるが、ダンボールを切る程度ならスライダでカチカチと刃を出すだけのオートロックスライダ式の方が使い勝手は良いだろう。
あと、地味に便利なのがボディの後ろに付いている金属製の爪。これが紙に折り筋をつけたり、ダンボール箱の開梱に使ったり、塗料缶のフタをこじあけたりと、なにかと使えるのだ。オルファでいうとL刃用のハイパーシリーズに搭載されているこの爪。本当に便利なので、S刃のボディにも付けてくれないかな。