【開発秘話】1993年の誕生から現代へ——ヤマハ「PAS」が挑戦し続ける“カッコいいeBike”の系譜

ink_pen 2026/8/30
  • X
  • Facebook
  • LINE
【開発秘話】1993年の誕生から現代へ——ヤマハ「PAS」が挑戦し続ける“カッコいいeBike”の系譜
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

見モノ、識るモノ、語るモノ

傑作品が生まれる背景にはストーリーがある。モノに触れ、知識を得て、思わず人に語りたくなる雑学蘊蓄。今回の主役は、自転車とオートバイの間に位置する乗り物の可能性を探求してeBikeを生み出した、ヤマハ発動機の最新電動アシスト自転車だ。

街に映える、PASのミニベロできました

ヤマハ
PAS CRAIG ALLEY(クレイグアリー)
13万8000円

電動アシスト自転車の代名詞的存在「PAS」に誕生した、街に映えるスタイリッシュデザインのミニベロタイプ。シンプル&ストレートにこだわったフレームワークと幅広いハンドルポジション、内装3段変速ギアと小径20インチながら衝撃を吸収しやすい太めのタイヤで、シティライドをより楽しく、快適にする。バッテリーはスタミナのある15.8Ah。

↑「街にさりげなく映えるスタイリッシュなミニベロ」を具現化した直線基調でシンプルな佇まいは、デザイナー寳田直己さんのお手柄だ。

【COLOR】

マットエクリュ
カーキジェイド2

有志によるプロジェクトから始まった世界初のeBike「PAS」

ヤマハ発動機ランドモビリティ事業本部・碓井紗和さん。本製品の企画を担当。「2024年発売の『PAS CRAIG』ユーザーは、デザイン重視という若年層が圧倒的でした。『PAS CRAIG ALLEY』もそうした感度に応えられるようこだわりました!」

電動アシスト自転車(以下、eBike)が街の風景となって久しい。配達業務に、通勤通学に、子供の送り迎えに、そしてスポーツや趣味に、と。その出発点は1993年にヤマハ発動機が発売した世界初のeBike「PAS」にまで遡る。

当時、開発を担ったのは事業開発室。なかでも“免許不要で自転車とオートバイの中間にチャンスがあるのでは?”というテーマのもと集まった、有志によるプロジェクトだった。技術的課題、法適合なども含めて活動を加速。’89年にプロト試作車が完成。’93年の地域限定販売の後、’94年春に全国発売すると好セールスを記録。その後、スポーツタイプの「PAS Brace」(’08年)、子乗せ三人乗り「PAS Babby」(’12年)、ロードタイプ「YPJ-R」(’15年)など、その可能性を拡大してきたヤマハが新たに世に問うモデルが「PAS CRAIG」(’24年)である。

「カッコいいeBikeと言えばスポーツモデル『YPJ』が筆頭ですが、スペックも敷居も高い。しかし『PAS CRAIG』ならシンプルなデザインで価格も手頃なうえ『通勤でも乗るから!』と家族への言い訳も(笑)。購入ユーザーは20~30代の男性で『eBikeは初めて』『子乗せeBikeに加えて自分用に』という方が目立ちます」と、企画担当の碓井紗和さん(以下同)。鉄素材による細身のフレームワーク、必要十分な装備で買いやすい価格という特長は、従来の「PAS」になかった組み合わせだ。

そんな「PAS CRAIG」の新メンバーが、ミニベロ(小径車)の「PAS CRAIG ALLEY」。

ロゴの秘密は?:「PAS CRAIG ALLEY」らしい都市のビル群をイメージさせるロゴデザイン。「このロゴの裏話、初公開です」と碓井さん。

デザインDNAは共通するが、ミニベロゆえのホイールベースの短さから、たとえばシートステーと後輪車軸をオフセットして直線性を保つなど独自の工夫も。さらに注目すべきがそのハンドルだ。

ブリッジハンドル:BMX風のハンドル採用で前後/上下に調整可。ショップでの購入時にはベスポジにセッティングしてもらうべし。

「BMX風で見た目重視と思われがちですが、実はハンドル位置の上下/前後調整ができ、体格や好みの乗車姿勢に合わせられる“機能するデザイン”です。またミニベロは小回りが利き、ストップ&ゴーも軽やかなのが特長ですが、反面たくさん漕がないと進まないとか、段差のショックを拾いやすいと言われます。これらに対しては、アシスト力と最適なギア比設定、エアボリュームをもたせた太目のタイヤで対応しています。またミニベロユーザーの嗜好に合わせて、泥除けと15.8Ahバッテリーを標準装備としたのもトピックです」

オフセットエンド:フレーム後端を後輪車軸からオフセットすることで直線的なフレームをキープするあたり、さすがデザインのヤマハ!

近年、日本では年間80万台のeBike需要があるが、中心購入者は普通自転車からの乗り換えであり、それはいつか落ち着く。だからヤマハは新規需要の開拓を、持ち前の商品力で喚起しようとしているのだ。

「実用性はもちろん、生活や人生を楽しむ相棒でもあるのが『PAS CRAIG』『同ALLEY』です。ぜひこの2台で【eBikeのはじめの一歩】を漕ぎ出して下さい!」

eBike「PAS」の歴史を振り返る

プロト試作車

1989年のプロトタイプ「A号車」。「人の力を電動モーターでアシストする」という発想から生まれた試作車で、「PAS」の名は本車搭載の新機構「パワー・アシスト・システム」がその由来。アシスト動力にはバイク用セルモーターを流用しているという。

■1993年・PAS

電動モーターが、人がこぐ力とほぼ同じ力でアシストする、世界初にして画期的なeBike。

■2008年・PAS Brace

eBikeの楽しさを提案するクロスバイクタイプ。内装8段変速、前サスなどを備える。

■2012年・PAS babby

自転車協会による幼児2人同乗基準適合を経て誕生した、ヤマハの子乗せ3人乗りeBike。

■2015年・YPJ-R

これまでにないスポーツ自転車の楽しみ方の提案として誕生した本格スポーツeBike。

■2020年・YPJ-MT Pro

MTライド、ヒルクライムに電動アシストをON。前後サス搭載で楽しく快適に自然を駆ける。

■2024年・PAS CRAIG

CRAIGシリーズの第1弾。ハイデザインと手頃な価格を両立し若年eBikeユーザーを呼び込んだ。価格は12万9000円。泥除け、15.8Ahバッテリー搭載の「PAS CRAIG PLUS」も展開。

横浜でPAS体験だ!

横浜みなとみらいの「Yamaha E-Ride Base」では、「CROSSCORE RC」を始めとするヤマハの各種eBikeに無料で乗車体験できる。横浜ガイドツアーも随時開催。まずはウェブでチェックを。

※「GetNavi」2026年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
※この記事のリンクから商品を購⼊すると、売上の⼀部が販売プラットフォームからGetNavi webに還元されることがあります。
※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で