米コストコ、「複合型マンション」の建設に挑むのはなぜ?

ink_pen 2024/7/4
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米コストコ、「複合型マンション」の建設に挑むのはなぜ?
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

コストコが今、米ロサンゼルスで住宅を建設しています。米国でも日本でも人気の会員制スーパー、コストコが手がける住宅はどんなものなのか? そもそも同社はなぜ住宅を建てることになったのでしょうか?

↑住宅建設に挑む米コストコ

 

かつて病院として使われていた、南ロサンゼルスの5エーカー(約2万平方メートル)の空き地。コストコが建設計画を進めている住宅は、そんな場所にあります。コストコのウェブサイトによると、店舗の平均的な大きさは約1万4000平方メートルなので、ロサンゼルスの新店舗は大規模になるとわかります。

 

しかし、コストコの計画を阻んでいるのが、現地の建築規制。ロサンゼルスではこのような大型店舗を建設するには、さまざまな規制があるというのです。

 

そこでコストコは、それらの規制の一部が免除されるという「多目的住宅開発」プロジェクトとして、店舗も併設された住宅の建設を進めているのです。この条件に合うためには、開発計画の3分の2が住居である必要があり、全800戸の住居が作られます。コストコの完成予想図によると、1階にコストコの店舗が、2階から6階までが住居になる模様。

 

住居のタイプは、ワンルーム(32平方メートル)、1LDK(42平方メートル)、2LDK(56平方メートル)の3つ。カリフォルニア州は平均家賃が月2800ドル(約45万円※)と米国でも高額なエリアで、18万人以上がホームレスとして生活しており住宅危機に瀕しています。そのため、このコストコの住宅では比較的手狭なタイプが多く、約2割強は低所得者向けの低価格住居として提供されるのだそうです。

※1ドル=約161円で換算(2024年7月4日現在)

 

また、人件費削減のため、コストが低いエリアで各住居部分を建設し、それをトラックで運んで現地で組み立てるプレハブユニット方式であることも、手狭な部屋タイプが多い理由の一つであるとのこと。

 

ジム、屋上プール、中庭、多目的コミュニティスペースもあるという、この多目的住宅。コストコはこの計画とコンサルタントに数百万ドル(数億円)を投じてきたと言われています。しかし、現地当局から承認されて計画通りに完成するかどうかはまだ不明であると、地元では報道されています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Costco’s ambitious new plan to help fix California’s housing crisis. June 28 2024

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