ワールド
2023/8/4 18:30

米フードデリバリーの配達員が客の食べ物をがぶり。同情の声があがる理由とは?

日本人にはなかなか理解できない海外のチップ文化。チップは法律で決められていることではなく、あくまでも慣習の1つですが、チップを払う側と受け取る側で考え方が違うことから、米国でもたびたび議論が起きています。例えば、先日、チップの金額に不満だったフードデリバリーのドライバーが、とんでもない行動を起こしました。

↑不満爆発

 

米国のフードデリバリーサービス「ドアダッシュ」のドライバーとして働いているある男性が、自身のSNSに「少ないチップに反抗する」様子を動画で紹介したのです。

 

それによると、彼は顧客から5ドル(約710円※)のチキンバーガー1個を16km離れた場所まで配達する依頼を受けた模様。チップの目安となる金額は州によって異なりますが、食事代金の総額に対して20%前後を支払うのが一般的です。今回は5ドルの注文だったので、チップは1ドル程度にしかなりません。

※1ドル=約142.5円で換算(2023年8月4日現在)

 

そのドライバーは、自分が依頼された仕事が「安すぎる」と感じたのでしょう。彼はドアダッシュに「クルマのタイヤがパンクした。現在ロードサービス待ち」と、実際はパンクなどしていないのに、うそを報告。その間に顧客のチキンバーガーを食べ始めたのです。

 

自分が受けた仕事の金額やチップに不満だからと言って、「パンクした」といううそをついて、顧客の注文まで食べてしまったこのドライバー。動画には「そもそも、この依頼を断る選択肢はなかったのか?」「(注文を届けたら)お客さんが現金でチップをくれるかもしれないのに」と、彼の行為を否定するコメントが寄せられました。

 

しかし、レストランのウエイター/ウエートレスなどと同じように、フードデリバリーのドライバーも時給が低めに設定されていて、チップが大きな収入源になっていることも事実。そのため、コメントの中には「よかった、楽しんで!」「私も同じ言い訳をしたことがある」など、彼の行為に賛同する声も少なからずあったようです。

 

賛否を呼ぶこのドライバーの行為。決して褒められたものではありませんが、彼のように不満を抱えている労働者は多いのかもしれません。弱者を守る制度が求められているようにも見えます。

 

【主な参考記事】

Yahoo! News. DoorDash Driver Says He Lied About Getting A Flat Tire So He Could Eat A Customer’s Order Who Didn’t Tip Enough. July 31 2023