乗り物
2017/5/24 17:00

【画像多数】変速に異常を感じたらワイヤーが問題かも? ロードバイク・シフトワイヤーの交換方法

ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「シフトワイヤーの交換」についてレクチャーしていきます。ギヤが何枚付いていても、スムーズな変速ができなければ意味がありません。変速に異常を感じているのに、ギヤやチェーンに問題がなければ、シフトワイヤーの交換が必要です。

 

【使用する工具】

20170510-ロードバイク-(27)

アーレンキー

 

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プライヤー

 

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ワイヤーカッター

 

【ギヤをインナートップに】

まず、ワイヤーのテンションを低くするためにギヤを前後ともインナートップの位置にセットする。

 

1.フロントギヤをインナーの位置にセットする。

20170510-ロードバイク (2)

 

2.ギヤをインナートップの位置にする。こうすると、ワイヤーテンションが最も低くなる。

20170510-ロードバイク (1)

 

【古いワイヤーを抜く】

その状態でリアディレイラー側のインナーキャップをプライヤーで外す。インナーキャップは取り外しにくいが、乱暴に取り扱うとワイヤーがほつれて引き抜きにくくなるので、丁寧な作業を心掛けたい。

 

3.まずリアディレイラー側のインナーキャップをペンチなどで外す。潰してあるので、無理やり抜かないように。

20170510-ロードバイク (3)

 

4.アーレンキーでディレイラーのワイヤー固定ボルトを緩め、ワイヤーを抜き取る。

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5.ワイヤーが固定されていないとこのような状態になる。続けて、アジャスターを緩める。

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6.アウター受けからアウターワイヤーを取り出し、インナーワイヤーを抜き取っていく。

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【シフターからワイヤーを抜く】

そして、ディレイラーからワイヤーを抜き取り、アウター受けからアウターワイヤーを取り外してフリーになったところでアウターワイヤーを取り外す。ブレーキレバーからシフトワイヤーを抜き取るときは、車体裏のワイヤーガイド側から丁寧に抜き取っていこう。

 

7.グリップラバーをめくって、ハンドル下部からワイヤーを抜き取る。

20170510-ロードバイク (7)

 

8.ハンドル部分からワイヤーを引っ張ると、ワイヤーガイドを通ってインナーワイヤーが抜けてくる。

20170510-ロードバイク (8)

 

【アウターを準備する】

新しいアウターワイヤーを適切な長さにカットするときは、古いワイヤーの長さに合わせれば手っ取り早い。

 

9.ワイヤーカッターでアウターワイヤーを切る。取り外したアウターワイヤーに長さを合わせると間違いがない。

20170510-ロードバイク (10)

 

【新しいインナーを通す】

新しいインナーワイヤーをブレーキレバーに通し、出てきたインナーワイヤーはアウターワイヤーに挿入。

 

10.新しいインナーワイヤーを7.とは逆の手順でブレーキレバーに通す。

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11.まっすぐ通すと、反対側からワイヤーが出てくるので、そちら側を引っ張ってタイコを固定する。

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【新しいアウターを通す】

12.出てきたインナーワイヤーをさきほど切ったアウターワイヤーに通し、アウターカップをはめる。

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13.ハンドル部分のワイヤー取り付け口はこのようになっている。取り回しは選べるが、ハンドル内側にワイヤーを固定する溝がある場合は内側を通す。こうしておけば、バーテープを巻きやすい。

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【シフトワイヤーをセットする】

ダウンチューブのフロントホイール上部にあるアウター受けに取り付ける。ブレーキレバーからリアホイールまでワイヤーを通すとき、車体裏のワイヤーガイドを通すのを忘れないようにする。リアホイールまで通したら後部のアウターワイヤーを被せる。

 

14.ダウンチューブのフロントホイール上部にあるアウター受けにインナーとアウターワイヤーを通していく。

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15.そこからリアホイールまで持ってきたら、アウターカップをはめて、アジャスターに通す。

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【ワイヤーを固定する】

さらに、アジャスターに通してリアディレイラーにつないでボルトで固定する。また、ここでは仮締め状態で固定しておき、シフトワイヤーの状態を全体的に確認する。さらにハンドルを切ってシフトワイヤーが操作を邪魔しないかなどもチェック。問題がないようなら、ボルトを本締めしワイヤーをしっかりと固定する。ここまでの作業が終わったところで、余分なインナーワイヤーはカット。これを途中工程で行うと、短かく切りすぎたということにもなりかねないので、この時点でカットするのがポイントとなる。余分なワイヤーをカットした らインナーキャップをはめ、シフトチェンジが正確に作動するかを確認して作業終了となる。

 

16.アジャスターからディレイラーにつなぎ、ボルトで固定する。固定する位置を間違えないように注意する。

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17.しっかり固定してから、ワイヤーを切る。長さが変化する可能性があるので、本締めしてから切ろう。

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18.先端にインナーキャップを潰して被せる。潰しておかないと外れてしまうので、忘れないように。

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【シフトの具合をチェック】

19.実際に、シフトチェンジをしてみよう。異音がしないか、スムーズに変速できているかなどを確認して終了だ。

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【フロントのシフトワイヤーの交換】

フロントギヤのシフトワイヤー交換も基本的にはリアと同じ要領となる。ワイヤーの留めはフロントディレイラーの上のボルトを通して締める。ここもハンドルなどの操作性をチェックしてから、しっかりとボルトを締めること。

 

20.フロントも、基本的にはリアと同じ要領で交換を行う。最後に、ディレイラー上のボルトを通して締める。このとき、ディレイラーに指を入れないように注意する。

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21.上部から見て、この状態で行う。ギヤはワイヤーのテンションを緩めるために必ずインナートップにセットする。

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22.フロントディレイラーにはワイヤーを通すための溝があるので、この部分に通す。

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23.溝にワイヤーを通せば、ワイヤーを潰すことなくボルトで締められる。

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【シフトの具合をチェック】

そして、最後に作動テストをして正常にシフトチェンジするかを確認する。この周辺にはシフトワイヤーを通すガイドがあるので、そこにワイヤーを通せばいい。なお、ひとつ注意すべきは、狭い箇所の作業なのでディレイラーに指を挟んでケガをしやすいということだ。慎重な作業が望まれる。

 

24.最後にフロントギヤのシフトチェンジをしてみて、問題がないかを確認する。

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【こちらもチェック】

アウターワイヤーのカット処理

アウターワイヤーをカットしたらカット面が潰れていたという経験の持ち主は少なくない。これはアウターワイヤーの内側にある鉄線がカットを阻んでいるからだ。切り口のギザギザはヤスリで削り落としておけば、作業がやりやすくなる。

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カット面の様子。潰れているのがわかる。

 

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潰れている切り口は千枚通しで修正できる。