グルメ
菓子
2016/8/18 6:00

ヤマザキナビスコ“の”リッツとオレオは今月で終了! 9月から新クラッカー「ルヴァン」投入へ

ワインのお供、チーズ盛りの付け合わせといえば、クラッカー。生ハムやサーモン、トマトを乗せるという方もいるかもしれません。私も子どものころ、ホイップクリームとジャムを乗せたクラッカーがおやつにでてきた記憶があります。

 

そんなクラッカーを日本に定着させた商品を挙げるなら、「リッツ」の存在は欠かせないでしょう。日本発売から46年、クラッカーの王様ともいえるお菓子。ですが、なんと、8月31日をもってヤマザキナビスコが販売製造を終了してしまうのです。同じく「オレオ」「プレミアム」もライセンス契約が終了。

↑左からリッツ、オレオ、プレミアム
↑左からリッツ、オレオ、プレミアム

 

このニュースが発表された今年2月、twitterにはそれを悲しむ声が飛び交い、とあるニュースサイトには3000件弱のコメントが寄せられるなど、大きな話題になりました。なかには、「もう沢口靖子さんとリッツパーティーができない」と嘆く声も。

 

ではでは、日本のクラッカー文化はどうなってしまうのか。ご安心ください。これらのブランドのライセンスを持つモンデリーズ・ジャパン(「クロレッツ」や「ホールズ」を販売している会社)から、引き続きリッツとオレオが販売されます。

 

とはいえ気になることも。それは「メイド イン ジャパン」ではなくなってしまうこと。日本のお菓子のクオリティの高さは、これまで私が取材した韓国のアーティストも絶賛。「お菓子の種類が多くておいしいから、コンビニやドン・キホーテに行くのが好き」と口をそろえます。アメリカやヨーロッパの方にも言われたことがあるので、その感覚は概ね正しいのでしょう。ともなれば、外国産で販売するということは、モンデリーズ・ジャパンにとってひとつの挑戦かもしれません。

 

ヤマザキナビスコでは、これまで日本の工場でこれらの商品を作ってきました。なかでもリッツは、本国アメリカと同じレシピを使ったとしても、気候も風土も異なる日本では同じ味が出せないと、製粉会社と協力して日本向けの小麦粉作りからスタートした商品。また、クラッカーのおいしさの秘密、絶妙な塩加減と均一な散布を叶えているのは、自社開発の塩かけ用トッピング装置だそうです。

 

当時のこの熱い姿勢はその後も受け継がれ、今もその日の気温や湿度に合わせて仕込水量やミキサー温度を変えるなど職人の管理のもと生産しているとか。こうして生まれた日本版リッツをモンデリーズ・ジャパンでは、インドネシア工場(オレオは中国工場)で作るそうです。

 

日本とは異なる気候の国で同じ味が保たれる可能性は、正直低そうですが、それがいいほうに転ぶ可能性も十分にあるので、個人的に楽しみ。ちなみに現時点では、「オレオ 抹茶クリーム」の発売予定はないようで、代わりに「ストロベリークリーム」が新発売されます。女性に人気が出そうですね。

20160817-a09 (10)
↑左から「オレオ 抹茶クリーム」、「オレオソフトクッキー 抹茶ミルク」、「オレオビッツサンド 抹茶」

 

……と、リッツ&オレオの今後をご紹介したところで、じゃぁ、ヤマザキナビスコはどうするのか。リッツ作りのノウハウを総動員し、クラッカーの新ラインを発売します。昼間の製造ラインを止めることができないため、深夜や休日返上で開発されたんだそうですよ。

 

20160817-a09 (8)

それがこちらの「Levain(ルヴァン)」。ルヴァンとは、フランス語で発酵種のこと。発酵種とは製パンに使われるもので、パンの風味や旨味、食感を向上させるものだそうです。それをクラッカーに使用するとは、さすがヤマザキ製パンの子会社ですね。

 

20160817-a09 (4)

原稿を書きながら、リッツ(ヤマザキナビスコ製)とひと足お先にいただいたルヴァンを食べていますが、確かに香ばしさが増した気がします。冷蔵庫にあった豚レバーペーストもディップ! ワインがほしくなるおいしさ。おつまみにもデザートにもなる、何にでも合う味が愛される理由ですよね。塩気加減がちょうどいい。

 

20160817-a09 (9)

ルヴァンには、プレミアムのような素朴な味が特徴の「ルヴァン クラシカル」シリーズや、オレオのように様々な味のクリームをサンドした「パック」シリーズ(こちらには抹茶味あり)、ミニシリーズなどが用意されています。

 

20160817-a09 (5)

気になるCMモデルは、引き続き沢口靖子さんが担当されるそう。「オン ザ ルヴァン」を合言葉に、今後はルヴァンパーティーが行われるのか気になるところ。なお、ルヴァンシリーズは9月初旬から発売予定です。

 

新たな挑戦に挑むクラッカーの王様「リッツ」と、日本版リッツの正統な継承者ともいえる「ルヴァン」。9月になったら両方が店頭に並ぶので、ぜひ食べ比べてみてくださいね。

 

【URL】

ヤマザキナビスコ http://www.yamazaki-nabisco.co.jp/