3Dプリンターは立体物を自由に生み出せる夢のようなツール。特に最近は初心者でも扱いやすい製品が増え、人気が高まっている。
そこで40機種以上を試したという3Dプリンターのプロ・かけるさんに、入門に最適なFDM方式3Dプリンターの最適なモデルを教えてもらった。 この春、自腹買いした本誌編集部員の感想も交えながら紹介!
【Profile】
YouTubeチャンネル「かける工房」運営者・かけるさん
幼少期からモノ作りが趣味で、学生時代にはJAXAでジェットエンジンの開発に携わった経験も。現在はベンチャー企業で機械設計エンジニアとして活躍中。
【私が自腹買いしました】
GetNaviデスク・鈴木翔子
かけるさんの動画を見て「これは面白そう!」と購入を決意。設置場所との兼ね合いで小型のバンブーラボの「A1 mini」を選びました。組み立て&設定が簡単で、開封からたった30分で初印刷できてビックリ!
【小型モデル】造形サイズ250mm未満
手頃な価格ながら抜群の使いやすさ! 3Dプリンターブームの火付け役

バンブーラボ
A1 mini
5万2800円
造形サイズが220mm角と「A1 mini」よりも大きく、かつオプションなしで多色印刷できるのが魅力。箱型の金属フレームが高速印刷時の振動を抑制し、安定した造形が可能です。カメラ機能はないもののWi-Fiとクラウドに対応し、遠隔操作も問題なし。純正オプションでエンクロージャーキット(9020円)を付け、密閉型に近づけることもできます。
単体で多色印刷に対応! 振動を抑えて安定した造形を実現

フラッシュフォージ
AD5X
5万9400円
使いやすさと高速・高精度を驚きの価格で実現した、小型モデルの決定版。Wi-Fiとクラウドに対応しカメラも付いているため、出先からデータを送信して印刷を開始したり、その様子を確認したりできます。PC・スマホともにアプリの使い勝手も良好。もう少し大きいものを作りたい人には、造形サイズ256mm角の「A1」(7万800円)もおすすめ。
とりあえず試してみたい人に! 約3万円で始める3Dプリンターライフ

クリアリティ
Ender-3 V3 SE
3万1999円
3万円台前半で購入でき、「手軽さ・速さ・コスパ」の3拍子が揃った、極めて完成度の高いエントリーモデル。発売から少し時間が経った製品なので、データの送信がWi-FiではなくSDカードであったり、多色印刷に対応していなかったりはしますが、コストを抑えて3Dプリンターを始めたい人には、うってつけのモデルです。
【中型・大型モデル】造形サイズ250mm以上
必要十分なサイズ感で対応素材も豊富なバランス型

バンブーラボ
P2S
10万9000円
256mm角という必要十分なワークサイズを備えた密閉型の中型モデル。筐体が大きすぎず家庭でも扱いやすいサイズ感です。オープン型モデルでは印刷できないABSやポリカーボネートにも対応するので、PLAやPETGのみを印刷する人は造形サイズが同じでオープン型の「A1」を、ABSやポリカーボネートなども印刷したい人は本機を選ぶといいでしょう。
手頃なのにそつなくこなす大型モデルのエントリー機

クリアリティ
Ender-3 V3 Plus
7万2900円
300×340×300mmと造形サイズがかなり大きいのに7万円台とリーズナブルなオープン型。印刷速度と加速も十分でスピーディに印刷できます。印刷ヘッドに冷却ファンが2個搭載されているので、印刷速度が早くても溶けたフィラメントが垂れず、仕上がりもきれい。Wi-Fi、クラウドにも対応。カメラは非搭載ですが、別売り(3000円)で追加もできますよ。
高機能素材が使えて造形サイズも大きい! 仕事でも使える一台

バンブーラボ
H2S
19万5800円
同社の大型機「H2」シリーズのなかで最も造形サイズが大きく、圧倒的に高コスパ。ドローンフレームなど大型パーツの一体成形も可能です。ホットエンド(※)の最大温度が高く、ボックス内も最大65°Cに保温できるので、ポリカーボネートやナイロンといった高機能素材にも対応。業務用としても頼れる一台です。レーザーカッター機能と多色印刷用オプションがセットになったもの(34万4000円)もあります。
※:プラスチックを溶かす部分


「多種ある樹脂の中でPLAやPETG、TPU製のフィラメントはどの機種でも使えます。一方、高強度なABSは加熱すると有毒ガスが出るので、使えるのは外装で覆われた密閉型のみ。なお、PLAなどオープン型で使える素材もニオイ等は発生するので、フレームが剥き出しのオープン型は常に換気をしたり空気清浄機をつけたりしましょう。また、別途エンクロージャー(外装)を付けるのもおすすめ。室温の変化やエアコンの風の影響が減り、造形の安定性も高まりますよ」(かけるさん)
3Dプリンターと一緒にそろえたい! 便利アイテム
プラスで用意すると作品をよりきれいに仕上げたり、使い心地を高めたりできるアイテムを厳選して3つ紹介!
【アイテム1 】フィラメントドライヤー

サンステラ
SUNLU「FilaDryer S2」
1万2000円
フィラメントは空気中の水分を吸収すると、糸引きと呼ばれる蜘蛛の糸のようなものが発生するなど、トラブルが発生しがち。吸湿してしまった場合は乾燥させると復活するため、フィラメントドライヤーと呼ばれる乾燥機を一台持っていると便利。
【アイテム2 】スマートプラグ

スイッチボット
プラグミニ
1980円
最近の3Dプリンターはクラウドサービス付きが多く、出先からでもデータを送信し印刷できる。ただしクラウドでは、本体の電源を入れることはできない。そのため、スマートプラグを繋いでおくと、出先から電源を入れられるようになる。
【アイテム3 】スティックのり

トンボ鉛筆
シワなしピットG
440円
造作中の失敗で最も多いのが、ビルドプレート(作品が積み上げられる際にベースとなるプレート)から作品が剥がれてしまうこと。その対策としてよくとられるのが、フォームにスティックのりを塗るという方法だ。なかでもユーザーの間で最もよく使われているのが「シワなしピット」。広い面に塗るため、最も太いGタイプを常備しておくのがおすすめだ。
「いまや仕事を始める前に造形開始ボタンを押すのがルーティン。昼食を食べる頃には完成しているので、時間を有効活用した気分にもなれます。棚にシンデレラフィットする仕切り板を作ったり、名前入りのおもちゃを作って甥っ子にプレゼントしたりと、できることがたくさん! 目下の目標は、モデリングを勉強してオリジナル作品を作ること。学び欲も刺激され、ひとり時間が充実しまくりです!」(鈴木翔子)
※「GetNavi」2026年6月号に掲載された記事を再編集したものです。
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