文房具
筆記用具
2022/12/23 19:30

触れば驚く!世界の名画を立体プリントした「アートペン」が今までにない感覚!

美術館に併設されたミュージアムショップが人気を集めている。近年は気の利いたグッズ展開に工夫を凝らす展覧会も増え、ユニークなオリジナル文房具がゲットできることも多いのだ。

 

例えば、いまミュージアムショップで買える大注目のボールペンとして「タッチミー! アートペン」の存在を知っているだろうか。これはペン軸に立体的な特殊印刷を施したもので、まさに名前の通り、“触れるアート”という感じ。その印刷精度の高さと美しさは、チェックしておいて絶対に損のないレベルなのである。

 

ミュージアムショップで人気の「触れる名画」ボールペン

ペノンの「タッチミー! アートペン ゴッホ」シリーズは、お馴染みの「ひまわり」や「星月夜」といったゴッホの名画を、六角の木軸にプリントしたボールペン。

ペノン
タッチミー! アートペン ゴッホ(全10本)
各1500円(税込)

 

↑ダンボールを重ねて組んだ、プラスチックや接着剤不使用のサステナブルなパッケージ

 

所沢の角川武蔵野ミュージアムで11月まで開催されていた「ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー」展でお目見え。現在も同ブランドのECサイトなどで販売されている。

 

そもそもミュージアムショップの売り上げ1位といえば、どの展覧会でもポストカードと相場は決まっている。そんななか、このゴッホ展において「タッチミー! アートペン」は、ポストカードに次ぐ売り上げを、それ以下を引き離して記録したという。

 

やや言い方は悪いが、1500円もするボールペンがそこまで売れるとは、ちょっとした事件に近い。

↑筆者がチェックしたタイミングでは、人気の絵柄がすでに複数売り切れていた

 

なぜそこまで人気を集めたのか、これは実際に見てもらうほうが話が早いだろう。

 

ペノンのアートペンはいったいどこが凄いのか?

木軸に施された立体印刷は、ゴッホのあの鮮烈なタッチを再現したかのようで、印刷や写真ではなく、本物の油彩の質感そのものだ。正直、ペン軸に名画が印刷されたものは従来、ミュージアムグッズとしてさまざま発売されてきたが、この立体印刷は迫力のケタが違う。

↑ゴッホ「自画像」も、本物の油彩を間近で見るようなリアル感

 

↑ペンを握ると、ゴッホの力強いタッチが指先から感じられる

 

↑「星月夜」と、ペン軸(右)の比較

 

このアートペンにいったいどのように印刷を施しているかというと、六角形の木軸の1面ずつにまず立体感のある特殊印刷を施し、次いで上からまた1面ずつ彩色印刷を施していく。つまり計12回の印刷によって、ようやくペン1本ができあがるという、壮絶に大変な作業だ。

 

その上、面と面の境での印刷ズレの誤差は0.2mm以下という驚異的な精度である。当然ながら木軸は1本ごとに微妙な差があるし、湿度で歪みも発生する。それを0.2mmの精度で12回印刷するのがどれほどのものか、想像できるだろうか。(しかも次の印刷面を出すために軸を回転させるのは、手作業!)

↑立体印刷ができる特殊なインクジェットプリンターで、1面ずつ印刷を重ねていく

 

もはや、ペンの製造行程自体がアートなのでは? という気分である。

 

ボールペンとしての機能性も特筆もの

このペノン、そもそもペンとしての性能が優秀なのもポイントのひとつ。ゲルインクを搭載したニードルポイントのペン先は、たっぷりとしてフローがあり、書き味なめらか。正直、サラサラした気持ちよい書き味だけでも、このペンを選ぶ価値があると思うほどだ。

【関連記事】欲張りすぎでは…書き味滑らかでオシャレでエコなボールペン「Penon(ぺノン)」は時代が求める条件を全クリア

 

↑馴染むとクセになる、サラサラ感強めな書き味

 

ラインナップは、このゴッホシリーズに加えて、印象派シリーズ(モネ「睡蓮」、ルノアール「春のブーケ」など10本)もそろう。さらには浮世絵(北斎・国芳など)シリーズなども展開予定とのこと。今後は全国で開催される美術展・展覧会にあわせるように増えていくようだ。

 

↑アートペン第2弾となる印象派シリーズの10種

 

展覧会を見た後にポストカードや図録を買って帰るのもいいが、これからは「触れるペン型名画」も選択肢のひとつに入ってくるかもしれない。お気に入りのアートに直接触れながら書く楽しみ、ぜひ体験してみて欲しい。